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「さて、食事が出来るまで暇なので少し話をしようか。」

「なんですか?話なら来るときもしてたじゃないですか。」

ミストも椅子に座りながらこっちに体を向ける。

「まぁ、暇つぶしみたいなもんだよ。…姫様とはどうやって知り合ったんだい?」

そうきたか。道中は結構ミストのことばっかり聞いてたからな。

「あー、なんです?公爵とコネが欲しいんですか?」

「ティスカ公とも知り合いなのかい?…やはり君は何かあるんだね。」

しまった。レイと知り合いってだけにとどめておくべきだった。

「いやー、そんなことないっすよ。ただうちの村が魔物の群れに襲われたときに救助してもらっただけですから。」

「あー、確かどこかの村が魔物に襲われたって話があったけど、君のところだったんだね。…バトルウルフを連れた魔物使いが出たんだって?凄いよな、今までそんな魔物使いは聞いたことがない。」

「そうなんですよ。普通に全滅させて帰っていきましたからね。」

そのバトルウルフと魔物使いはここにいるんだけどな!

「なるほど、そのときに姫様とも知り合ったんだね。」

「まぁそういうことっすね。」

その辺はあいまいにしておこう。

「そうだ。今度の祭りがあるだろ?」

「あの公爵一家が迷宮に潜るってやつですか?」

「そうそう、それの助っ人が未だにわかってないらしいんだ。毎回冒険者の中から選ばれるんだけど、今回はなんの音沙汰もないから皆戸惑っててさ。」

「あぁ、それならシェリーがそうですよ?」

「え?」

「…リード君、言ってもよかったんです?」

「いいんじゃね?別に口止めされてないし、どうせ後々わかることだろ。」

驚いたミストにあきれた顔のシェリー、どうせばれるんだしかまわんだろ。

「…なるほど、確かにシェリーさんの実力なら問題はなさそうだ。」

ゴブリン程度じゃ全然お話になってないけどな、むしろかなりセーブしてあれだ。

「私はどうでもよかったんですが、リード君がどうしてもって…。」

「…確かにそう言ったけどなんかちがくね?」

「全然ちがくないですー。」

そう言ったんだけど納得いかねぇ、大体シェリーだって少しはあの一家助けたいだろうに。

「シェリーさんがその迷宮にいく間リード君はどうしてるんだい?…もしよかったらまた一緒に依頼をこなすかい?流石に今度はこちらの仲間と一緒で報酬は山分けだけど。」

暇になるであろう俺に対してのお誘いだ。

「いや、俺も迷宮潜りますよ?銀と一緒に荷物持ちするんですよ。」

「え?」

ここに来てから二度目のポカーンタイム。

「それって言ってよかったんでしたっけ?」

「いいんじゃないの?」

「…知らないですよ。後で何か起こっても。」

「むむむ、そうだな。今のは言ってなかったってことで!」

「…いや、流石に今のは驚いた。…そうなると、どうなるんだろうな。」

そう言って考え込むミスト。なんかまずいことでもあるんだろうか。

「…まぁ大丈夫だろう。詩人の能力を使えば流石に皆にバレてしまうし、何よりティスカ公がそんなこと許すはずがないからな。」

あぁ、なるほど。戦力として数えられたらアウトなのか。確かに言ってたな、魔法使いか僧侶が助っ人って。

まぁ、厳密に言ったら、俺が魔法使い兼魔物使いでシェリーと銀を使役してるんだから、問題は全くないな。そうじゃなかったらティスカ公がなんか言ってるだろ。

あれでも一応公爵だしな。…大丈夫だよな?

「凄いじゃないか、荷物もちだとしてもあのティスカ公と一緒のパーティーに入れるなんて。」

「そうなんですか?」

「あのティスカ公だからね、君も噂くらいは聞いたことはあるだろ?」

いえ、全くないです。しかもいつものティスカ公見てるとダメダメな印象しかないです。

「おや、知らないのかい?あの人はいくつもの迷宮を制覇してるんだよ、婦人だってそうだ。二人とも冒険者として完全に俺よりも上だ。…二人の戦いを生で見れるなんて光栄なことなんだよ。」

「はぁ、そうなんですか。」

確かに凄い人なんだろうけど…、全然そうは思えないのはいつもの姿を見ているからか、それとも俺がその二人より上だからなのか…。

「それに姫様だって今はそんなに強くはないけれど、将来絶対強くなるからね。」

「そうっすね。」

まぁ俺が能力分けてるしな。将来は普通に歴史に名を残すくらいしてもらわんと困る。…いい伝説でね?

「そうかぁ、シェリーさんはティスカ公に認められる程の実力者なのか。…やはり惜しいことをしたなぁ。」

珍しく、というか初めてこんなに興奮しているミストを見る。よっほどティスカ公と一緒に迷宮に潜るって凄いことなんだな。


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