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「けいじばん?」
「まぁ気にすんな。んじゃあお前にもちょっくら分けてやるか。」
そういって今のレイのステータスを神眼で見る。
【レイニー=ムル=ティスカ】【646:10】【メイン職業:武道家8 サブ職業:魔法使い見習い5、冒険者見習い1、僧侶見習い1】
HP:71
MP:51 (48)
力:48
敏捷:50
健康:48
知識:31
知恵:27
威厳:52
運:20
【パッシブスキル:カリスマ】
【アクティブスキル:体術4、気功5、軽装備6、宝物庫3、風魔法3、聖魔法2】
やっぱ低いな、俺に比べたらだけど。
同じようなことしても単純に4倍以上の差がつくからな、当たり前って言ったら当たり前か。
それでも同じ年齢の奴と比べたら頭一個出てるんじゃないかな。フランもまぁ例外だな、あとラニも。
これを!
【レイニー=ムル=ティスカ】【646:10】【メイン職業:武道家8 サブ職業:魔法使い見習い5、冒険者見習い1、僧侶見習い1】
HP:71
MP:51 (48)
力:48
敏捷:50
健康:48
知識:31
知恵:27
威厳:52
運:20
【パッシブスキル:カリスマ】
【アクティブスキル:体術4、気功5、軽装備6、宝物庫3、風魔法3、聖魔法2】
経験値2倍、熟練度2倍、超回復、詠唱破棄
こうじゃ!
ちょっと奮発しすぎた感があるけどいいか。ボーナスポイントは11持ってかれた、大したことないな。
「レイ、ちょっと呪文唱えてみ、技の名前だけでいいから。」
「?…別に何も変わった気はしないですわ、…【ウィンドボール】。」
適当に唱えたであろう【ウィンドボール】が俺に向かって飛んでくる。
「うぉ!お前いい加減に俺に向かって試すのやめんか!」
遮断で消し去る。
「え?なんで詠唱なしで発動しますの?…ちょっと!何をしたんですの!?」
「その前に一言あると嬉しいんですけど。」
「あっ、ごめんなさい。」
よしよし、許してやろう。実際発動するなんて思ってもなかっただろうしな。
「簡単に言えば俺の能力を少し分けてあげたようなもんだ。魔法の詠唱破棄とあとは普段の何倍も効率よく訓練が出来るのとあとはかなり回復が早くなったくらいだな。」
「え?」
レイは自分の体を見下ろして困惑している。まぁ急に言われてもわからんよな、実際一瞬だったし。
「そんな感じだから、これ誰にも言うなよ。この能力狙ってくる奴がいるだろうし。」
片目をつぶってシーッとポーズを取る。イケメンだけに許されたポーズ。…今の俺なら両手に剣持って無魔法で飛び上がってあの伝説のかっこいいポーズが出来るな。今度登場する時に使おう。
「はい?…ちょっと整理させてほしいですわ!」
そういってブツブツと前にも見たことある状態にレイがなってしまう。
まぁ構わんよ。時間はそれほどないけど問題はない。
「…つまりわたくしは詠唱なしで魔法を唱えられて、魔力の回復も早くて、他の人よりも成長しやすいってことですの?」
「そういうことだ。」
頭はいいんだよな、理解が早くて助かる。
「…こんなこと出来るなんて本当にリードって何者ですの?」
「俺は俺だ、他の誰でもねぇよ。」
まさか他の世界からやってきました、ネトゲ廃人です。なんて言えるわけないしな。
「軽々力を分けてましたけど代償は必要じゃありませんの?」
心配そうな顔をしてこちらに目をやる、しおらしいレイはかなりイイんだけどな。滅多に見られないレア顔だ。
「心配すんな。ないってこともないけど、俺の寿命が減るとか俺の能力が下がるとかそんなんないから。」
間接的に見たら能力下がるんだけど別に余らせてるしいいわな。使わない置物状態だしな。
「それに俺にとっちゃそんなもんよりお前が死ぬ方が遥かにきついわ。」
「ちょっ、え?」
ボンッと効果音が鳴りそうなくらい急激に顔を真っ赤にしたレイがそこにいた。
「はっ、いや、ありがちょうございますですわ!!!」
噛み噛みになりながらお礼をいって走って城に帰ってしまった。
「…俺やっちゃった?」
「マスターって結構天然ジゴロですよね。」
「主様はやっぱりすごい人ですね。」
シェリーが呆れ顔で、銀は誇らしげに俺を見ている。
俺としては知り合いが死ぬってのが嫌なだけだったんだが。
…確かにあれだと思いっきりお前は死なせるわけにはいかないぜ!的なニュアンスになってるな。気を付けないと。




