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「・・・クフーちゃんは大丈夫なのかい?」

「えぇ、そっちは責任持って俺が預かりますから。」

「そう・・・。リード君に懐いてるみたいだから問題はないか。」

「ですかね?」

「あぁ、仲のいい姉弟みたいに見えたけど。」

「傍から見るとそうなんですかね?・・・いや、俺姉ちゃんいますけど。」

「シェリーさんの時とはまた違った見え方になるね。・・・て、お姉さんいるのかい?」

「あれ?言ってませんでしたっけ?姉が一人いますよ。」

「そうだったのか・・・。・・・その子も?」

「まぁ、大体言いたい事わかりますけど。俺程おかしくはないですよ。」

「あぁ、よかった。リード君みたいなのがもう一人いるともうどうしていいかわからないからね。」

「確かに。・・・普通に最年少で魔法団入るくらいですから、普通ですよ。」

「十分おかしいよ!え、あの噂になってる人ってリード君のお姉さんなのかい?いやいや・・・、えぇ・・・。」

「私の自慢の姉ですから。そのくらいはしますよ。」

「今後抜かれる事のないだろう、記録を作った人がこんな身近だったとは・・・。リード君は入らないのかい?」

「いや、興味ないですし。」

「・・・まぁ、そうだろうねぇ。・・・リード君の興味のあることが知りたい気もするが。」

「んー?今は特にないかなー。・・・あっ、一日で世界一週出来るかはちょっと気になるかもしれない。」

「・・・。うん、ちょっとスケールが違うからわからない。」

ついでにミストと世間話を交わす。

こう何気ない会話がいいよね。実際喋ってるのはちょっとおかしい会話かもだけど。

それでも俺が何も隠さなくてしゃべれる相手ってのは限られてるからな、ありがたい。

「んじゃ。そろそろ行こっか、クフー。」

「あー!」

「うんうん。それではミストさん、お願いしますね。・・・アインツ達も頑張れよ。」

「任せてもらって大丈夫だ。」

「はい、わかりました。」

「ういっす。」

「・・・。」

「うー!」

「うん、クフーも頑張ってね。」

アインツ達と一時の別れを。

クフーも結構アインツ達に懐いてるので微妙に兄妹に見えなくもない。

それぞれ、別れを交わし、冒険者ギルドを後にする。

立派に育ってこいよ。他人任せ感やばいな。


「いやはや・・・、急に呼ばれて何事かと外に来てみれば・・・、厄介事の香りがするのう。」

「ん、すまんな。ちょっと頼みごとができてな。」

「ぁー?」

城に入っていくのは絶対バレるので外から念喋で爺ことラークスに連絡を取る。

ここに来る時から厄介事だろうなって顔しながら歩いてただろ。まぁ、その通りなんですけど。

「定期連絡で済まないってことは急な頼みごとでしょうなぁ。・・・して、そちらのお嬢様はどちら様で?」

「ぅー?」

「あーうん、頼みごとって言うのはそれなんだ。ちょっとこの子預かって欲しいんだけど。」

「・・・もうちょっと詳しく話してもらえますかな?」

もう悪い予感してたんだろうが予想より悪かったのか、ラークスが顔をしかめる。

とりあえず、この子は知り合いの妹で少し知り合いが修行に出るので預かって欲しいと頼まれた、と説明する。

「・・・お主に何か預かれない理由があると、それでわしに役目が回ってきたってわけじゃな?」

「せいかーい。流石、元右腕。」

「うるさいわい。・・・うーむ、拒否権はないんじゃろ?」

「いや?別に断られたら断られたで色々他の手考えるけど。」

正直他の手がないんだけどな。

「ぅー・・・。」

「・・・やっと回りの者達がわしへの警戒心が薄れてきたところじゃぞ?」

「いやー、孫娘的なポジションの子で好感度アップ作戦とかどう?」

「・・・最近やっと部屋の掃除と家具の配置が終わって、ゆっくりと休むことが出来る様になったんじゃぞ?」

「いやー、孫娘的なポジションの子で部屋に潤いを作戦とかどう?」

「・・・微かな音にでも反応してしまって寝れなかったのがぐっすりと言わないまでも休めるようになったんじゃぞ?」

「いやー、孫娘的なポジションの子で人生に癒しを作戦とかどう?」

「・・・拒否権ないじゃろ。」

「オススメしてるだけですよ?」

茶番乙。

「ぅー・・・?」

「・・・。はー、そんな心配そうな目で見るでない・・・。」

「あー・・・。」

「わかった、わかった。預かれるかどうか聞いてみよう。・・・断られたら知らんからの?」

「あー!」

クフーの勝ちである。

いや、流石に上目遣いでお願いされたら断れないよね。ただでさえラークスは子供に弱いし。

「うむ、クフー連れてっておっさんに頼んでみてくれ。」

「公爵にかの?・・・成功率が8割程になりますのう。」

「そうか?俺は9割だと思うわ。・・・だからそれでよろしく!」

おっさんなら面白そうだからって理由で了承するだろうしな。俺の関係者ってのがわかればそれこそ断る理由がないだろうし。

「・・・マーカスだったら断る可能性があったんじゃがのう。」

「マーカスはダメだ。成功率が一気に下がるから。」

とはいえ、マーカスも大概優しい性格してるのでクフーがジッと見つめて頼み込めば堕ちそうであるが。

「・・・はぁ、じゃあ頼んでみますかのう。」

「はい、よろしくぅ!」

ラークスがクフーを連れて城に向かっていく。

「うー!」

「これ、勝手に走らんでくれ。」

「あー!」

「・・・まぁ、お嬢よりは言う事を聞く分大分マシじゃの。」

そんな声を聞きながら吉報を待つ為にちょっと移動しよう。

・・・若干見回りの兵士もいることだしな。

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