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「仕事の内容は、俺たちと一緒に迷宮に潜ってもらう。大抵はそんなに深くはない迷宮だから2~3日で済むな。その間、街の人たちは祭りをしてるって感じだな。」

「ふーん、その2~3日は迷宮に潜りっぱなしなのか?」

「いや別に帰ってきてもいい、まぁ滅多なことがないと帰らんけどな。」

流石にこっちで休んでまた迷宮戻るってのはちょっとカッコ悪いな。

「…俺たちの潜ってる間街の人たちは祭りって言ってるけど具体的にどうしてんの?」

「街の広場あるだろ?あそこでみんなで俺たちの様子を見ながら酒飲んだりして騒ぐわけだ。」

あぁ、街の中央にでっかい広場あるな、だが。

「どうやって俺たちの様子みるの?迷宮潜ってるわけだろ?」

「ん、そりゃ迷宮にそういう機能組み込むんだよ。前は目玉の魔物が映した物を水晶に映し出すってやつで広場に大型の水晶置いて見せてたな。」

「そんなことも出来るのか…。いやいや、それだと俺ダメじゃん。出来るだけ目立ちたくないし。」

「そこをなんとか…、な?」

くそ、報酬の話先にするんじゃなかった。ミスリル結構欲しいぞ。それに迷宮はかなり使い勝手良さそうだ。出来るなら両方自分のものにしたい。

「…なぁ、迷宮一緒にいくのって俺ひとりなの?シェリーと銀は?」

「もちろんついてきてもいいぞ。使役してるならもうそいつの一部だ。」

ほう、ならばこれしかないな。

「シェリー、身代わりしてくれね?」

「…どういうことですか?」

シェリーが露骨に嫌そうな顔する。まぁ詳しい話聞けや。

「公爵家と一緒に迷宮に潜る仲間としてシェリーを紹介してもらって、俺は…まぁ荷物持ちの奴隷でもなんでもいいや。それで迷宮の中では気配消して手伝う。これでどうよ。」

「うわ、露骨にめんどくさい。」

「そんなこといわずにさ。そろそろ俺も自分の剣が欲しいんだよ。またなんか埋め合わせするからさ。」

後半はシェリーに耳打ちをする。公爵に弱みは見せたくないしな。

「むむむ、じゃあ一日デートしてください。それならいいです。」

「デート?別にいつも一緒に出かけてんじゃん。」

「そういうのじゃなくてですね…。ふたりっきりでデートって名前で出かけるからいいんじゃないですか。」

そういうもんなのかね?俺にはわからんな。

「まぁそれくらいならいいか。こっちはそれでいいがそっちはどうなの?」

ティスカ公の方はそれでいいのか聞いてみる。

「俺たちはリードがついてきてくれるならそれで構わん。」

大丈夫らしい。

「よし、まとめるぞ。公爵達と迷宮に潜ってお手伝いをする。その報酬はミスリルと迷宮職人にあわせる。シェリーが俺の代わりに迷宮に潜る仲間として紹介してもらって俺は映像に映らないように援護する。…こんなとこか。んでいつ迷宮潜るの?」

「明後日。」

「え?」

「明後日開会式がある。」

「お前はアホか。」

こいつなんでそんなこと今まで言わねぇんだよ。言われてみれば確かに街の広場でなんか準備してたわ。

「なんでだよ、結構大きい感じの祭りだろ!それに危険も伴ってんだろ!そんなん直前に言うなよ、普通もっと前から準備するもんだろ…。」

この公爵仕事出来るのか出来んのかわからん。

「いやー、ぶっちゃけ忘れてた。迷宮はわりと潜ってるし、この頃平和だったからな。すっかり忘れてたわ。だから困ってるって言っただろ!」

最後逆ギレかよ。

「こんなんが公爵で大丈夫なの?ここは。」

「普段は優秀なんですけどたまにこういう事するんですわ、そこがまたいいのですけど。」

レイのドジっ子はこいつの血かよ。あとクラウ夫人微妙にのろけないで。

「まぁまぁ、準備っつてもいつも迷宮には潜ってんだし特別な準備なんていらねぇよ。」

「お前らはそうだろが、俺は迷宮初心者だぞ!何がいるかもわからんし準備させろや!」

「リードなら大丈夫だって、いけるいける。」

何を根拠にそんなこと言えるんだこのおっさんは。

「迷宮にいるもんはレイにでも教えてもらえばいいだろ、あとはなんとかなるって。」

「適当すぎるだろこのおっさん。」

「こっちとしてはリードがついてくるってだけでもう勝ったようなもんだしな。」

何と勝負してんだよ。

「んじゃ、レイ、頼んだぞ。それじゃ解散!」

「頼みましたわ、リード。」

そういってティスカ公とクラウ夫人は席を立つ、やけにあっさりしてるな。なんか騙されてないよな俺。

「…もしかしてあの時も?いやいや、でもあの時は…。」

まだなんかブツブツいってるレイを置いてティスカ公とクラウ婦人は部屋を出て行った。

「おーい、レイ?迷宮にいるもの教えて欲しいんだけど。」

レイの前に行って目の前で手を振る。こっちの世界に帰っておいでー。

「はっ!!…近いですわ!ちょっと離れてなさい!」

「おっ、おう…。…んで迷宮にいるもの揃えたいんだけど。」

「これは面白いことになりそう。」

何故か赤面しながら思いっきり距離を取られた。シェリーがニヤニヤしてる。

「…?話は終わりましたの?」

「話聞いてなかったんかい。そうだな、簡単に言うと報酬頂いて一緒に迷宮潜ることにした。ただ身代わりとして潜る人はシェリーって紹介するけどな。」

「あぁ…そうなんですの…。ちょっとインパクト強すぎて話聞いてなかったですわ。すいません。」

「しっかりしろよ。んで迷宮に潜るのにいるものを揃えたいんだけど。」

「あんな話聞いて冷静でいられるわけが…。いや、今はいいですわ。迷宮にいるものなら冒険者ギルドにいけば大抵揃いますわ。」

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