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急激に黒塊が魔力を膨らませる。

俺の作った隕石を撃ち落とそうと魔法を作り出す。

さっきの羽虫を落とすかのような魔法とは違い、向かってくる敵を打ち倒す魔法だ。

それを確認し、隕石を次々と黒塊にぶつける様に飛ばす。

「む・・・、これは。」

「やっと動き出しましたか。・・・私達は下がっておきましょう。」

衝撃で空気が揺れる中、ハイルズが驚いた顔をするのが見えた。

シェリーさん、下がるんじゃなくて参戦してもいいのよ?って思ったけどまぁ下がってた方がいいか。

黒塊から魔法が飛んでくるのを跳んで躱す、・・・森林破壊反対です。

そのまま空中戦へと移行するように黒塊を誘導する。幸い相手は俺に夢中のようだ。・・・まぁ、ここまでやって無視されたらされたで悲しい。

隕石を引き連れ、ぶん投げながら空中をピョンピョンしていく。

「くっそ、マジで効率わっるいなこれ。」

ちょっとミスったかもしれん。

メテオを黒塊にぶつけたら吸収と消滅でトントン、相手の魔法に隕石ぶつけたら相殺しきれなかった分が吸収、時間かければ周りの魔力吸収。

なにこのクソゲー。・・・幸い俺は魔法じゃ負けねぇけども、俺以上の魔力回復力がある相手だときつい。

本当に魔法耐久レースの開始だ。

・・・とりあえずは作った隕石を相手が迎撃出来る範囲で飛ばそう。相手の魔法を相殺しつつ黒塊を挑発するように魔法ぶつけたほうが絶対にいい。


「・・・、本当に信じられませんね。」

「こうなると下手に手を出すと邪魔になりますからね。マスターが真顔で戦ってる時は。」

ハイルズと一緒に小娘の場所まで下がり、流れ弾が飛んでこないように警戒しながら会話をする。

私と銀ちゃんならともかく、マスターの考えてる事を読みつつ連携をするのは無理だろう。

・・・まぁ、私の仕事は一旦これで終わった訳である。

「・・・暴走してる大魔王と渡り合えるなんて。」

「お互い決定打が作れないようなので削り合ってるだけですけどね。・・・まぁ、そのほうが貴方には都合がいいでしょうが。ていうかマスターの場合勝算がなかったら今頃全力で逃げてますよ。」

「・・・魔力の塊が飛んでるのしか見えないけど勝算はあるのね。」

まぁ、そうだろう。

黒い霧は空の上で足を止めて魔法を放っているがマスターは違う。

上手く相手の魔法を誘導しつつ相殺し、時に身体強化を活かして魔法を避けている。

相手に魔法を打たせないとダメなので常時高速で動いている訳ではないので私にも見えているけど回避の瞬間は流石にブレてしまう。

「・・・流石にこれには混ざりたくはないな。」

「私も同様ですね。混ざりたくないです。」

「うーむ、長生きはするものですね。・・・混ざりたくないのは言うまでもありませんが。」

水の精霊王がポツリと言うのに私も賛同する、ハイルズもそうらしく警戒を解かずにマジマジとマスター達の戦いを眺めている。

「・・・三人共混ざれないとは言わないのね。ここには化物しかいないじゃない。」

「私は善良な妖精ですから。魔族とは違いますよ。」

「私も善良は精霊だぞ?まぁ、召喚主によるが。」

「私もどちらかと言えば善良な魔族ですかねぇ。」

「善でも悪でも戦力的に化物なのは変わりないわ。」

私と同じ様な事を言ってのける二人に小娘が容赦のないツッコミをいれる。

まぁ、その通りなのだがマスターが言うには化物には化物の定義があるらしいので少なくとも化物じゃないだろう。・・・ただちょっと他の人や種族より強いだけだ。

「まぁ、弱っちい魔王から見たらそうなりますか。」

「誰から見てもそうなるわよ!・・・まぁわたしが弱いのはその通りだけど。」

「そうだな。ここまで貧弱な魔王は見たことがないな。」

「・・・しょうがないのよ、異常なまでに過保護なのよ。」

ウンディーネの一言に小娘が絞り出す様に言う。

「へー、あの塊が?」

「元はあんなのじゃないわよ。・・・まぁ、色々あったのよ。」

「まぁ、色々ありましたねぇ。」

小娘とハイルズがしみじみとそんなことを言うが別に私はそんな話は聞きたくない。

「そんなことよりも・・・。」

「そんなこと!」

「その刀返してもらっていいですか?一応マスターの大事な物なんで。」

「ん。あぁ、これか。」

小娘を無視しつつウンディーネに声をかける。

一応マスターが大事にしてるものなので私が持っていたほうがいいだろう。

ウンディーネが小娘の傍に置いてある鞘を手に取ると刀を綺麗な動作で仕舞った。・・・中々に様になっている。

「・・・これ、いい物だな。」

「そうらしいですね、私は興味ありませんが。」

「ふむ。・・・出来れば欲しいのだが。」

「マスターに言ってください。絶対断られますけど。」

「だよな。本気で大切にしてるっぽいしな。」

そりゃそうだ。かなり思い入れがあるだろうし、いくつもの魔法を重ねがけして肌身離さず持ってるのが証拠だろう。私から見たらアホだとおもうが。

ウンディーネから刀、・・・確か阿修羅丸だかなんだかを受け取る。

ついでにこちらに飛んできた魔法を相殺する。

「ひゃっ!・・・危ないわねもう!」

「一応ここ戦場ですからね。」

滅茶苦茶ビビって涙目の小娘にそう言ってやる。・・・しかし流れ弾がこっちまで来るってことは。

(シェリー撤退準備!)

ってことなんだろう。

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