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「そこのお芋取ってくれ。」

「ん、お皿。」

「ほい。」

夕食が淡々と進む。

人数が人数なのでこう大皿に盛られた料理が何個かあり、それを自分の皿に取って食べる方式なんだがこれが結構面倒だ。

自分に近いとこにある料理ならいいが、他のとこにあるのは自分で動くか取ってもらうかなんだが・・・。てゆうか俺の背的にきついんだよ、届かねぇよ。

まぁ、魔法とか駆使すればどうとでもなるけど。・・・それはなんかダメじゃん?人として終わってる気がする。

うちの夕食は結構静かで、昔は姉ちゃんが結構喋ってて俺がそれに補足とか入れつつ、父さんと母さんが一言二言交えながら聞いてて、ミューが静かに相槌をうちながら聞いてる。

そんな食卓だったが。

「それでね!今日はフランも一緒だったんだけど、あの子やっぱり凄いよね!大人の人にも指示出してたし、的確に魔物の位置わかってるんだよ!」

「昔からそうだったからね!リーとフランが森に入っていったら何かしら獲物を捕まえてくるから、狩人の腕は確かだって村でも噂になってたんだよ!」

「・・・私もいましたけどね。」

「もちろんシェリーも着いていってたけど、シェリー全然手伝ってないってリーが言ってたから見守ってるだけだと思ってた!」

「・・・、いや実際それで合ってますけど。あの時は私がいなかったら森にすら入れてなかったですからね?」

まぁ、なんだ。

姉ちゃんとハピは気が合うとは思ってたんだが、ものの見事に合ってますね。

どっちも話すの好きだし、二人でずっと喋ってそうだ。

大体今はこんな感じで姉ちゃんとハピが会話の中心になってるのがほとんどだ。それが他の人に飛び火して加わるみたいな。

「私も村にいる間はお父さんの仕事手伝おうかなー。」

「んー、別にゆっくりしてていいぞ?魔法の手伝いなら母さんもシェリーもいるから手が足りてないってことはないし、それにリーがいるからな。」

「それ言ったらもうリーだけで全部済んじゃうでしょー、仕事あるなら手伝うよ!」

「そうねぇ。それなら明日メイさんとこの木材の加工を手伝ってちょうだい。」

「うん!手伝う!」

ええ子や。・・・帰ってきてからすぐに仕事手伝うとか天使じゃん。どっかのステータス馬鹿とは違うな。

「・・・んで、リー。湿気た顔してご飯食べてるが、そろそろ話してもいいんじゃないか?」

「あ、うん。・・・そんな顔してた?」

「笑っててもふとした拍子にそんな顔してたわよ。」

んー、自分では何時も通りにしてたと思うんだが。やっぱり両親は騙せない感。

他の奴は気がついてないっぽいし、・・・シェリーはまぁ、チラチラこっち見てたから気がついてたんだろうけど。

「まぁ、父さんも知ってる通りイゴ家にお呼ばれしたんだけど・・・。その理由がちょっと最低すぎて笑えなかったんだ。」

「・・・あー、あの息子の方に呼ばれたのか?あれはなぁ・・・。」

父さんが苦い顔してそんなことを言った。・・・あぁ、これ父さんもあれになんか言われた感じか。

「シェリーとエルとルクを言い値で売れだってさ。」

「あ?」

「「え?」」

言った瞬間のエルとルクが困惑した様に反応した。シェリーさん、その顔と声はやばいっすよ!

「・・・それはまた、なんと言うか・・・。」

「きっちり殺してきましたか?」

「シェリー、気持ちわかるけど滅多なこと言うもんじゃありません。」

「・・・確かに、マスターの手を煩わせるまでもないですね。そんな輩なら近いうちに野垂れ死ぬでしょうし。」

激おこですねシェリーさん。

「・・・シェリーさんはわかるのですが・・・、なぜ私達もなのでしょう?」

「自分で言うのもなんだけど、扱いにくいメイドよ?」

まぁ、ルクは扱いにくいメイドでしょ。皆知ってるよ。

「さぁ?平民がメイド雇ってるのが気に食わないんじゃない?ティスカ公国にいたこと調べてたっぽいし、それでメイド雇ったってのがわかったから。みたいな?」

「・・・んー、なんか違うような。あの時の視線的に・・・。」

「・・・ルク。食事中ですし、その・・・。」

あっ、なるほどー。そういう目的っすかー。

確かに奴隷のメイドならそれで問題ないっすねー。エルもルクも見た目可愛いもんねー。

・・・シェリーの言う通り殺しとくべきだったな。

「・・・胸糞わりぃな。」

「あー、なんで食事中にそんな話するの!美味しくなくなっちゃ・・・、美味しいけど!」

ヒューイが吐き捨てる様に言う横でハピがむしゃむしゃとまだ食ってる。

いや、もう皆食事終わってるからね?君が喋ってて食べてないだけだから、姉ちゃん少食だから食べ終わってるし。ペース考えて。

「まぁ、正直ナメた態度だったし、館の合ったとこ焼け野原にして帰ろうかと思ったよ?でもそれはまずいっしょ、かなり影響あるだろうし。」

「まぁ、面倒な事になるだろうなぁ。・・・例えリーがやったとバレないとしても、少なからずこの村に影響はあるだろう。」

「・・・。」

父さんがなんとなしにそんな事を言うが母さんは少し悲しい顔をしている。

多分母さんは俺にそう言う事を言ったり、やったりして欲しくないんだろうな・・・。当たり前だけどさ。今回は理由があれなのでなんとも言えないんだろう。

父さんは逆にというか、俺よりの考えだろう。メリットとデメリットを比べ、理由があれば・・・、って感じだろう。100の為に1を殺すってやつかな。

「まぁ、そんで丁寧に断ったら歩いて村まで帰されたってオチがつくんだけど。」

「はぁ?・・・無茶苦茶だな。・・・んー、一応隠しとこうと思ったが、多分無関係じゃないだろうから話しておくか。」

父さんが呆れた顔をした後に頭を掻きながらそう続けた。

「リーが帰ってきた時にケンプ・・・様が訪ねてきてただろ?あの時にな。少し前にオークが攻めて来たときのあの騒動、リーが全滅させたやつ。・・・あれのな、魔石の取り分をよこせって言ってきたんだ。」

「は?いやいや、なんで?実質俺と銀が全部仕留めたんだし、魔石の権利は俺達のでしょ。しかもなんで今更・・・。」

「元々、リーが来る前に援軍を頼んでたのは知ってるよな?それで俺達が村の近くで少しでも耐え、数を減らし退却。その後に援軍と共に村を取り返す。って流れになってたんだ。」

父さんが説明してくれる。・・・あぁ、確かそんなこと言ってたような気がする。

「実際その通りに事が進んでたので反撃の準備とかしていたんだが、それが無駄になってな。・・・その時、領主様は。無事ならばよかった、逆に遅れて申し訳ない。と使者を送ってくれ、魔石の事も訪ねたんだが、討伐者が自由に使っても構わないと言うならその通りにしなさいって言ったんだが・・・。」

あぁ、なんとなく読めてきた。

「ケンプ・・・様が言うには。準備してたものが無駄になった補填がいるだろう、村を守ってるのもタダで出来る訳ではない。・・・だとさ。」

「いや、無茶苦茶やんそれ・・・。」

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