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なぜかシェリーの猛攻に耐えながらの夜通し魔法使用とかかなりの苦痛だったので途中休み休み行くことに。

銀もかなり本気で走ってたみたいで結構疲れてたみたいだけどおかげで朝方には向こうにつくことが出来た。

今はもう街の近くなので銀もシェリーも元に戻り、一緒に歩いてる。シェリーは肩乗ってるけど。

「マジで勘弁してくれませんかねぇ…。」

「別にいいじゃないですか、いつも一緒にいるじゃない。」

「あの姿はずるい、あんなの意識するに決まってるじゃないですかー。」

「我の上でイチャイチャしないでくださいよ…。」

「イチャイチャなんてしてねーよ!」

「またまたー、マスターさっき意識するって言ったじゃないですか。今度から寝る時もあれで一緒に寝ましょうか?」

「俺を殺す気ですか?」

「主様、そういえばあれ、どうするんですか?」

銀が関所に首を向ける。そういえばどうしよう。

「あー、まぁ話を聞いてみてからだな。」

「マスターは結構抜けてますからねぇ。変なとこで運がいいですけど。」

スタスタと歩き関所を守ってる兵士のところにいく、朝方だから人はいないし、見張りの兵士も一人だけだ。

最悪忍び込めるな。

「すいませーん、街の中に入りたいんですけどー。」

「旅の者か?まだ子供なのに珍しいな。」

前来た時は俺気配隠してたし銀も今は中型犬だ。

「そんなところです。入れますか?」

「あぁ、別に今は戦争中でもないしな。あからさまに怪しい奴以外は入っても構わんよ。ほら、向こうに見えるだろ?ようこそ、ティスカ街へ。」

そう言って大げさに歓迎してくれた。心配なかったな。

「あっ、それと聞きたいんですけど、この街の転送石ってどこにありますか?」

「あぁ、その歳で冒険者なのか。すごいな。」

「いえいえ、大したことありませんよ。」

「謙虚だな。それなら街に一つと城の前にも一つある。街の方は冒険者ギルドだな。ここからじゃ説明しづらいから街の中で見回りをしている兵士に訊くといい。一応街の中心部分にあるから。」

「わざわざありがとうございます、それでは。」

そういって兵士と別れる。街の転送石はいいとして、城の前にも一個あったのかよ…、俺見とけ。

「…やっぱり敬語のマスターって寒い。」

「火魔法で温めてあげようか?あぁん?」

銀の影に隠れていたシェリーに手を向ける。

「主様、我に当てないでくださいよ。」

「シェリー、動くなよ。」

「マスターに私が捕まえられますかね!!」

銀を盾にシェリーがヒュンヒュン飛び回る。

「はいはい、遊びは終わり。戻ってこい。」

「マスターとじゃれつくのも疲れるものです。」

「お前、まるで俺が遊んでもらってるような言い方だな。」

「違うのですか?」

「我を使わないで欲しいのですが…。」

「ほら、もう本当にきついんだからさっさと帰って寝るぞ。」

そういって城の方に向かう、デカイし場所はわかる。城の前の転送石は探さないといけないけどな。


城に到着すると門番が迎えてくれた。

「リードさんですね。公爵様から話は伺っております。」

「あぁ、それと一つ聞きたいんだけどここの辺りに転送石があるって聞いたんですけど。」

「それならこちらです。」

すんなりと門の横の部屋に通してもらえた。中は結構広くて中心に水色に輝く転送石が佇んでいる。

「頼んだ手前いいんですか?こんなにあっさり通してもらって。」

「公爵様からの伝言です、「あいつ転送石の場所知らないんじゃね?徒歩で戻ってくるとかうける。城の転送石教えてやれよ、プークスクス。」だそうです。」

あいつ一回殴る。いや殴ったらだめだ、部下にされちまう。偶然の事故を装って顔面に一発いれなきゃ。

「…わざわざありがとうございます。」

「プークスクス。」

「シェリーも一発デコピンな。」

「消し飛びますって。」

転送石の前に行き、少し魔力を通す。これでここの転送石は使えるようになった。

「よし、公爵を殴り…、いや公爵に報告しにいくか。」

「それでは私はここで。」

「ありがとうございます。」

門番が扉を開けてくれる。公爵の部下って基本的にみんな出来る人なんだよなぁ、公爵の家系がおかしいわ。そういえば公爵の嫁さん見てないけどいないんだろうか。気軽に聞ける話じゃないな。


「あなたがリードね!」

城の中に入ろうとした時になんか呼び止められた。見た目完全に大人版レイなんだけど。一応聞かないと。

「そうですけど…、あなたは?」

「私はティスカ公爵の第一夫人ですわ、まぁ私しかいないのですけど。クラウといいますわ。」

やっぱ出てきたよ夫人様。あのティスカ公の家系だぞ、俺油断するな。

「お初にお目にかかります、クラウ様。私、リード=ニア=アトラスと言う者…。」

「知ってますわ、堅苦しい挨拶は抜きにして、どうですの?私に仕えてみる気はない?」

おい、両親揃ってこれかよ、しかもこの人俺と初対面だろ。

「…はい?失礼ですけど私たち初対面ですよね?」

「ティスカが部下にしたがる逸材なのでしょう?ならば私も欲しがるのは当然ですわ。それに色々聞いてますわ、そこの妖精のこととかバトルウルフのことも。」

そういってシェリーと銀を指差す。

「いやいや、せっかくですが遠慮します。」

「お給料はティスカの倍出しますわ。最近迷宮の攻略に行き詰まってまして優秀な人材を探してましたの。」

こいつ迷宮潜ってやがる…。武人の父さんに同じく武人の母さんってかなりサラブレッドだな、レイは。

「遠慮しますー、それにもうお仕事あるので…。失礼します。」

そそくさと城の中に入ろうとする、もう早く報告して寝たい。

「待ちなさい!」

「おっと、抜けがけは禁止だぜ?クラウ。」

城の中からティスカ公も出てきた。うわぁ…これは厄介なことになりそうだ。

「報告します!村助けて全部公爵様からの援軍ってことで処理しました!」

そう言って銀を抱え込み城の中にダッシュで突破を試みる。

「逃がすかよ!」

「後ろは任せて!」

しかし、回り込まれてしまった!前門の公爵、後門の公爵夫人。

「もう、かなり疲れてるので寝たいんすけど…。」

ジリジリと距離を取りながらそう言う。

「ふはは!弱ってる今がチャンス!」

「あかん、この人本当にやばいわ。」

一気に空中にジャンプして無魔法で横に飛び公爵を躱して城の中に飛び込む。逃げなきゃやられる。

「あんなことも出来るのか!益々欲しくなったな!」

「この状況で逃げ切るとは…。益々欲しいですわ!」

これはひどい。流石に部屋には来ないだろ…。来ないよな?一応扉鍵かけて全魔力使って扉強化しておこう。

「起きたらまたちゃんと報告しますんでー!とりあえずもう問題はないですー!」

そういってダッシュで部屋に帰った。

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