表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/317

68

「次はどうするんですの?」

レイが空気を読まずにそう言ってくる。

「あとは別にやることないかなー。昼飯食ってギルドにもどるくらいか?」

銀の頭をもふもふしながら言う。

正直あとはもう大丈夫かな。万が一接近されてもこの剣でどうにかなる。

魔法偽造でミストに気づかれないように魔物を処理してもいいだろう。

今回のは完全な部外者だからな、手の内は完全に隠しておきたい。

銀がケロベロスの事も、シェリーが妖精のことも。俺が何を出来るのかも。

それでいてミストからは精霊使いのスキルを盗む。完璧だ。

そうと決まったら方針をシェリー達に言っておかないとな。

「それで今回の依頼についてだけど、俺は初めて依頼を受けた詩人のスタンスでいくからな。」

「なるほど、私たちは手を出さないようがいいって感じですか。」

「主様は色々考えてますね。」

「そうだな、それぞれ正体がバレるようなことはしないでくれ。銀はもう犬のままで、シェリーは魔法を使ってもいいが妖精魔法は使うなよ。」

「やっぱり我は犬なんですね…。」

「妖精魔法のが使いやすいんですけどねぇ。まぁ了解しました。」

銀が撫でられたまましょぼくれてる。

「よし、大体決まったな。じゃあいくか。また来ますね、トールさん。」

「なにやら忙しそうだね。僕が言うのもなんだけど気をつけてね。」

「ありがとう、じゃあまた。」

トールに別れを告げて店を後にする。


城に戻るが途中で時間があるなら昼の分の訓練をして欲しいとレイに言われたので時間のある限りレイの訓練を見てあげた。

そろそろレイの訓練も十分な気がするんだよな。あとは実戦でどこまで出来るかって感じだな。

「そういえばレイは迷宮とか潜ってんのか?」

「あら?知りませんでしたの?週に一回は潜ってますわよ。」

大先輩でした。そういえば前にも潜ってるとか言ってたな。

「そんな頻度で潜ってるんか。…実戦で魔法使ってる?」

「…そこそこですわね。単純に敵との間合いが遠い時には使ってますわ。目の前にいるなら殴ったほうが早いですし。」

まぁそうなるな。レイは詠唱もいるからな。俺みたいにノータイムで打てるならあんまり変わらんけど。

いや俺でも目の前に敵がいるなら叩き切ったほうが早いわな。ケースバイケース。やっぱり何事も経験だな。

「それに武器に魔力を込めるのもあるのであまり魔法は打てませんわ。…普通の魔法使いくらいは魔力があると思うんですけど。リードのを見てると自分が少なく思えてしょうがないですわ。」

「俺と比べるのが間違ってるから。…俺のは一種のチートだしな。」

「チート?」

「…裏技みたいなもんだ。」

膨大な魔力に加えて超回復でのMP回復。正直並の魔法なら一日中打ってられるきがする。体力的に無理だけど。

「リードの力の横暴さは今に始まったことではありませんがやっぱり悔しいですわね。…同じ歳なのにここまで違うのは。」

「まぁ気にすんなって。」

ふとレイにも贈与してスキル追加したほうがいいのではないかと思った。

流石にここまで一緒に訓練とかしてまったく情が沸かないわけではない。

フランにもあげてるし別にいいんじゃないかな。

いやでも一応こいつ姫だしな。国が関わったら流石に俺の敵になるかもしれん。敵に塩を送るってのもなんかなー。

とりあえず保留でいいか。今のままでも十分やってけるし。

いや待てよ、でも明後日には今まで行ったことない迷宮潜るんだぞ?そこでもしかしたらレイが狙われて死ぬかもしれない。

それがもし俺がスキルを贈与したことによって回避出来るとしたら?俺の目の前で知ってる人が死ぬなんて見たくないぞ。

「なぁ、レイ。…お前もっと強くなりたいか?」

「何を唐突に?そりゃなりたいに決まってますわ。」

「…なんで強くなりたいんだ?」

「なんでって…。わたくしは姫ですわ。民を守る力が欲しいのは当たり前ですわ。」

胸を張ってレイは答える、デカイ。

まぁ守るのは別に力なくても出来るんだろうがここはティスカ公国だしな。…あの公爵見てれば大体分かる。

「マスター、変なこと考えてないですよね?」

それまで黙って聞いてたシェリーが口を挟む。銀もこちらを見ている。

「シェリー、もしここで俺がしなかった場合レイが死ぬなんて事になったら俺は死ぬほど後悔するぞ。」

「死ぬって何を大げさなことを言ってるんですの?」

「そりゃ私も嫌ですけど。…いいんですか?」

シェリーと銀には贈与のことは大体話してある。俺のリソースを削って相手にスキルを付ける云々と、簡単にだけど。

「まぁ死ぬって決まってはいないんだけどな。…最後に一個だけ聞きたいんだけど。」

「なんですの?急に。…何かおかしいですわよ、今のリード。」

「まぁ結構真剣な話だからきいとけって、…俺の敵にならないって誓えるか?」

レイの目を見てそう問ふ、ここで少しでも躊躇したら却下だ。

「そんなのありえないですわ。仮にリードが敵になったとしたらその時点でわたくし達の負けでしょうし。…何よりリードはわたくし達の敵にはならないでしょう?」

「…愚問だったみたいだな。これだけ世話になってて手のひら返すなんてありえねーよ、俺は某掲示板の奴らとは違うしな。」

既に何回か手首クルクルしてる気がするが棚上げ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ