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「効果付きの装備を作るのに腕のいい職人が何日もかけて作るって聞いたことがありますわ。矢程度ならすぐに出来るものなのかしら。」

「いやいや、マスターの力があってこそですからね?」

「迷宮にもあると言う話を聞いたことがありますが…。」

「おっ、そうだ。レイ、迷宮について分かること教えてくれ。」

「なんですの、急に。いいですけど。」

職業としては持ってんだけどな、そういえば迷宮については全く知らない。

「まず、迷宮は自然に出来たものと人が作ったものに別れるのは知ってまして?」

「いや、知らなかったな。そういう基礎的なことから頼む。」

まぁ迷宮作れるのは職業あったし知ってた。

「自然に出来たものは危険なのですぐに攻略命令が出ますわ。」

「危険って中から魔物が出てくるとかか?」

「そうですわね、それが一番危険ですわね。自然に出来た迷宮は周りの魔力を吸い成長しますの。その過程で色々な物が出来ますのよ。それは魔物であったり、さっきの話の効果付きの装備だったりですわ。」

「ほう、んで人工的に作ったやつは?」

「そちらは色々ありますわ。主に訓練用のものから一生をかけて作る大迷宮やら、そちらが主流ですわ。」

「ふむふむ、そっちはどんな感じに作るの?」

「詳しいことはわかりませんが製作者が魔力を込めて作るらしいですわ。」

魔力万能、まぁこればっかりは迷宮作ってる人に聞かなきゃ具体的なことは出てこないか。ひとまずおいておこう。

「勉強になった。ありがとう。」

「…どういたしましてですわ。」

「マスターってお礼言えるんですね。」

「君に出会えて本当によかったよ、シェリー。ありがとう。」

「照れますわ。」

「銀にもあえてよかった。ありがとう。」

「主様…。」

まだ銀には夫婦漫才は無理だな。これもこれからの課題だな。


「そういえばリードは鍛冶は出来ませんの?」

錬金で矢を作ってるとふとレイが言ってきた。

「あー、そっちはまだだな。」

「よかったですわ。まだ人族の部分が残っていて。」

「全部人族だよ!」

「言ってもマスターは見ただけでどうせ出来るようになると思いますけど。」

さすがシェリーわかってんな。ただ鍛冶いるんかねこれ、錬金が便利すぎていらないんじゃない?

「意味がわかりませんわね。」

「考えてもしょうがないですよ。」

「いいから鍛冶について教えてくれない?」

「…これも専門外なのでよくわからないですが。」

まぁ専門は殴ることだよね、脳筋さんだもんね。口に出したら殴られそう。

「この顔は失礼なこと考えてる顔ですよ、レイさん。」

「…一回殴ったほうがいいかしら?」

「冤罪ですー。シェリーさん、余計なこといわないでくれますか?」

殴られても回避するけどな。

「まぁいいですわ。鍛冶は主に金属を加工するそうですが…。専用の設備がいるらしいですわ。」

「そりゃそうだな。俺の知ってる鍛冶と同じ感じならそうだろうな。」

「元々ひと塊の金属を剣とか鎧に加工するらしいですが、あまり興味がなかったもので見たことはないですわ。」

「んー、錬金でやれんこともなさそうだけどなぁ。金属はそういえば試してなかったな。」

今作って持ってる装備は全部木製だ、矢尻ももちろん。ただ弦は違うけどな。

「錬金の魔法は元々ある物をさらに加工するための魔法ですからね。マスターみたいなのはちょっと別格です。」

「いやいや、俺だって元々の木を木製の矢に変えてるだけだぜ?」

「本来は矢を錬金してさらに尖らせたりするものですよ。」

シェリーがここに来ての爆弾発言。しらんかったわそんなん。

「いや、だって言ってくれなかったし…。」

「マスターが出来ちゃったんですから言う必要なかったんですよ。」

「…錬金も化物っと。」

シェリーとの会話の間にレイがそんなことを呟く。

「あーぁ。そんなこと言っていいのかなー?」

「なんですの?」

「せっかく錬金のことわかったし。それちょっと改良してあげようと思ったのに。」

レイの装備している手甲を指差して言う。

「本当ですの!!!」

ガバっとレイが詰め寄ってくる。

「近い、近い。」

「離れてくださいレイさん、その距離は私の距離です。」

「し、失礼しましたわ…。」

慌てて離れるレイ、そんな嬉しかったのか。ちょっと気まぐれに言っただけなのに。

「そんな嬉しいのか?」

「当たり前ですわ!効果をつけてくれるんでしょう?」

「あぁ、そういえば職人が何ヶ月もかかるとか言ってたな。」

「お金もすごくかかるんですわよ?」

「売って生計たてようと思ってたけどあまり市場に流すのもよろしくない感じだなこれは。」

あー、そうだな。これは大事だな。


「ちょっとみんな聞いてくれ。」

銀の上に立ってみんなに話しかける。演説するみたいで気分いいなこれ。

「ティスカ公国では俺は力を隠すことにする。」

「なんでですの?」

「…確かにその方がいいですな。」

マーカスが頷く。ウォードも首を傾げてる。

「わかってない姫様とウォード君の為に説明しよう。」

「俺は、大抵のことは多分出来てしまう、それも人並み以上に。するとどうなる?はい、レイさん。」

「わたくしですか?…威張れる?」

「ブッブー。はい、ウォード君。」

「…あっ、みんなが怖がる!」

「惜しい!では、マーカス君。」

「力がある貴族や王族はリード殿をどうにかして手中に収めようとするであろうな。そしてリード殿を巡って争いが起きるかもしれない。」

「正解者に拍手ー。」

パチパチパチと自分で拍手する。

茶番だけどやらなきゃいけないわ。

「確かにそうですわね。銀ちゃんを使役してるだけでもうお父様は欲しがりますわ。」

「それだ。問題点がどんどん出てくるな。マーカス、ティスカ公って口硬い?」

「…公爵が不利になることだったら言わないでしょう。」

「そこは脅せばいいか。」

「仮にもティスカ公の部下と姫様がいるとこでその言葉をおっしゃりますか…。」

マーカスが目を押さえる。俺も苦労かけちゃってるな。まぁ直さないけど。

「リード君の事止められる人なんているんすかね?」

「少なくともわたくしは知りませんわ。」

「私とお銀でなんとか…。無理ですわね。」

おいおい、俺もちゃんと常識持って動いてるよ?さっき言ったのは最終手段だからね?

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