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「実は俺…、魔法少女なんだ!!!」
なんてこともいえるはずがなく。
「最初に色々気がついたのは2歳くらいの時かな?そのくらいの時に自分が少し異常だってのに気がついたんだ。」
家族を前にこんな話をするのはちょっと恥ずかしい。しかもかなり話を小さめにしてる。
「なんていったらいいのかわかんないけど、色々な事が出来るんだ。それも人並み以上に。」
きゃー、恥ずかしい。これただの自意識過剰じゃないですかー、やだー。
「うん、最初にシェリーを連れてきたときも。あの時既にシェリーを使役してたんだ。」
「まさか…、あれは5歳くらいの時じゃなかったか?」
「うん、もうその時には魔法も使えてた。剣術の方はさっぱりだったけど。」
「…見ただけで魔法が出来たの?」
マーディとセリーは驚きを隠せない、ラニもすごく変な顔で見てる。ミュウだけはなんか知ってたみたいにしてるけど絶対しらないだろ。
「そうだね、色々と自分で工夫とかしたけどね、それから正名の儀式があったんだけど。」
「そうだ!その時コールが言ってたじゃないか!お前は詩人の才能があるって!」
マーディが鬼の首を取ったように言ってくる。
「あぁ、あの時はそういうふうに自分のステータスを書き換えたんだ。スキルを使って。」
「何!ちょっと見せてみろ…。チェックステータス。」
あぁそれ神官じゃなくても使えるのか。まぁ俺も自分で久々にステータス見るな。
【リード=ニア=アトラス】【645:9】【メイン職業:詩人30 サブ職業:大魔法使い45、村人1、戦士15、剣士10、僧侶5、武道家見習い25、商人見習い1、盗賊見習い1、冒険者見習い7、鍛冶屋見習い1、錬金術師見習い25、魔物使い10、魔石見習い2、召喚士見習い1、狩人15、精霊術師見習い1、迷宮見習い1】
ボーナスポイント:327
HP:821
MP:39754 (8423)
力:632 【1】
敏捷:621
健康:581
知識:821
知恵:752
威厳:120
運:191
【EXスキル:神眼、死神、賢者、職業変更、ボーナスポイント贈与、反射神経、大魔道士】
【パッシブスキル:限界突破、マッピング、情報整理、言語理解、魔法遮断、魔力追跡、念喋、二刀流、威圧、教官】
【アクティブスキル:歌10、楽器8、打撃武器4、採取3、片手剣10、両手剣10、両手持ち10、盾5、重装備2、中装備7、軽装備10、闇魔法1、光聖魔法7、無魔法10、信仰10、格闘10、気功10、算術10、話術10、宝物庫10、投擲武器10、情報操作10、トラベルワープ2、鍛冶1、錬金10、調合10、使役10、飼育10、魔石改良2、魔石増幅2、召喚魔法1、武器防具召喚1、弓術10、罠師10、精霊召喚1、精霊会話1、迷宮作成1、迷宮操作1、魔法偽造10】
経験値4倍、熟練度4倍、超回復、無詠唱
おう、職業詩人のまま戦ってたから詩人がめっちゃレベルあがっとるやん。
「…なんだこのステータスは、職業もまるででたらめじゃねぇか!」
あれ、スキルとかに触れないってことはスキルは見れないってことか、まぁいいか。
「本当にこれだからしょうがない。」
セリーもステータスを見てくる。
「大魔法使いですって…。」
あかん倒れそう、スっと手で支える。
続いてラニも見てくるが。
「…おねえちゃんより強いとか生意気ね!」
と言われてしまった。天使が怒っても天使だなおい。
ミュウは見なかったけどまぁうんうん頷いてるしなんかもうね?
「フランもー!…うわぁ、やっぱり強いなぁ。」
なんでフランも見るんですかね?別にいいけど。
「マスター、私はどんなでもマスターの妖精ですからね。」
「無論我もです。」
シェリーと銀のフォローが痛い。
「うん、これでわかってもらえたと思うけどかなり俺は異質なんだ。スキルの方もありえないぐらい色々あるし。」
「…例えばどんなのだ?」
マーディが訊いてくる。
「あー、んー。言って分かるものなのかな?【賢者】とか【二刀流】とか…。」
なるべく分かりそうなのをチョイスする。
「賢者ってリー、天才魔法使いが昔生涯をかけて手に入れたスキルって言われてるんだけど…。」
またセリーがブッ倒れそう。
「二刀流もお前、昔のS級冒険者のソーディアンがもってたってスキルじゃねぇか…。」
どっちもとんでもない感じのスキルなのか。剣2本もって遊んでたら取れましたなんて言えねぇ…。
「うん、それで今回の家出ってのじゃないけど、少し旅に出ようと思ってね。それで向こうに着いたらこっちがこうなってたから慌てて戻ってきたところ。」
「…なるほどな。本当に自分の力を試したかったってことか。」
「…ちょっと休むわ。」
マーディは頷き、セリーは地面に腰を下ろす。
ラニとミュウはなんか別段普通だ。そりゃ驚いてるけどピンと来てないみたいな。
「あっ、そういえば銀の事紹介もしてねぇじゃん。銀、挨拶。」
「我は銀牙と申します。主様に使役されたものです。銀とお呼びください。」
「…いやそれは今は置いといていいんじゃないか?うちの息子をよろしく頼む、銀。」
ちゃんと挨拶するとこがマーディらしい。
「…一旦整理しましょう。」
セリーが仕切り直す。
「…元々リーには力があって、それを私たちに隠して生きていて…。」
「違うんだ。力を隠してきたのは悪かったと思ってる。だけどこんな力があっても母さん達も扱いづらいと思ったんだ。」
これは結構本心だ。むしろ力見せてたらどうなってたかなんて考えたくもない。
「自分でちゃんと扱えるようになって、自分で色々やれるようになってから打ち明けるつもりだったんだ。」
「…そうだったのね。リーも色々考えてたのね。」
「俺とした稽古も手加減してたってことか?」
「最初は全然適わなかったよ、それでもだんだん目で追えるようになって。でも手加減はしてたけど手を抜くってことは絶対にしてなかった。父さんも真剣に教えてくれてるのがわかったから。」
「…そうか。」
二人共なんとか納得してくれそうだ。




