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「ふふふ、どうしましたか?もしかしてちょうどありましたか?」
こいつわかって言ってやがるな、時々俺が金貨の数かぞえてるの見て覚えてやがったか。
「いや、食費とかが…。」
「魔石売ればいいでしょ?」
完 全 論 破
「はい…。」
金貨を取り出して店員さんに渡す。
「え?はっはい、ちょうどになります。」
子供からこんな大金が出てきたことにびっくりしたのか店員さんがあたふたしてる。
「このままつけていくので貰ってもいいですか?」
「はい、どうぞ。」
店員さんから髪飾りをもらうシェリー。
「ほら、リード君。つけてください。」
「…え?俺が?つけたことなんてないぞ。」
一気に大金を持って行かれたショックがデカすぎてあまり話を聞いてなかったがどうやら髪飾りをつけてほしいらしい。
しかし元の世界でもつけたことなんてないし、まずこっちの世界のやつがどうなのかもわからん。
シェリーから髪飾りを受け取ってみる。どやら留め具で髪の毛につけるタイプのやつらしい。
「あー、じゃあちょっとしゃがんでくれ。」
俺も別に小さくはないがシェリーは大人だからな。女だと言っても160cm後半くらいあるんじゃないかな。
シェリーが少し身をかがめてくれるが、正面にいると、その、なんですかね、谷間って言いますかね、あのですね。
「…?何してるんですか?早くつけてくださいよ。」
「はっはい、今すぐにでも。」
どこにどうつければいいのかわからんがさっきシェリーがつけていたみたいに後ろに回ってうなじの辺りにつけてみる。
「…これでいいか?って言っても見えないか。」
「いいですよ、リード君がつけてくれたなら。」
「まぁ自分で調整はしてくれな。」
ちょっとバランス悪いかもしれないしな。
それでもその髪飾りを嬉しそうに撫でるシェリー。…まぁ金貨25枚でこのシェリーが見れたって考えれば十分か。
「しかし銀のスカーフを買うお金がなくなったな。」
「…スカーフですか?それでしたらこれなんていかがでしょうか?」
すかさず店員さんがシュタッとスカーフを片手に飛んでくる、怖いが有能だ。
「えっと、お金ないんですが…。」
「いえいえ、先ほどの商品とセットということにしますので。」
店員さん有能すぎる。真っ赤なスカーフだが銀の銀色の毛にあうのだろうか。
「銀、ちょっとすまんな。」
銀の首にスカーフをつけてやる。…思った以上に似合ってるな、なんか主人公の相棒の魔犬みたいな。そして大体そういうやつはツンデレ。
「あら、そのワンちゃんのでしたか。似合ってますよ。」
「銀ちゃん、似合ってますよ。」
店員さんの太鼓判もいただいた。ちょっと慣れないのか銀が首を痒そうにしているが慣れれば問題ないな。
「ごめんなー、シェリーにお金使いすぎて買ってやれなくて。」
「それだと私が悪者みたいじゃないですか。」
シェリーが口を尖らせて文句を言うが顔が綻んでる。銀は満足そうに小さく吠えてくれたので大丈夫だと思う。喋れればいいんだけどな。
「一文無しがここに居ても迷惑だしな。帰るか。」
そういって店員さんにお礼を言って店を出ることにした。これ以上ここにいたら他にも買ってしまいそうだ。
「…さて、お金稼いできますか。」
「魔石売るだけじゃないですか。」
冒険者ギルドに足を運ぶとしよう。
「こんにちわー。」
扉を開いてギルドの中に入っていく。今日もあの女の人だ。他の人の姿はない、好都合だ。
「いらっしゃい、初依頼は成功したんだって?おめでとう。」
「ありがとうございます、それでちょっと魔石を換金してほしいんですが…。」
「依頼の時のやつかい?」
「いや違うんですけど、これらをちょっと。」
そういって宝物庫から魔石を取り出す、あまりランクが森に入って狩った分しかないのでランクは低いが何しろ数が多い。
怪しまれないように少しづつ売らなければ。…30個くらいでいいか。
「また随分と多いね。」
「そうですか?俺も受け取っただけなんで出処はわかんないんですが。」
多かったらしい。そしてさりげなく俺が取ったものじゃないことアピール。
「まぁ、ちょっと待っててね。」
そういってまたカウンターの奥に行ってしまった。奥に鑑定してくれる人がいるんだろう。
しばらくすると戻ってきた。
「お待たせ、今回は魔石がまとまってなかったからね。ランクがCのもいたんだけど…、これぐらいだね。」
金貨2枚と銀貨10枚を渡される。まぁこんなもんか、そう考えたらさっきのやつやべぇな。魔物どんだけ倒せば買えるんだよ。
「はい、ありがとうございます。」
正直魔石の価値がどんなもんなのかわからんし文句を言うつもりもない。サッと受け取り財布に詰める。これで当分はいいだろう、苦しくなったら依頼を受けてもいいし、魔石を売ってもいい。まだ後100個くらいは魔石が残ってる。
昨日も上げれなかったので三連でやってみました。
とりあえず明日からは時間が取れるはず…。




