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男子禁制

「えぇ、そんなこと言われたんだ・・・。」

「らしいですね。まぁ、マスターがそこで潰してくれたら楽だったんですけどね。・・・色々無理がありますけど。」

「まぁ、リー君には無理じゃないかなー。」

「本当にシェリーさんは分かるんですが、私達もってのが気味が悪くて・・・。」

「お姉ちゃんがここまで嫌悪感示すのって珍しいよね。・・・まぁ、当然か。」

夕食後、フランが合流し、今日あった出来事を話しながら転送石まで行く。

私は、まぁ、村では妖精、ティスカ公国では魔法使いとして振舞っていたのでマスターから聞いた話だと、単純に戦力として欲しいのではないだろうか。

・・・いや、あの時感じた視線はエル達と同じ気持ち悪さを感じた事を考えると・・・。

元々は容姿目当て、調べたら魔法使いとしても優秀なので戦力としても数えれる、って感じでしょうか。どちらにせよあのゴミクズは視界に入らないで欲しいですが。

「んー、私がなんとか出来ればいいんだけどー。」

「ラニにどうか出来る問題じゃないでしょう?・・・まぁ、飛ぶわよ?皆つかまってる?」

ラニが口を尖らせるのをセリーがちょっと呆れたように咎める。

もう少し偉くなればラニにもそういう権力がつくと思うが、今のラニではどうにもならないだろう。

セリーの一言にみんなが手を繋いで頷く。

「トラベルワープ。」

そして、視界が暗転する。


「・・・んー、何回見ても規模がおかしいなぁ。」

「まぁ、マスターの作ったものですし。・・・もうこれ全体が魔法で複雑に作られたパズルですよね。」

半裸になったラニが服を脱ぎながら辺を見渡してそんなことを呟く。

私は元々魔力で服を作っている様なものなので、脱ぐ必要はない。・・・一度そんなことをマスターに言ったら痴女扱いされてドン引きされたが、あの時は思いっきり殴って正解だったと思う。

マスターの作ったお風呂のダンジョンはもう何がどうやって出来てるのかパッと見わからない。

普通の人にはわからない程複雑で、それぞれが干渉しないように魔法式がぶち込んであるのだ。

床にはほんのりと暖かくする魔法、水分をゆっくり吸収する魔法、他にも衝撃なども吸収するようになってるんだろう。

とにかく見渡す限り魔法だらけ、だけどそれは知ってる人じゃないとわからない。そんなお風呂になっているのだ。

「まぁ、気にするだけ無駄よね。あの子の事だからしっかり作ってるでしょうし・・・。毎日お風呂入れるのは幸せよねー。」

セリーが既に全裸になり、あっけらかんとそんなことを言う。

マスターの事を信頼してるんだろう。まぁ、確かにマスターの作るものはセンスがないが性能は断トツだろう。

その中でもこのお風呂のダンジョンは最高傑作と言ってもいいくらいだ。・・・それをマスターに言うと否定されるのだが。

マスター以外の人はこれが一番いいと言うだろう。


「んー・・・。」

自分の胸元をペタペタと触りながら唸るような声が出てしまった。

回りは皆大きい。おばさんとシェリーはもう言わずもがな、ミューさんも平均以上だろう、エルなんて私と同じくらいの歳なのに・・・、ラニもルクも年相応にある・・・、唯一の仲間はハピだけだった。

「なになに、どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。・・・ハピは悩み事とかなさそうだね。」

「フランもリードみたいな事言うの!?・・・悩み事いっぱいあるのに。」

対して悩んでなさそうなハピが私の様子に気がついて声をかけてくるが、なんでもないと返す。

ハピもこちら側なので相談してもしょうがないだろう。・・・相談するならおばさんかシェリーだ。

私が若干焦ってるのはやっぱりと言うか、リー君のせいだ。

元々リー君はあんまり男女の関係って感じのには疎くて、どんな人にも友人の様に付き合ってる人なのだが・・・。

やっぱり、大きい胸には弱いらしいのだ。・・・これは村にいたときにはわからなかったけど、お城でそう確信した。

シェリー、レイさんやエルが大きく動くとやっぱりそこに目線がいってるみたいなのだ。上手く誤魔化してるようだけど私の目は誤魔化せれない。何もしなくて女として見られてるみたいでちょっと羨ましい・・・。

そうなのだ。やっぱり、リー君は私の事を女の子として見てない気がする・・・。

もちろん、その分狩りや仕事で信頼してくれてるのはわかっているんだけど・・・。

そうじゃない、やっぱりちょっとは意識してもらいたいと言うか・・・。

ふとした拍子に意識してるとは思うけど・・・。リー君そういう事あんまり関心がないっぽいんだよね。

ていうかこんなに周りに女の人ばっかりの環境にいるのに何にもないってのはおかしいと思う。

でもそんなこと言ってもしょうがないのかなぁ、リー君普通の人と違うし・・・。

「どうかしましたか?」

「な、なんでもないよ。」

気がつくとシェリーが目の前にいる。・・・やっぱりこの体はずるいと思う。

「裸でボーッとしてると風邪ひきますよ。」

「・・・そうだね。お風呂入ろっか。」

「今日の一番風呂は私だからね!」

「あっ、こら。走らないの!ちゃんと体洗ってから入りなさいね!」

ラニが風呂場に走っていくのを叔母さんが慌てて止めている。・・・昨日はハピが一番だったから狙ってるんだろう。

「今日はゆっくり入ろー、・・・なんか最近リードの訓練きついし。」

対抗馬のハピはのんびりしてるので今日はラニが一番風呂だろう。

・・・とりあえず、シェリーのあとについてお風呂にいこ。

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