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着替えて食堂にいく。食堂に入りメイドに朝食を頼む。
「今日はどうしようか、どっか行きたいとことかある?」
料理が来る間に今日の予定を話し合うことにする。
「行きたい場所って言われても街のことなんてしりませんので。」
「我もそうですね、特にないです。」
「確かに、んじゃ最初冒険者ギルドにいってあとはブラブラしようか。」
行き当たりばったりな予定だけどこれしかないな。別にデートってわけじゃないから変に予定たててもしょうがないな。
朝食が運ばれてくる。銀とシェリーは昨日と同じ感じのやつを俺は卵焼きとパンだった。
美味しくいただき、メイドに街を見てくると伝言を残し城を出ていくことにした。
門番に挨拶をして外に出る。
こうしてちゃんと街を見るのは初めてだ。
キョロキョロと田舎者丸出しな感じで周りを見渡す。シェリーも今は大人モードで横にくっついてる。
「田舎者ですねー。」
「いやお前も同じとこ出身だからな?」
「我はこれでいいのですか?」
銀はただちっちゃくなっただけだ。
「まぁいいだろ、ちょっと風格がある犬にしか見えねぇよ。」
「それはそれで嫌なんですが…。」
犬嫌なのか。まぁ狼だしな。
街を歩きながら適当に見て回る。宿屋みたいなのもあるし武器屋みたいなのもある。
「やっぱでかいなー、なんでも揃ってそうだ。」
「たいていのものは揃いそうですね。アナタ、何か買っていきます?」
そういって露店を適当に見ているシェリー。
「その体で言わないでください。お店の人に勘違いされます。」
「あら、珍しくノリが悪いですね。」
そりゃノリたいけどさ。
「あー、冒険者ギルドの場所訊いてくるわ。」
そう言って目に付いた見回りの兵士の元にいく。
「すいません、冒険者ギルドってどこにありますか?」
「お、何かお使いか?冒険者ギルドならほら、あの建物だよ。」
そういって道の向こうにある大きな建物を指差す。子供扱いされた…。久しぶりだこの感じ。
「ありがとうございます。」
お礼を言ってシェリーたちのとこに戻る。
「あの建物だってさ。」
「あら、案外近くにあったのね。」
「大きいですね。」
「早速行こうぜ、何か買うにしろ換金しなきゃな。」
そういって冒険者ギルドの方に向かう。
「こんにちわー。」
そう言いながら冒険者ギルドの扉を開く。
朝早くなのでそれほど人はいなかったが一斉にこちらに目線が集まる。主にシェリーに集まってる気がするけど。
それを無視しながら受付らしきとこにいる女の人に話しかける。
「ここって冒険者ギルドであってますか?」
「あら?お使い?依頼ならこの紙に書いてね、字はかける?」
「いやこれ買い取って欲しいんだけど。」
そういってあらかじめ宝物庫から出しておいた魔石を受付にポンとおく。
「あぁ、魔石の買取ね、少し待ってね。」
そういって魔石を受け取り受付の向こう側に消えていく。どれくらいになるんだろな。確か10匹くらいの魔石合わせたから結構いくんじゃないかな。
しばらくして受付の女の人が戻ってきた。
「僕、これどうしたの?魔石の密度がそれなりに高いわ。」
「あー、倒したやつをくっつけたって。」
俺がだけどな。
「ふーん、見たところCランクの魔物も混じってるみたいだしいい魔石ね。」
ふむ、どれがCランクなんだろうか。ゴブリンメイジあたりか?まぁいいや。
「それでいくらくらいになります?」
「その前に僕、冒険者ギルドに入ってる?」
「いや、入ってないです。」
「なら入ったほうがいいわよ?また魔石売りにくるなら入っておいて損はないし、色々な特典もあるのよ。」
ざっと説明を聞いたがランクが高くなると割引されたり宿がタダになるときがあるみたいな話だった。
「冒険者ギルドって誰でも入れるんですか?何かルール的なのはないんですか?」
「誰でも入れるわよ?基本的に。盗賊とかは無理だけどね。ルールは特になし。元々荒くれ者が多いからルールで縛っても意味がないの。それにあまり悪いことしてると他の冒険者に目をつけられるしね。」
確かに、まぁなら入ってもいいかな。
「なら入ります。」
「はい、じゃあちょっといい?ステータスチェック。」
咄嗟にステータスを書き換える、あぶねぇ不意打ちはあかんわ。
「はい、リード=ニア=アトラスね。歳は9歳ね、職業は詩人さん、っと。」
受付の人が紙にさらさらと文字を書いていく、これが申込用紙になるのか。そしてその紙をいきなり燃やした。
「はい、これで登録は完了したわ。最初はFランクからスタートだから気をつけてね。依頼によってランクが関わってくるから。」
Fかー、まぁ別にいいか。そんな冒険者するつもりもないし。
「はい、あとこれが魔石のお金ね。」
そういって銀貨40枚を渡される。多いのか少ないのかわかんねぇ。村だとほぼ銅貨しか使ってなかったからな、でもこれ一枚で銅貨100枚分ってことはかなりあるな。
「ありがとうございます。」
そういって銀貨を袋につめる。後で宝物庫にいれとこ。




