男子禁制2
「・・・お姉ちゃんまだ恥ずかしいの?」
「だって・・・、普通にこんな機会なかったから・・・。」
一人だけ脱ぐのが遅い、お姉ちゃんに声をかけるが未だにモジモジしている。
女の人だけなので恥ずかしいも何もないと思う、・・・年相応以上の体してるのに。
ていうか、隠そうとしてるので若干見えてる胸が大変な事になってるのに気がついて欲しい。・・・見てるこっちが残念な気持ちになる。
自分自身ではそんなにないとも言い切れないけど・・・、あいつに言わせれば貧相な体らしいし!
まったく失礼な奴だ。でも、叔母さんや、シェリーさんに囲まれてたらそうなるのかもしれない・・・。
ちょっとどころか大分ズレてるあいつの感覚ならありえるかもしれない。
「・・・待たせてごめんね。」
「そんなに待ってないけど・・・。みんなが早いのよ。」
一番乗りしていったラニさんを追いかけるように皆行ってしまったので今脱衣所には私達二人だけだ。
やっと脱ぎ終わり、体をタオルで隠したお姉ちゃんと一緒に浴場に向かう。
「・・・まぁ、本当にこれはいいものよねぇ。」
「毎日お風呂に入れるだけでも凄いのに、ここまで設備が整ってるのはどこにもないでしょうしね。」
本当に何もかも規格外だが、いい方向に向いている時はいいかなと思う。
「でねー、その時にヒューイが怖い顔してもう絶対城に行くんじゃねぇぞ!って怒ってたんだよ。」
「それ守らなかったんでしょ?」
「うん!だって、リードに会いに行きたかったし!」
「んー、それは素直に従ってたほうがよかったんじゃないかなー。・・・リーの回りってトラブル多いからねー。」
「そのほうが楽しいじゃん!」
「わかる!色々な事体験出来るのは楽しいよね!この前も新作の魔法とか言って水の龍がゴリゴリ地面削ってるの見てわらっちゃったもん。」
「あれ綺麗だよねー。浮かんでるのは見たけど、使ってるとこ見たことないや。」
お風呂に浸かりながらラニと話す、滅茶苦茶楽しい。
元々おしゃべりなボクと気があうらしく、ラニと話していると話題が尽きない。
リードにこんなお姉ちゃんがいたなんて、・・・本当にずるい。リードは楽しいことばっかりしてる。
訓練とかはちょっと辛いけど、それを置いても今の時間は凄くいいと思う。・・・少なくとも何かするべきなのに何も思い浮かばなかった時よりは断然に!
「もう私もどうやって魔法作ってるかわからないけど、動かすとすっごくエグいんだよあれ。・・・あんな魔法使う機会あるのかなぁ?」
「そんなに凄いの?普通に観賞用だと思って綺麗って感想しか出なかった。」
「リーが自分から封印してる魔法って言ってたくらいだからねー、見せることはあっても使う事はないんじゃないかなー。・・・あれ一つ出すのに私何人分の魔力使ってるんだって感じだけど。」
「ふーん。ボク魔法の事まだよくわかってないからあの魔法がどれだけ凄いのかよくわかってないや。」
「まぁ、あれはわからなくていいわ。・・・てゆうかリーの魔法なんてリー自身が解説してくれないとわからない事の方が多いし。」
「そうなの?普通に一瞬で魔法使ってるようにしか見えないけど。」
「普通に一瞬で魔法使うってだけでもおかしいの!それでリーったら偽装とかフェイント織り交ぜてくるから・・・、過剰なくらい手の内を見せないのよね。」
「へー、そうなんだ・・・。そういえば訓練の時も同じ様な動きが多い気がする・・・。」
「らしいわねー。お父さんも言ってたけど、いくつかのパターン作って行動してるんじゃないか、だってー。・・・よくわかんないよねー。」
「それはよくわかんないねー。」
「前もコンボとか言って一定の動きで魔物倒してた時あったし、・・・あれは本当によくわかんなかった。」
「こんぼ・・・?何それ!ちょっと興味あるかも!」
「私も詳しいことはよくわからないけど・・・、決められた流れと動きで相手を追い詰める技、だったと思う。・・・覚えてるのが、ゴブリンに火の玉当てて、弓で棍棒落としてから剣で切る。ってやつかな。・・・ずっとそれやってた。」
「えぇ・・・、なんでそんなことしてるんだろ・・・。」
「わかんない。効率がどうとかーって言ってた様な気がする。」
時々リードが起こす奇行の一つなのかな?ボクには全然理解出来ないし、ラニも理解してない気がする。
「・・・あなた達、そろそろ出ないとのぼせるわよ。」
「「はーい。」」
楽しいおしゃべりもここで一旦終了だ。叔母さんがお風呂から上がりながらこっちに声をかけてくれた。
「でよっか。」
「うん。」
水音を立ててラニと一緒にお風呂から上がる。・・・リードに男と間違えられたのをまだ根に持ってるわけじゃないけど、やっぱりそうみえるのかなぁ。
ちょっぴりラニを見て自信をなくしながら脱衣所に一緒に戻った。




