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「ウンディイイイイネエエエエエエェェ!!」

しょっぱなから傷つけてくれたシュルツェの目の前に水の精霊王を呼び出す。

「ご、ごめんなさい!!」

なんか知らんがめっちゃ焦ってるシュルツェの前に水球が膨れ上がっていく。謝りながら阿修羅丸引きずって手元に持っていくのやめろ。

「・・・ほう、やっと仕事か!」

「ちょっとお前そこの女から阿修羅丸引き取って護衛してくれ!」

人型になったウンディーネがザッと状況を把握したようでニヤリと口を歪ませる。・・・本当は精霊の王だろうが触らせたくねぇんだけど、シュルツェが持ってるよりマシ。

指示を飛ばしながらも黒塊の下から土魔法で杭を打ち込むが接触したとこから消滅していってほとんど効果がない。・・・ほんまめんどくせぇなこれ。

「こ、ころさないで・・・。」

「む、・・・護衛か。そっちの面白い状況に混ざれないのはしょうがないか。」

「ご、護衛・・・?これ傷つけたから殺されるんじゃないの・・・?」

「ふむ、魔族を護衛は中々に貴重な体験だな。・・・阿修羅丸ってのはこれか。」

「あ、・・・はい。・・・傷つけるなって。」

「うん?これは剣なのか・・・?・・・独特な形状だな。・・・ふむ。材質はミスリルか・・・、うむ。美しいな。」

後ろからシュルツェとウンディーネの会話が聞こえる。

お前流石にこれで殺してたらヤベー奴じゃねぇか。つうかウンディーネさんわかってますね、阿修羅丸は美しいんですよ。それについて一日語りたい。

ついでにヒュッと風を切る音が聞こえた。

「ふむ・・・、これはいい物だな。」

「ウンディーネ!後日その刀って物について語ろうぜ!後それ傷つけんなよ!」

「わかってる。・・・多少乱暴に扱っても傷つかんと思うが。」

俺の心が傷つくんだよやめろ。


「マスター、はよ。」

「シェリー足止めもしろ。・・・ハイルズも遠距離から攻撃しろや。」

「多少吸収されても知らないですからね。」

「私は遠距離の攻撃手段がないんですが・・・。」

シェリーの一言で気持ちを切り替え前方の戦場に目を向ける。

黒塊とシェリー達の距離はザッと10m程。

ハイルズがその距離で高速で飛んでくる魔法を弾き、そして撃ち漏らした分をシェリーが完璧に相殺している。

俺の一言で黒塊の左右から蔦が伸び、黒塊を拘束しようと巻きつくが一定距離まで近づくと消失していく。・・・黒塊の足も止まったし、吸収するのも流石に全部は無理そうなので打ち消してる分でトントンってとこか。

割りと余裕のありそうなハイルズが愚痴る様に言うと地面を蹴り上げ、土の塊を飛ばす。遠距離(物理)。

勢いよく飛んでった土の塊を黒塊がなんでもないように魔法で潰した。

「シェリー、そのまま。ハイルズ、割りと効果的かもしれんからそこまま蹴りまくれ!」

「了解。・・・マスターはどうするんですか?」

「効果的なんですかね、これ。」

「奇襲する。」

そう言って姿勢を低くし、限界まで気配を消す。

そのまま、大きく迂回するように黒塊の射線上から逃れる。・・・うん、こっちに気がついてる感じはしないな。

ここまででわかった事がいくつかある。

まず前提条件として黒塊は俺達を認識してはいるかが怪しい。

ハイルズに関しては海の上での攻防でも無視されてたし、今も多分射線上にいるから攻撃されてるに過ぎない。これは多分間違いない。

黒塊の横・・・、でいいのかしらんが。シェリー達の戦場から見て横で、いいか。そこで気がつかれないように慎重に【メテオシャワー】を作っていく。

まぁ、これは結構悪手って言うか。魔法でやんの有縁すぎるんだよな。まぁ、前提で魔力削らないといけないってのがあるからあれだけど。

そうじゃなかったら物理が有効だろ。ハイルズの土攻撃をわざわざ魔法で弾いてたしな。

・・・でもあの黒塊に物理ってどうやんだよって感じだが。鉄投げるか。

「奇襲って・・・。む、どこいったんですかね?」

「さぁ?そのへんにいると思いますけど。あぁ、もう疲れる。」

「弾いてる私のが疲れるんですが・・・。」

「頭使ってるんですよ。大体、高速で飛んでくる魔法弾きながら本体に蔦絡ませるのを無詠唱でやってるんですよ。」

「やめてください、考えないようにしてたんですよそんなブッ飛んだことしてるってのを。」

「相手の魔法見て計算して1個1個魔法作って・・・。アホですか。」

「・・・私に愚痴を言わないで欲しいのですが。」

シェリーとハイルズがなんか会話してる。

いや、出来てるし。出来るってわかってるから頼んだわけで、普段仕事してないからこういうとこで頑張ってもバチは当たらないと思います。

心の中でツッコミを入れながらも隕石を作っていく。・・・そろそろいいか。


最後に身体強化に魔力を回し、準備完了。

「さて、そろそろ振り向いてもらいますか。」

気配を完全に表し、メテオの隠蔽も解く。

瞬間、黒塊が蔦の拘束を一気に消滅させ、魔法の射出も止めた。

「・・・よう、やっと目があったな?」

黒塊は全然動いてなかったが何故か目があった気がした。

「じゃあ、戦闘開始といくか。」

勝手に開戦宣言をし、挨拶と共にメテオを一発飛ばす。

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