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レイがその場に立ち止まるのが気配でわかった、銀とシェリーはレイを横から援護しようと広がるようだ。

勢いをつけて水の壁をはね飛ばすように壁から飛び出す。

「なっ!」

レイが驚いてるのが分かる、その隙に顔に一発【ウォーターボール】を放つ。

見事命中し、顔が濡れるレイ。銀が横から突っ込んでくる、それを受け流しながらレイに近づき足払いをかける。シェリーもこちらに植物の蔦を伸ばしてきている。

「あっ。」

見事に転倒、と思いきやシェリーが蔦の方向を変えてレイを捕まえ体勢を整えさせる。

銀が向きを変えてまた突っ込んでくる。わざと当たりに行き、吹っ飛ばされる振りをする。自分で後ろに吹っ飛ぶ形だ。

綺麗に着地し、サッと宝物庫から木剣を取り出す。

「レイは一点減点だな。」

「…むちゃくちゃですわ。」

「主様、自分で吹っ飛びましたね?」

「まぁな。じゃあ今度はこっちから行きますか。」

【ウォーターボール】をデタラメにうちながら突っ込む、少しでもひるんでくれたらいいんだけど。

「くっ。」

レイはちょっとひるんだけど、銀はこちらに迎え撃ってくる。シェリーも蔦を伸ばしてくる。

シェリーの蔦を交わし、銀を受け流し、レイの真正面に立つ。

「…このっ!」

レイが手甲をはめた手で殴りかかってくるが落ち着いてそれを木剣で受け止める、そのままレイの動きを誘導し、銀がこちらに攻撃出来ないようにレイの体を盾にする。

「…くっ!」

レイが悔しそうに顔を歪める。そこにシェリーが蔦を伸ばしてきてレイも巻き込んでこちらに攻撃してくる。まぁこの状態だと正解かな。

「レイさん危ないですよー。」

「完全に巻き込むつもりで打ってますでしょ!」

「はい、残念でした。」

蔦に巻き込まれるレイを横目にジャンプして蔦の上に乗り、そのままシェリーの方にかけていく。

「お銀!燃やして!」

「はい!」

そう言って俺に向けて口から火のブレスを放ってくる。

「あっぶな!殺す気かよ!」

蔦から一目散に逃げる。

「主様なら避けると思ってました。」

そういいながらまたこちらに口を向ける。

「シャレにならんぞそれ!」

銀の口から放たれるブレスに向かってこちらも【ウォータービーム】で相殺を試みる。

いい感じに相殺されているが、燃えたままの蔦をシェリーがこちらに叩きつける。

「だんだん殺気がこもってきてません!?」

横っ飛びで躱す。そこにレイが追撃をかけてくる。

「そんなっ!わけっ!ないじゃないっ!」

拳による三連だ。木剣で受け流す。レイの後ろから銀が迫ってきてる。

「明らかにおかしいからね?」

そういいつつレイを盾にしようとするが横に躱される、この短期間で成長してんなこいつ。

銀がその隙をついて飛びかかってくる、その場に伏せ、下から【ウォータービーム】で銀を上に吹っ飛ばす。

上からレイが思いっきり足で踏みつけてくるがそれをゴロゴロと転がりながら躱す。

そこにシェリーが追撃で蔦を振り下ろすがそれも【ウォータービーム】で食い止める。

「ちょっと待った!あかん、これ俺死ぬ。」

転がったままで降参宣言、流石に三人さばくのは無理だ。

ちょっと息上がってきてるし、だんだん攻撃激しくなってってるし、このまま続けたら本当に死んでしまう。

「あら、マスター。だらしないんじゃない?」

「お前魔法止めろ!完全に潰す気じゃねぇか!」

未だに魔法止めないシェリー、レイはもう肩で息しながら立ち尽くしてるし、銀もこちらを見てるだけだ。

「…チッ。」

そういって蔦を消すシェリー。

「あれー?妖精って人族に友好的じゃなかったっけなー?おかしいなー?」

「マスター人族じゃないじゃないですか。」

「じ、ん、ぞ、く、です!」

埃を払いながら立ち上がる。一応みんなに治癒魔法をかけておく。

「まぁいい感じだったんじゃない?レイと銀が前衛しながらシェリーが援護する。理想的だったな。」

「…実力差が、ありすぎて、ついていくので、精一杯でしたわ。」

とぎれとぎれで言うレイ、まぁかなりトップギアに入ってただろうしな。

「まぁ一言ずつ言うとだな。レイはまだまだだけど最後の銀の援護を受けるのはよかったと思うぞ。よく躱したな。」

「やられっぱなしは悔しいですからね。」

「銀は少し直線的な動きが多いな、もう少し左右に振って攻撃してみようか。ブレスはちょっと肝が冷えたぞ。」

「あの速さで避けるのは主様だけだと思いますが…、確かに直線的すぎました。次からはフェイントも織り交ぜます。」

「シェリーは少し手数が少ないな、もう少し小ワザを使っていこう。序盤にレイを助けたのはナイスだ。」

「確かに蔦伸ばすだけじゃ芸がありませんね。もう少し色々使います。」

と一人ずつにアドバイスとか言ってると後ろの兵士達がパチパチパチと拍手していた。何人かポカンとした顔したやつもいる。

「あっちゃー、完全に忘れてた。…大丈夫かな?」

「いや、大丈夫じゃないでしょ。思いっきり詠唱してませんでしたし。」

「…よし、気にしないでおこう!」

と話が纏まったところで。

「すいません、少しよろしいでしょうか。」

と教官らしき人が声をかけてきた。

「あー、なんですか?」

「先ほどのはまさか模擬戦ですか?かなり実戦的でしたが…。」

めんどうになりそうだこれ。

「そうですね、模擬戦ですけど。あのくらいやらなきゃ訓練にならないでしょう?」

「…なるほど、…一つ相談があるのですが。」

はい、絶対に面倒事だこれ。

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