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「…まぁいいですわ。」

クラウ夫人がなんか疑ってくるけど別になんもしてないしな。

「あっ、リード。さっきの続きなんですけど、どんな物でも加工してもらえるんですの?」

レイがこちらに手を振りながら走ってきてそんなことを言う。

「あっ、ほら。一応…ね?」

そういってダンの方を見てレイにアイコンタクトを送る。

「あぁ、そうでしたわ。…めんどくさいですわね。」

「ちょっと待てい!加工ってなんのことだ!またレイにやったみたいに何かやるのか!?」

ティスカ公ちょっと黙って。

「うぉい!ちょっとその話は後にしようぜ、割とマジで。」

「あっ、すまんすまん。」

ティスカ公、無能。ダンのこちらを見る視線が尚更訝しげになった。

「…シェリー様。もしかして、リードさんとレイン様はご婚約をなされているとか…?」

ここでダンが爆弾を落としてきた。

「はぁ!?そんなわけないでしょう。リードは私のものです。」

「まぁ、ゆくゆくは?みたいな?そんなことを考えてたり?」

「お父様ったら、嫌ですわ…。」

「だから私のリードですって!」

「いやいや、本人おいてけぼりはやめて。」

シェリーがムキになって俺の所有権主張するし、それをティスカ公が煽るし、レイも満更じゃないし。

カオスすぎる。

「そうだ!開会式ついでにレイの婿紹介でも…。」

「それ以上言ったら知らんぞ。」

シェリーから魔力が溢れ出してる。具体的にいったらほぼ全魔力使いそうな勢いで。

「…まぁ、死にたくないし。それはやめておこう。」

「よかったな、今のシェリーに冗談通じないぞ。」

どうどうとシェリーをなだめながらティスカ公に忠告しておく、ただでさえ機嫌悪かったのにそこに爆弾突っ込むんだもん。

「…何か大変な事になりましたね。」

ダンがそう言ったがお前のせいだよ、とは言えなかった。


舞台の上にティスカ公が上がる。周りからは大歓声があがる。舞台の袖から見ても相当数の人がいることがわかる。

「皆の者、今日はよく集まってくれた。皆が知っての通り、明日我々一家は迷宮に潜ることになっておる。」

威厳たっぷりな喋り方だ、正直いつもの見てるから似合わないと思ってる。

「ではまず、今回の迷宮を作った職人を紹介しよう。ダン、上がりなさい。」

「はい!」

緊張で声が裏返っていて、尚且つ足がプルプル震えてる。正直、俺もこんな中いきたくない。主役じゃないのに緊張してきた。

「こ、今回の迷宮を作成しました。ダンと言う者です。…よろしくお願いします。」

少し間があったのがなんだろ、言うこと忘れたとか言うオチじゃないよな。

「…まぁ見ての通り、緊張しておるのでな。俺から訊こうとしよう、今回の迷宮のコンセプトは?」

「す、すいません!今回の迷宮は、…えっと、街が魔物に襲われた場合を想定して作りました!」

ナイスフォローティスカ公、出来る時はやる男。当たり前だけど。

「ほう、どんな特徴があるのかな?」

「はい!まず迷宮全体を一つの街としてイメージして、そこに入り込んだ魔物がいて…。」

「よしよし、そこまでで結構だ。後は俺たちで攻略するとしよう。」

少し民衆の中から笑いが起こる。

自分から聞いておいて途中で切っていくのか。まぁネタバレしちゃうと攻略サイト見てるようなもんだしな。

「よし、じゃあ次は迷宮に潜る仲間を紹介していこうか。皆が知っている通り、クラウとレイだ。」

そう言って横に控えていたクラウ夫人とレイを紹介する、歓声が一際大きく上がる。

見てくれだけは二人共トップクラスだからな、隠れファンも多そうだ。

「さて、次は…。皆が気になっているだろう。今回の助っ人を紹介しよう。」

そして後ろにいる俺たちに視線を送る。ここで思いっきり何処かに逃げたらティスカ公赤っ恥だな。

「マスターに銀ちゃん、行ってきますわ。」

「おう、行ってこい。」

銀もワンと吠える。一応シェリーの晴れ舞台だ、頑張って欲しい。優雅に歩きながらシェリーがティスカ公の横に行く。

またも歓声が大きく上がる。

「あの美人見たことあるぞ?」

「うちのお得意様だ!」

「身のこなしから普通じゃないと思っていたがやはり…。」

「ウォー、結婚してくれー!」

などと聞こえてくる。シェリー大人気、今までも普通にナンパされてるもんな。俺がいるから躊躇してた輩もいただろうから実際はもっとナンパされてもいいはずだ。

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