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部屋に戻って全魔力使って扉を固定化し、ベッドに飛び込んだ。
もうマジ無理…爆睡しょ。
銀とシェリーも寝るみたいだし、もう俺たちを止められるものはいない。
おやすみなさい。
昼過ぎに目が覚める。
あんまり目覚めはよくなかったけどしょうがない。お腹もすいたし。
「おはよう、あれ?銀は?」
「散歩してくるって言ってましたよ。」
おう、銀は結構自由だな。昨日あれだけ走ったのにまだ走り足りないか。
「ふーん、シェリーも行けばよかったのに。」
「私はマスターの寝顔を見るって仕事があったので。」
「こわっ、別にいつも見てるだろ。」
「完全に疲れきった寝顔はなかなか見れないですからね。」
ごちそうさまでした、とシェリーがニヤニヤしてくる。寝るときに隔離したほうがいいかもしれん。
「はいはい、じゃあ公爵のとこいきますか。」
銀に念喋を飛ばして帰ってくるように言う。顔洗ったり着替えたりしてる間に銀も戻ってきた。
「じゃあ、報告いきますか。」
「また逃げ切れますかねぇ。」
「人に抱えられて逃げるなんてかなり貴重な体験でした。」
扉から出ようとしたけどまだ強化されてて扉が開かなかった。誰だよこんなことしたの…。
行儀が悪いけど窓から外に出てる、警備中なのか兵士が見回ってるところでこっち見られたが気にしない。
軽く気配を探りながら玉座の方にいくと公爵も夫人もいるっぽかった。
「やばい、ダブルでいるぞ。あのキツイ奴ら。」
「主様…、一応偉い人達なんですから…。」
「命の危険があるときにそんなこと言ってられねぇ!」
「なんだかんだ言って楽しんでるみたいですけどね。」
まぁ確かに頼られて嫌な気分にはならんな。頻度によるけど。
「すぐに逃げられるようにしておこう。」
「…そうですね。」
意見が一致する。
「おう、リード。ゆっくり寝れたか?扉に変なことしやがって、寝てる隙に拉致れなかったじゃないか!」
「リード、考えてくれましたか?」
第一声がこれである。やっぱこいつ危険なんじゃね?
「ティスカ公国滅ぼしちゃおっかな…。」
「はっはっは!!ナイスジョーク!!!今のは聞かなかったことにしておこう、そして本当にそんなことしないよね?バトルウルフ嗾けられただけでかなりの損害になるよ?」
「ティスカ公の出方次第ですかねぇ…。」
「では私は遠慮せずにいきますわね!」
「クラウ様もダメに決まっているじゃないですか!」
「そんな…。」
「では報告いいですか?ちゃっちゃと済ませたいんですけど。」
「あぁ、そんなこともあったな。んで、どうだった?」
「とりあえず、ティスカ公からの援軍として来た事にして、全滅させてきたから。あまり被害はなかったかな?ついでに魔石も公爵から被害に使えってことで全部寄付してきた。事後承諾になるけどよろしく!」
「まぁそれは構わんが…。名前を売ることになるしな。」
「相手の魔物はどのくらいの戦力でしたの?被害の程は?」
おぉ、ちょっと公爵っぽいこといってるな。この二人。
「オークジェネラル?筆頭にオーク共がざっと100ちょいくらいだっけ?銀覚えてる?被害はほとんどないって言ってた。」
「そのくらいだと思いますが。正確な数はわからないですね。主様が吹っ飛ばしてたんで。」
俺のせいかよ。
「Bランクの魔物にDランクが沢山か、よくそれで被害が出なかったな。」
「リードがやりましたの?参考までにどうやったのです?」
実演するのか。なんかデジャブ。
「こうやって。」
隕石作る。
「こう。」
隕石ぶつけると見せかけて遮断で消し去る。
「…さっきのやつ本当にジョークだよね?本当に国滅ぼさないよね?」
「デタラメすぎるんですけど、やはり部下に…。」
「勧誘はお断りー。」
簡単にだけど報告はこんなもんでいいだろ。正式なのなんてしらんしな。
「リード!ちゃんと帰ってきましたのね!」
扉をブチ開けてレイが入ってくる。
「レイ、はしたないですわよ。」
クラウが注意するけど人のこと言えないやんあなた。
ばーっと走ってきて公爵達の方に並ぶ、こうして並んでると本当にそっくりだな、レイとクラウ。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
レイに挨拶をする。
「あぁ、家庭教師はちゃんと今日からやるから。」
「大丈夫ですの?帰りが遅かったから苦戦したのではないの?」
「いや?転送石のこと忘れててさ。銀に走ってこっちまで戻ってきただけ。」
ポンポンと銀の頭を撫でる。
「…デタラメですわ。では、早速行きましょうか。」
「もうやるのか?」
「リードは大丈夫なのでしょう?」
「楽勝だな。んじゃ、行くか。ということで家庭教師やってくるので失礼しますね。」
公爵たちに挨拶する。
「…俺も教えてもらおうかな。」
「レイ、後ほど私にも教えなさい。」
「別料金になりまーす。」
レイに連れられて公爵達から離れていった。




