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昼ごはんは街で食べてきたので城に戻ってそのまま訓練所に向かう。

途中で新米兵士たちとすれ違ったが会釈で挨拶する。よかった、恨まれてないみたいだ。

レイとはここで待ち合わせてるのでここにいれば大丈夫だ。

腹ごなしに少し準備運動でもしておくか。

木剣を取り出し素振りを開始する。

「マスターも飽きませんねぇ。」

「食って寝てばっかりだと太るぞ。」

銀の上で寝転がってるシェリーが言ってくる。

「妖精はよっぽどじゃないと体型変わりませんー。」

「何それ羨ましい、ずるい。」

銀も特に興味なさげに毛づくろいしてる。ゆらゆらとシェリーが揺れる。

「あー、この振動がたまりません。」

「おばさんくさいな。」

「この姿だと結構重いんですけど。」

「レディーに向かって重いは言っちゃいけません。」

ペシペシと銀を叩く音が聞こえる。なんだかなー、日常的すぎるな。

少し気合を入れる為にも本気で素振りをする。

風が切り裂かれる音が聞こえる。あれこれいけんじゃね?

「マスター、うるさいですね。」

「いやちょっと試したいことが出来た。」

宝物庫から丸太を取り出し地面に突き立てる。

そこから少し離れて腰に木剣を溜め、本気で一息で振り抜く。

ゴウッと音を立てて風圧が飛ぶ、丸太が音を立てて吹き飛ぶ。

出来ちゃったよ。

「…意味わかりません。」

「主様魔法使いました?」

「いや、剣振っただけ。」

いやでも想像してたのとちょっと違う、もっとこう丸太がスパッと切れるの予想してたけど、木剣だとこれが限界なのか、それとも空気の塊とばせただけでもよしとするか。

「まぁ溜めが必要だし、ちょっと実戦向きじゃないな。もう少し練習するか。」

「…近くでやらないでくださいよ、風でスカートがめくれそうです。」

そ れ だ。

「シェリー、大人になってそのへん立ってみない?」

「絶対に嫌です。」

まぁこうなるよな。雑念捨てて練習するか、全てはスカート捲り、もといかまいたちの為だ。

ていうか俺風魔法で同じようなことできるやん、しかも全くバレずに。この練習する意味ないわ。

さっさと普通の素振りに戻してちゃんとやろう、そうしよう。


しばらくすると教官がやってきた。

「こんにちわ、リードさん。」

「こんにちわ。」

「素振りですか?魔法も剣術も扱えるとは流石ですね。」

「まぁ嗜んでる程度ですけど。」

「マスターの嗜むってなんでしょうね?」

「また主様にデコピンされますよ。」

シェリーと銀がなんかいってる。

「剣筋が素晴らしい、これで嗜む程度とは私たちが申し訳なくなってしまいます。」

あぁ、謙虚すぎるのも嫌味になっちまうのか。難しいな。

「父さんに教えてもらったから自己流ですけどね。」

「さぞかし高名な剣士なんでしょうな。」

多分ただの冒険者だ。実力は高かったけどね。

「今日もよろしいですか?」

「いいですよ、ティスカ公から許可は出ましたか?」

「もちろんです。できる限り見て盗めとも言われました。可能であればそのまま捕獲しろとも。」

「まだまだ脅しが足りないのかな?あの公爵は。」

なんかいくら脅しても一日たったら忘れそうだなあの人。

「公爵様は面白い方ですからね。そこに惹かれて集まったものも多いでしょう。」

「確かに面白いけど俺は距離を取りたいですね。」

「はっはっは、確かに。ですが公爵様の下で働くってのも悪くはありませんよ?」

慕われてんなぁ、まぁ嫌だけど。

「早速勧誘ですか。」

「公爵様から言われてますからね。」

ニヤリと笑う教官、この人憎めないわ。


教官と喋ったり素振りしたりして時間を潰すとレイがやってきた。

「今日もよろしくお願いいたしますわ!」

「気合入ってんなー。やること昨日と同じだぞ?模擬戦はちょっとやめるけど。」

「それでも鍛錬ですから、気合は入りますわ!」

もうちょい激しくしてもいいかもしれんなこれだと。

「それでは少しやってきますので。」

「私も兵士たちの訓練に戻りますか、それではのちほど。」

そうして教官と別れる。さて俺もレイの訓練を頑張りますかね。

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