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「オリジナルの魔法ってそんなに簡単に作れるもんなんですか?」

「まぁ、作れるんちゃう?」

「馬鹿!作れるわけないでしょう!!普通の人がやったら魔力が暴走して爆ぜるわよ!」

「マジ?それは知らなかった・・・。」

エルが興味本位って感じで聞いてきたのでやれるんちゃうって感じで答えたら母さんにめっちゃ怒られた。

「前例がない魔法ってだけじゃない?普通にいけるよな?シェリー。」

「まぁ、いけなくはないですけど・・・。」

「イメージだけで魔法が作れるなんてあなた達だけよ、本当にもう。」

「まぁ、私達なら作り出すのはやろうと思えば出来ますが。実用性のあるものにするのはマスターじゃないかぎり時間がかかりますよ。」

「そんなもんかね。」

言うてシェリーのあの蔓にのって移動するやつ、あれオリジナルだろ。妖精魔法がどんなんか知らんけど、あれ難しい部類に入るんじゃね。

「ご主人様ってそれらを軽々と扱っていますよね?」

「シェリーも大概よ?俺だけじゃないない。」

「まぁ、私達はおかしい部類なので。」

「認めちゃったよ。」

エルが魔法の基礎を学んで今更ながらその異様さに気がついたのかそんなことを言ってくる。そりゃ俺とシェリーは異質っすよ。銀もあいつは身体強化の部類で異質だけど。


そんなことを外でやってると。

「たっだいまー!!」

と姉ちゃんが帰ってきた。

「わー!本当にリーが帰ってきてる!久しぶりー!」

「おっと、・・・おかえりとただいま、姉ちゃん。」

久しぶりに見る姉ちゃんはやっぱり天使だった。

金髪緑眼、今は髪の毛を長くしている最中なのでこっちに向かって走ってくるたびにその綺麗な金髪が揺れている。母さん似のおっとりとした顔なのに目がキラキラと輝いている。胸は平均くらいだろう。まぁ、母さん見てるとまだまだ成長の可能性はありますよ。

そんな感じで眺めていたら走ってきた勢いで抱きしめられた。

「んー、久しぶりのリーの匂いだ!」

「ちょっと姉ちゃん恥ずかしい。・・・みんないるんだし。」

容赦のない抱擁にこっちが恥ずかしくなってしまう。母さんとシェリーとフランは微笑ましいって感じで眺めているが他の皆はポカンとしている。

「いいじゃない、減るもんじゃないし。・・・あー、落ち着く。」

「まぁ、いいけどさ・・・。」

「あっ、そうだ!」

突然姉ちゃんがバッと俺を引き剥がした。

「試験!ご、う、か、く、です!!」

両手をあげてそう高らかにそう言った。

「ん、おめでとう!」

「いえーい!・・・あんまりびっくりしてない?」

「いや、絶対受かると思ってたし。」

「なーんだ、つまんないの。」

ハイタッチして喜びを分かち合う。・・・まぁ、知ってたしね。

「お母さんただいま!」

「ん、ようやく言えたわね。」

「うん!・・・シェリーも久しぶり!」

「はい、久しぶりです。おめでとうございます。」

「うんうん、ありがと!・・・ところで、この人達どちら様?」

シェリーとも抱き合って挨拶を交わした後に姉ちゃんがエルとルクを見てそう言った。

「俺も聞きたいんだけど、・・・あちらの人達はどちら様?」

姉ちゃんと一緒に来ただろう、見た目初老くらいのおじさんと姉ちゃんより年上の女の子が家族の邪魔をすまいとひっそりと立っていた。


「へー、エルとルクはメイドさんなんだね!」

「はい、まだまだ若輩者ですが・・・。」

「・・・。」

「そんなことないよ!この入れてもらったお茶だってすっごく美味しいし!ルクが持ってきてくれたお菓子も美味しい!」

「・・・ありがとうございます。」

「んー?なんか妙に慣れてない感じがして堅苦しいなぁ。」

とりあえず姉ちゃんが帰ってきたのでエルとルクの自己紹介をしつつ、庭でなんか会議みたいなことになった。

「そんで姉ちゃん、こっちの人達は?」

「あっ、んーとねぇ。」

「いえ、こちらから名乗るのが礼儀でしょう。」

と姉ちゃんが紹介をしようとしたときに初老の男が遮った。

「私は、7騎士の一人、ディムル。ラトニス殿の護衛だ。・・・こちらは弟子のフィロ。以後よろしく。」

そう言ってディムルと名乗った初老が頭を下げた。同じ様に女の子も頭をペコリと下げる。

「ん、んー?」

「7騎士・・・、そんな御方がラトニスの護衛に?」

あぁ、思い出した。アトラス王国に使えてる7人の騎士だっけ。なんか武器が7人共違ってて色々なとこで活躍してる、みたいな?・・・詳しく覚えてねぇけど。

「いえ、旧友たっての願いでして。大事な弟子を守ってほしいと。」

「あっ!そうそう、私師匠が出来たんだよ!エドランって人なんだけど、優しいお爺ちゃんなんだ!魔法の使い方もすっごくうまいし、教えるのも丁寧なんだよ!」

「・・・とまぁ、その師匠とやらにラトニス殿は気に入られてるのでしょう。」

母さんが若干驚きながらも聞くとディムルがそう答えた。途中で姉ちゃんが遮ったので苦笑をしてたが。

「・・・なるほど、わざわざありがとうございます。」

と不自然な間を挟んで母さんがお礼を述べた。・・・どっかに魔力飛ばしてるな、何してんだ?

「いえいえ、こちらとしてもラトニス殿は国の宝みたいなものですので。・・・最年少と言うことで少しばかり賑わってますので。」

・・・まぁ、姉ちゃんに限ってさらわれるとかないと思うがそこまでしてくれるのは確かに感謝ですな。・・・てゆうか姉ちゃん攫うとかそいつら根絶やしにする。

「ところで・・・、そちらの方が弟さん、でいいのかな?」

「ん?」

「はい!弟のリードです!」

俺としては別にありがたいくらいで興味なかったのだが、急にこっちに話題を振られた。

・・・てゆうか虎っさんといい、この人といい、さりげなくこっちを威圧してくるのをやめてほしい。

「なるほど・・・、ふむ・・・。」

そうしてディムルは俺を眺めながら何やら考える様に頷いている。

「・・・君は魔法使い、なんだよね?」

「いえ?詩人ですけど?」

「はい?」

ディムルがめっちゃキョトンとしている。・・・シェリーは吹くなよ、ルクも肩震わすな。

「いや、しかし・・・。ラトニス殿に魔法を教えていたと聞いてたのだが?」

「あぁ、教えはしましたけど。本業は詩人ですよ?」

まぁ、姉ちゃんには特に口止めもしてないので姉ちゃんが師匠にでも喋ったのかな。・・・ちなみに俺の教え方なんて察したものなので姉ちゃんが自力で習得したようなもんだ。

「んん?・・・よくわからないな。・・・なにか武術もやってるんだろ?」

「まぁ、一応。剣くらいなら扱えますけど。」

滅茶苦茶納得いってない顔でディムルがそう言う。・・・まぁ、この人相当やるっぽいし。俺がさりげなく気配薄めてるのにも気がついてるっぽいな。

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