表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/317

80

「そんなことは置いといて、どうするんだ?契約ってのするのか?」

「呼び出された時点で契約は完成しているようなものだが…、子供に契約されるのがなんと言うか…。」

まぁわかる。

「まぁ、契約は強制じゃないみたいだし。いいんじゃないの?今回は顔合わせ程度で。」

「…また呼び出すのか?」

「え?当たり前だろ?」

「色々な準備とかしてなかったのか?」

「え?準備とかいるの?」

「はぁ…。」

ふむ、要約するとだ。

この精霊さんを呼び出すには壮大な準備をして大勢の優秀な精霊術師を使って呼び出すらしい。

それを子供の俺が魔力で無理やり呼び出した結果がこれ。

そりゃ混乱するわな。

「…地味に魔力減っていくし、もう消していいか?」

「…本当に顔合わせだけの為に呼び出したのか?何かやることはないのか?」

「あっ、はい。別にただ呼んだだけです。」

まぁそんな顔になるよな。

「…もう行っていいのか?」

「あっ、はい。どうぞ。」

「…全く、こんな話誰が信じると言うのだ…。」

そう言ってウンディーネは消えていった。消えるときはそのままスっと消えてった。

「…なんか思ってたのと違ったな?」

「いやいやいや、マスターが色々とおかしいですよ!」

「銀ちゃんの事で頭がいっぱいでしたが、ウンディーネの王ってあれも古代のお話に出てくるような存在ですわよ!」

総ツッコミだ。いやなんか王とか言ってたし、わかるんだけどさ。もうちょっとこうさ…。

「まぁ、呼び出せるのわかったんだし。いいんじゃね?正直疲れた、魔力込めすぎたわ。あんなにいらんかった。」

呼び出すコツはわかった。次はもっとスムーズに呼び出せるはずだ。

「もう無茶苦茶ですわ…、このことはお父様には言わない方がいいですわね。…どうなるかわかったもんじゃないですわ。」

多分そろそろあの人本気で捕まえてきそうだ。…命の危険を感じたら逃げよう。

「そろそろ寝るわ。…他に用事はないよな?」

「…そういえば明日開会式がありましたわ。」

「そういえばメイドからそんなこと聞いたな、俺そんなとこに着ていく服がないぞ。」

自慢じゃないが前の世界でも外に着ていく服がなかったくらいだからな。大勢の前に出るだろうし、今までの普通の服だとちょっと恥ずかしいだろ…。

「リードはそのままでいいですわよ?…あくまでもシェリーさんが主役ですわ。」

「…それならいいっす。」

ちょっとがっかり、おめかししたかった。

「あら、そういえばそうですね。…ちょっとくらいおしゃれしたほうがいいのかしら。」

「ははっ、お前はそのままでも十分綺麗だよ。…。」

「なんですか、その間は。」

「いや?外見じゃなくて中身が悪いとかそんなこと考えてないよ、ハニー。」

「ふふふ、今日は寝かせないようにしませんと。」

「すいません、謝るので勘弁してもらえませんか?」

夫婦漫才はいつどこでもどんなときでもやっていこう。

「はいはい、じゃあわたくしは部屋に戻りますわね。」

「おう、サンキューな。」

「お父様の伝え忘れと自分の目的を果たしただけですわ。」

呆れた顔のレイが部屋から出て行った。んー、レイは基本的にはいい子なんだけどなぁ。惜しいと言うかなんと言うか。

「それで、マスター?」

ジリジリとこちらに寄ってくるシェリー。

「あー、シェリーさんは外見も中身も素敵でいい人だなー。」

「ダメです。棒読みすぎます。」

「…主様、我はもう寝ますね。」

ソファーであくびをしてる銀が無情にも寝ようとしている。助けてくれていいじゃないか!

「あかん、本当に疲れてるんだから寝かせてくれよ。」

「どうせ、もう魔力は問題ないでしょう?」

「まぁ、回復はしてきてるんだけど。そっちじゃなくて肉体的にだな…。」

「さっきの一言で私の心が傷ついたんですよ?」

「そんなので傷がつくような…、いやなんでもない。」

「あー、またそんなことを…。私悲しい、よよよ…。」

よよよってお前、今時よよよって。

「わかったわかった、明日綺麗なシェリーに似合う髪飾りでも買ってやるから!」

「…物で釣ろうとでも?」

チッ、褒め言葉もつけたけど意味なかったか。

「いやー、髪飾りつけたシェリーとデートとかすっげぇ楽しみだなー!どうしよう、今から俺寝れるかな…?」

ここで迫真の演技だ。これを逃したら色々と危ない。

「…本当に?」

「当たり前だろ?今のままでも十分綺麗なシェリーがさらに綺麗になるとか…、緊張しちゃってどうにかなっちゃいそうだわ。」

「流石に褒めすぎですよ。」

「そんなことはないと思うぞ?」

よし、シェリー釣れた。顔がニヤついてきてる。

「もう、マスターは色々とずるいですね。」

「そこも含めて俺だからな?」

「今日は勘弁してあげます。でも髪飾りは買ってくださいよ?」

「そりゃな、似合うの買わなきゃな。」

さすがのシェリーも褒められていい気分になったみたいだな。…ただこの手は何回も使えるもんじゃないな、危ない時にとっておこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ