表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/317

90

「違うのかい?…まぁ君たちが本気の喧嘩なんて考えられないだろうけど。」

確かにしたことないな。毎回小競り合いみたいなのは起きてるけど。

「まぁ、いいんですよ。ミストさんはなんでここに?」

「そりゃ、お祭りだしね?…それに君がいったんじゃないか、自分も出るって。」

「そういえばそうでしたね。」

「本当に言ったとおりだったね。…流石と言うべきか。それにティスカ公とも凄く仲がよさそうだったじゃないか。」

「納得いかないけど、仲はいいんじゃない?」

納得いかないけど。

「ティスカ公とあそこまで仲がいいなんてそうそうないことだよ?気さくな人だけどそれなりに公の場はわきまえてるし。」

そりゃそうだろうな、しっかりしてるとこはしっかりしてる。それ以外はダメダメだけど。

「あっ、そういえば訊きたいんですが。精霊に王様っていますか?」

「…よく知ってるね。いるよ、俺は見たことはないけどね。古い文献にも残ってるし精霊達もいるって言ってる。」

一応訊いておいたがやっぱりあれはちゃんとした王様だったらしいな。

「まぁ、存在はするんだろうが呼び出すことはちょっと出来そうにないかな?俺も精霊術師としていつかは、と思ってはいるが。あれは次元が違うってもんじゃないからね。俺が30人くらいいればまだわかんないけどね。」

と言ってミストが笑う。確かにそれなら召喚出来そうだなぁ。

「まぁ伝説の一部って感じですよね。一応小耳に挟んだので本職さんに訊いておこうと思って。」

「そうだね、伝説だね。」

伝説って聞くともうマスターボール投げたいよね。あえて初期ボールで捕まえるのもありだけど。

「ティスカ公と仲がいいなら古い文献とかも読めるのか。やはり…。」

その手があったか。書庫とかあるんだろうか、あの城。いや、あるんだろうけど想像がつかないって言うか。それに別に読書好きってわけじゃないからな。今は別に気になることもないし…。

「ねー、銀の特技は?」

「あー、すまんな。流石に一日じゃ無理だ。」

「えー、今度って言ったのに…。」

レックスに絡まれたが流石にこの街中で使えるもんなんかない。しかも覚えさせようとしても一日は早すぎる。

「まぁ、好きなだけ銀をモフモフしていいから…。」

既に疲れてる銀がこちらを二度見してきた。…我慢してください。

「ごめんなさいね。レックスったら銀ちゃんに本当に夢中で。」

「気にしないでください。ああ見えて銀も喜んでますから。」

アンジェが申し訳なさそうに言ってくる。まぁ銀も満更じゃないだろ。

「さて、いつまでもここにいるわけにはいかないし。クランの皆にでも会いに行ってくるよ。」

「そうですね、俺たちも行きますね。」

「今度クランのメンバーも紹介したいし、…今でもいいけど。」

「今はちょっと…、あんまり目立ちたくないですし。」

「あれだけ目立っていて何を今更…。」

「まぁそうなんですけどね。」

流石にここでついてったら、あの時のガキだ!とかさっき歌ってた子供じゃない?とかなるので遠慮しときたい。

それに別にクランのメンバーに興味が全然ない。

レックスが名残惜しそうに銀に手を振りつつミスト達は去っていった。

(すまんな。)

(主様の為ですから…。)

一応銀に謝っておいたが流石銀だ。なんともないぜ。

(…今度何か芸でも練習する?)

(あまり気は進みませんが…。主様が言うならば。)

(かっこいいやつ考えとくわ。)

流石に銀にお手とかをやらせたくはないな。…木の棒をスパッと牙で切るとかにするか。それならかっこいい。

でも教えなくても出来るなそれは。

そろそろほとぼりも冷めてるだろうし、皆のとこに戻ろう。


「へー、銀ちゃんとそんなことしてたんですね。」

「普通なら女性を連れていくとこではなくて?」

帰って来たらどこへ言ってたのか聞かれたから答えたらこれである。あんまり冷めてなかった。

「いやー、だってあのままだと俺お祭りいけなかったでしょ?」

「マスターがスパッと決めればいけましたよ?」

「今からでもいけますわよ?」

「さって、帰って明日に備えるかー!」

「話の変え方が下手すぎです。」

「リードっていつもこれですわよね。」

うるせいやい、どうやっても逃げれないだろ。

「まぁいいですわ。お父様達は先に帰りましたのでわたくし達も帰りましょう。」

呆れて帰ったのか、変なこと言ってないだろうなこの二人。

「さ、マスター。帰りましょう。」

そう言ってシェリーが腕を絡めて組んでくる。

「え?シェリーさん、ちょっと積極的やすぎませんか?」

「ぐぬぬ…。」

レイが隣で唸ってる。

「姉弟だったら何にも変じゃないですからねー!」

「ずるいですわ…。」

「明らかにおかしいと思うんですけど。」

そのままズルズルと引きずられるようにして城へと連れて行かれる。周りの視線が痛い。

レイがそのあとを唸りながらついてくるし、銀もやれやれって感じでついてくるし。

なんでこうなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ