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「クラウ夫人に訊けばいいじゃない。」

「あなたはいつもよくやってますわ。」

「ほらな、いつもこれなんだもん。」

イチャイチャを見せつけんじゃねぇ!

「なぁ、お祭りに参加してもいいのか?」

「そりゃいいぞ?でもお前やることあるのか?」

「…ないな。」

そういや一文無しに近い、参加したら参加したでまた色々欲しくなりそうだ。

「えー、行きましょうよー。」

「…リード、一緒に回りませんか?」

シェリーとレイが誘ってくる。美女と美少女のお誘いには乗りたいところだが…。

「あら、お姫様が一般人と一緒にいるのはちょっとおかしいじゃない?」

「先ほどまでシェリーさんはリードと一緒でしたわよね?それに一緒に迷宮を潜る仲間ですからこのくらいは当然ですわ。」

「私はいいんですよ、いつも一緒ですから。」

「それならわたくしもこの国の姫としてリードをエスコートしなくちゃいけませんわ。」

「今更何を言ってるんですか?」

「ちょっとくらい貸してくれたっていいじゃないですか。」

こわ、近寄らんとこ。この二人に巻き込まれる前に何処かにいこう。

こそこそと銀をつれて広場の方にいく。そこで見知った顔に出会う。


「お、トールさん。こんにちわ。」

「…リード君か、さっきの舞台見たよ。凄かったね!」

珍しくテンションが高いトールがいた。

「あんなに心躍る音楽を聞いたのは久しぶりだよ!」

俺のせいだった。まぁお祭りだしテンション高くしていかないとね?

「トールさんはこんなとこで何してるんですか?」

「一応これでも店の宣伝をしてるんだよ?このお祭りの後は冒険者を目指す人が多くなるからね。色々なものが売れるんだよ。」

言われてみればトールの周りには武器とか防具が少し置いてあった。見世物用なので刃はもちろん潰されてるし軽い物限定だったが確かに宣伝してる感じだ。

「なるほど、ティスカ公に憧れてってパターンが多いのか…。」

「この街の英雄だからね。…リード君はどうしたんだい?銀ちゃんだけしかいないみたいだけど。」

「ちょっと逃げてきた。」

「…また大変そうだね。そういえば迷宮に潜るなんて初耳だけど…、どうしたんだい?」

「まぁ、成り行きで…。もちろん俺は手を加えないし、シェリーがメインだからな。…一応何かあった時のための保険だとさ。」

「なるほどねぇ…。ティスカ公と知り合いだってのにも驚いたがそんなに親密な仲になっているとはね。」

「そこも成り行きで…。」

「…まぁ、ティスカ公は手放したくないだろうね。うちの親父もティスカ公に気に入られてこの街で援助してもらっていたからね。」

「へー、てことは?」

「そうだね、今でも使ってもらってると思うけどティスカ公の武器はうちの親父の作品だよ。」

意外なとこで共通点が。まぁ街一番の鍛冶職人だっただろうしな。…トールがその跡を継ぐのも夢じゃないな。ていうか継がせよう。道連れだ。

「リード君も活躍してうちの作品を宣伝してね。…いやそれはダメだったんだね。」

「まぁ、心配しなくても俺が教えてるんだからこの街一番の職人には余裕でしますよ。ていうかならせます。」

「ふふふ、リード君がそう言うと本当にそうなりそうだ。」

もちろん本気だ。

「それじゃあ、俺はもうちょっと見て回りますんで。」

「うん、僕も店の宣伝の方に戻るとするよ。」

周りを見渡すとみんなお祭り騒ぎで聞いてない気がするが、まぁしばらくすると収まるだろう。

トールに別れをつげて、銀と一緒に広場をフラフラとする。

銀が喋れないのが辛い。念喋で会話してるが傍から見るとボッチでフラフラしてるようなもんだ。

銀と一緒にあっちにフラフラ、こっちにフラフラしていると後ろから声がかかった。

「リード君。さっきは良かったよ。」

「あっ、ミストさん。どうも。」

ミストがレックスとアンジェを連れ添って後ろにいた。レックスは既に銀に飛びついていた。

「やはり、惜しいと思ったね。前よりも凄くなってなかったかい?」

「魔力込めてないですからね、気持ちを全面に込めてみました。」

全然嘘だけどこういっておこう。

「初めて聞いたけど素晴らしい歌声だったわ。」

「ありがとうございます。」

アンジェからもお褒めの言葉をもらう。

「あれ?シェリーさんはいないのかい?」

「まぁ、ちょっと…。」

「もしかして喧嘩でもしたのかい?」

「そういうわけじゃないんですけどね。」

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