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「そう。・・・そうなるともう出発してもいいかもしれないわね。」

「休憩はもういいのか?」

「えぇ、貴方の腕の中でも休む事は出来そうだし。問題はないわ。」

「腕の中でゲロ吐いて恥かけ。」

「・・・貴女はあたしになんの恨みがあるのかしら。」

「八つ当たりしてるだけですよ、えぇ。」

「認めていくのか・・・。」

実際その通りだと思うけども、シェリーさん大人気ない。

「そちらが持ってくれるとこっちは大分楽ですねぇ。」

「まぁ、そっちのスピードに合わせるから好きに飛んでいいぞ。」

「そうさせてもらいます。」

「・・・なんかあたしが重いみたいで気に入らないんだけど?」

「まさか、そんなことは言ってませんが?」

ハイルズが腕を回してる仕草してるのがもう重いって言ってる様なもんだけども。

まぁ、重い重くない関係なく長時間腕に負担かかるのはきついしな。

「・・・さて、そろそろ行きましょうか。」

「おう。・・・割りと森からなんか来そうだしな。」

ここらへんは森の最奥だ。それなりに強そうな奴らがいるんだろう、そろそろ居場所がバレてこっちに集まってる感じがする。厄介事はごめんですね。

「じゃあ、急いだ方がいいわね。・・・はい。」

「ん。」

またシュルツェが腕を伸ばして抱っこ形態になるので持ってやる。

「・・・もう少し丁寧にやったほうがいいわよ?」

「うるせぇ。力加減がわかんねぇんだよ。」

実際こんなにマジマジと女の子を抱っこするなんて久々だからな。・・・昔フランとかレイを抱っこした覚えがあるけど、それより小さいからなこいつ。

「では、ついてきてくださいね。」

ハイルズが一言そう言うと崖から飛び降りた。

「・・・え、飛び降りるの?」

「・・・あー、まぁ着いていけばわかるわ。貴方は貴方の飛び方でついて行きなさいな。」

流石にキョトンとしたが、シュルツェがついて行けってことはまぁ普通に何かしてんだろう。

「そろそろ、後ろ来ますよ。」

「それな。・・・まぁ、残念だが獲物は海に消えますよっと。」

「ここで私達の糧にしてもいいんですけどね。無駄に魔力使う事もないですね。」

「・・・割りと洒落にならないのが後ろから迫ってきてるんだけど?怖いから早く行ってくれない?」

シュルツェが抱っこされたまま俺の後ろの方を見てる。

まぁ、俺もシェリーも見てないけど、結構なのが迫ってきてんのわかってるけども。

「ほいほい。」

シュルツェの手がギュッとしてきたので早く崖から飛び降りてあげることにする。無駄に怖がらせてもメリットねぇしな。

「んで、ハイルズはどこに・・・。えぇ・・・。」

先に降りたハイルズを目視で見つける。

うん、なんか水上を飛んでるね。・・・なんだろ、パシャンパシャン飛んでるね。

「・・・あれは酔いますね。」

「何あれどうやって飛んでるの。ていうかあんな飛び方で海渡ってきたの?」

「えぇ、ハイルズの飛び方はあれね。・・・あたしが貴方に拘った意味がわかったかしら?」

これはそうなるわ。

あんなにパシャンパシャンしてたら抱っこされてるシュルツェが酔ってしょうがないわ。

ていうか飛んでるってか跳んでるだわあれ。

「てっきり魔法で足場とか作って飛んでるんだと思ってたわ。」

「あー、貴方みたいにするのはハイルズには無理ねぇ。」

まぁ、俺の飛び方はかなり魔力がいるって言うか同時展開辺前ですからね。やれる方が少ないですが。

「ほら、早く行きなさいな。ハイルズが暇を持て余してるわ。」

「はいはいっと。」

海の上でいつまでも突っ立ってる訳にもいかないのでその意見には賛成です。・・・いつまでもトビウオハイルズ見てるわけにもいかんしな。

「・・・ほんと快適ね。見た目はハイルズと変わらないのに。」

ボソッとシュルツェがそんな事を呟く。

まぁ、傍から見たらおんなじ様に飛んでるわな。

先ほどとは変わって結構なスピードでハイルズが海を飛んで、もとい走っていく。

それに合わせるようにこちらも速度をあげる。

「文句なさそうでなにより。」

「文句なんて出るわけないじゃない。・・・貴方に抱かれてるのも満更じゃないのよ?」

「そりゃどうも。・・・シェリーさん威嚇しないで。」

さらりと流し目でこんなこと言ってくるのでなんとも言えない。・・・見た目はあれなのにこいつ大分年上だからな。クフーと真逆だわ。

耳元でフーフー威嚇音出してるシェリーを収める。

「それなりに本当よ?・・・貴方いい匂いがするもの、抱かれてて安心するわ。」

「まぁ、服はちゃんと洗濯してるし、風呂にもちゃんと入ってるからな。・・・抓るのやめよ?」

急にシュルツェが俺に対して接し方を変えてきてる感じする。ついでにシェリーが肩を抓り始めた。

「・・・なるほど、この辺でやめといた方がいいのね。わかったわ。」

「うん?何が?」

「いえ、なんでもないわ。」

「・・・チッ。」

「え、何。俺なんかしたか?」

「別に。」

急にシュルツェがパッと寄り添うのをやめ、普通に大人しくなった。

耳元でシェリーが舌打ちをしたのが聞こえたので何かやらかしたかと思ったけど何も心当たりがないです。

・・・わからない、なんでシェリーさん舌打ちしたの。

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