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「やっと帰ってきましたね。・・・馬車はどうしたんです?」

「歩いて帰って来ちゃった。」

「何やってるんですか。・・・いや、雷ちゃんに乗ってるし歩いてないのでは?」

「ごもっとも。」

待ってただろうシェリーが俺達の姿を見てそんなことを言った。

・・・毎回シェリーが外にいるのって俺が帰って来るの待ってんのか?うーむ、わからん。

「メルも訓練お疲れ様。・・・なかなか様になってますよ。」

「ははは、ありがとうございます。」

お世辞だとわかってるんだろう。メルが力なく笑いながらそう返す。

「降りにくいでしょうし、手を貸しますよ。」

「あっ、すいません・・・。」

メルが若干照れながらシェリーの手を借りて風牙から降りる。

「・・・体が痛いです。」

「まぁ、慣れない筋肉使っただろうしなっと。」

体を伸ばすメルを見ながら雷牙からサッと降りる。・・・こう慣れたら馬からはバッと降りたいなやっぱり。

「マスターが乗れてるってことはそろそろ私を後ろに乗せてデートって事でいいですか?」

「いや、雷牙と風牙いるし二人共乗ればええやん。」

「あぁ、なるほど。二日に分けて雷ちゃんと風ちゃん、どっちもデートで使うってことですね。」

「使役していても言葉が通じていないとはこれ如何に。」

いや、言わんとしてることはわかるんだが。

シェリーと俺が乗ったとしよう。・・・背が足りねぇんだよ。

俺が思い描いてるのはこう、前に男が乗って後ろに女。そんで男が手綱握って馬を操ってて、その男の腰に手を回して抱きついていい感じの女。って感じだろ?

ちゃうねん。今のシェリーとだと馬の練習をしてる子供って図が出来上がっちゃうだろ。

見た目めっちゃカッコ悪いじゃん。

「もうちょい俺が大きくなったらにして。」

「・・・あぁ、いいじゃないですか。後ろから抱きしめやすいですし。」

「俺は子供か!・・・子供だったわ。」

シェリーも気がついたんだろう。二人で乗るってなったらそんな状況になると、・・・シェリーの場合それでも楽しんでそうだけど。

「まぁ、いいじゃないですか。今しか出来ない事ですよ?」

「人それを黒歴史と言う。・・・何が楽しくてそんな歴史作らなきゃなんねぇんだよ。」

「私にとっては白歴史ですよ?」

「他人の痛みがわかる人になろう。」

「・・・やっぱりリードさんとシェリーさんってお似合いですね。」

「やっぱりそう思いますか?メルはいい子ですね。」

「撫でてないで風牙から馬具取るの手伝ってくれませんかねぇ?」

そんな俺達の様子を見てメルがそう言い、シェリーが頭を撫でていた。

そんなことよりも風牙の馬具外して、流石の雷牙達でも馬具は自分じゃ外せないんだから。

「・・・あ、ひらめいた。・・・いやしかし、これはどうだろうな。」

「どうか。」「したんですか?」

シェリーが照れてるメルを撫でてるので雷牙達の馬具は俺が外してるんだが。

ポツリとこぼした言葉に雷風が反応した。

「いや、魔法で馬具作ればいいんちゃうって思ったけど。」

「あぁ、なるほど。」「あり、なんじゃないでしょうか?」

「いや、多分まだコントロール出来ないだろうし。結構難しいと思う。」

「そうでしょうか?」「結構簡単に感じますが・・・。」

「そうなん?じゃあ、その訓練も追加で。」

「「え?」」

「え?」

雷風が俺と顔を見合わせた。・・・なんか会話がおかしいな?

「・・・んー?」

「えっと・・・。」「まさか我々が作るのですか?」

「え、いやそうだけど?」

あ、なるへそ。俺がわざわざ宝物庫から出して取り付けるって作業が面倒だから俺が魔法で作り出せばいいって事だと思ってたな。

ちゃうよ、それだと結局俺がいるやん。

そうじゃなくて雷牙達が自分で作れればいつでもどこでも馬具取り付けるって作業いらずで飛び乗れるって話ですよ。

「・・・本気。」「なのですか?」

「あぁ、うん。まぁ、練習しといて損はねぇんじゃねぇかな。」

「「わ、わかりました・・・。」」

・・・まぁ、難しい事を言ってると思います。雷風が使えるのは土の魔法だからな、それで鞍とかなら作れるだろう。・・・まぁ、任せるか。

「マスターの無茶振りが始まりましたね。」

「そうか?雷風ならやれんことはないだろ。」

「まぁ、そうですが。」

「・・・あまり僕の為に連れ出すのはやめといたほうがいいのかな。」

「・・・いえ。」「大丈夫です・・・。」

メルがぼそっと言ったのを雷風が聞いていたのかそんなことを言った。・・・まぁ、別にすぐにやれって感じじゃねぇし。結構難しいと思うので長いスパンで考えていいと思います。

「・・・それで、一応聞いておきますがマーディー達が帰ってきてからでいいんですよね?」

「あぁ、そのつもり。」

「それならいいです。」

これだけでもう通じてしまうのは長くいるからか。

別に急ぐ用事じゃないしな。急ぐ用事ならさっさと帰って来てシェリーに指示出してるし、それがないってことはシェリーもわかってるんだろう。確認だけで済んでしまう。

「?」

「・・・ま、今日の夕飯が楽しみ、かつ憂鬱って話だ。」

「・・・それで通じるのは私か銀ちゃんくらいですよ。」

頭に?マークを浮かべているだろうメルにそう言う。言ったところで?マークが増えるだけだろうけど。


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