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「いいんです?あんな簡単にスキルを上げても…。」

ちょっぴり不満そうな顔のシェリーがこちらを見ている。

「まぁいいじゃん?それなりにレイも頑張ってるし。俺が守ればいいんだろうけどずっと一緒にいるなんて出来ないしな。」

そりゃそうだ。別にレイと結婚するわけでもないし、何より姫様だからな。今のところの目標である、エンちゃん解放にもついてはこれないだろう。

「はぁ…、私は守ってくれますよね?」

「逆に俺を守れよ。使役してんだから。」

「マスターは守る立場でしょう、どう考えても。…女心のわかんない人ですね、本当に!」

「我は主様をお守りしますよ!」

某雀師の様に銀をわしわしする。

「銀は素直だなぁ、まぁお前たちは俺から離れる事はないだろうから守るけどな。」

守れる限りは守り通したい。これが今の俺の本音だ。

「そういえば、昼食はどうする?街で買い食いしてもいいし、城で食べてもいいけど。」

「待ち合わせの正確な時間を決めてませんでしたね。…行きながら食べるのがいいんじゃないです?」

「我もそう思います。」

「そうするか。…あんまり遅くなっても今後に支障が出そうだしな。」

レイが走り去ってった城の方を見る。まぁ後はレイに任せとけば大丈夫だろ、多分。


例によって街をぶらつきながら買い食いをしてギルドの方に向かう。

ここら辺の露店で売ってる食べ物はコンプリートしたはずだ。串焼きの店のおばちゃんとはもう世間話する仲だしな。主に銀のおかげで。

冒険者ギルドに着く頃にはお腹も満腹になっていた。

「ごめんくださーい。」

冒険者ギルドの扉を開ける。見渡すとミストが一人椅子に座っていた。受付の人は違う人だ。昼で交代なんだろうか。

「よし、来てくれたね。」

「約束は守りますって。」

そう言ってミストの前の椅子に腰掛ける。シェリーは隣に、銀は足元にお座りしている。

「じゃあ確認するけど今回の依頼は街の外の森のゴブリン退治。報酬は全て君たちの物。シェリーさんと銀ちゃんも一緒についてくる。…これで間違いはないね?」

「はい、大丈夫です。」

「…繰り返し確認するけど、本当に連れて行っても大丈夫なのかい?」

シェリーと銀の方をミストが見ながら確認する。

「あー、こう見えてシェリーは魔法が使えますし、…銀は逃げ足が速いです。」

シェリーについてはいいが、銀については苦しいけどこう言うしかない。まさか巨大化してブレス吐きますなんて言えないしな。…冗談っぽく言えばそれでもいけたかもしれないが。

「私のことは心配しなくても大丈夫です、銀ちゃんも同様です。」

ゴミじゃなければ話すシェリー。銀は逃げ足を褒められたのがちょっと嫌だったのかしっぽで抗議してるように見える。

「魔法使いでしたか。…他にもありそうですが、女の人は謎が多い方が魅力的ですからね。…銀ちゃんについては犬だからね、勝手に吠えたりしないように躾がしてあるなら全然大丈夫かな。」

おいおい、うちのシェリーを口説くなよ。シェリーもまんざらでもない顔すんな。うちの銀は吠えないので大丈夫です、ただ言葉を発するだけです。

「じゃあ、早速いきましょうか。森は近いですからね、そこそこ時間がかかっても夜には終わるはずです。…ゴブリン共は頭が悪いから隠れるなんてことはしないですから。」

そういってミストが席を立ち冒険者ギルドを出て行く。その後に続いて俺たちも挨拶をして出て行く。


「そういえば、剣術も使えるんだね。」

ミストは俺の腰にある剣を見ながらそう言った。今は街から出て森に向かう途中だ。

街から出るときミストは門番と少し談笑していたのでいつものことなんだろう。ここを拠点にしつつ、色々な依頼を受けてクランを作り上げているのだろう。

当然ながら俺はミストのクランの一員のような感じに見られてたがきっぱりと違うと言った。ここで愛想笑いとかで済ましてしまうとそのままズルズルとクランに引き込まれてしまう。

「嗜む程度ですけどね。…本業はこっちですから。」

そういって手作りギターを宝物庫から取り出す。…ただ普通の詩人がどんなことするのかわからん。

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