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それから特に何もなく、虎っさんと別れた。

つうか初対面なのにいつも会ってる友人みたいな別れ方だったし、なんかこうあっさりしてると言うか。

全体チャットに参加してきてひとしきり盛り上がって自然に解散って感じがしていい感じだった。絶妙な距離感が心地いい。


「まぁ、後は残りの鉄をどうするかなんだよなぁ。」

村に帰って来て問題ないことを最初に確認してからそう呟く。

・・・まぁ、別にいいか。なんかの作業の時とかに使えばいいし。邪魔にならんし、持っておいて損はねぇだろ。

「お?どうした?考え事か?」

「んー?まぁ、そんなとこ。・・・商売って難しいなって。」

「はっはっは、何言ってんだか。難しくなかったら商人なんていねぇよ。」

村の人にごもっともなことを言われる。


「ほい、ただいま。」

「おかえりー!リー君帰ってきてから全然会えなかったから心配してたんだよ。」

「お、おう。ちょっと野暮用が色々あってな。」

ちょうどフランが一人で庭で待ってた。

シェリーに夕方くらいには戻るって話を聞いてたんだろう。・・・流石にずっと待ってたとかないよな?

「・・・まぁ、リー君が何も言わずに色々するなんて今に始まったことじゃないけど。」

「そう拗ねるなって。・・・散歩みたいなもんだからさ。」

「・・・別大陸に行くのを散歩なんて言わないと思う。」

「確かに?」

「まぁ、いいけど。・・・東大陸はどうだった?やっぱり私みたいなのがたくさんいた?」

「んー?流石にフランくらいの子はあんまりいなかったなぁ。・・・てゆうか獣人にも色々いて比べようがないって言うか。」

フランくらい可愛い子なんてそうそういねぇと思うが。ていうかいなかったし。

「んー?やっぱり耳としっぽだけってのはあんまりいなかったのかな?」

首をかしげながらフランがそんなことを言う。

「いや?普通にいっぱいいたけど。でもフランで見慣れてるからなんか獣人って感じがしなくて、腕全部ゴリラとか、そっちのが獣人って感じで眺めてた気がするわ。」

「ふーん。私も見てみたいなー、他の獣人の人達・・・。」

フランはこっちの大陸生まれだから他の獣人が珍しいのだろう。

基本的に田舎にいるからな、俺もフランの他に知ってるの父さんの部下の人とフランの父さんの二人しかしらねぇわ。

「そういえば家族はどうだった?やっぱ心配してただろ?」

「んー、心配はしてたけどリー君が居たし。お父さんなんかちょっとしか離れてないのに立派になったとか言ってたくらいだよ。」

「まぁ、フランの父さんはそんな感じだよな。」

「お母さんもそんな感じだよ。・・・リー君の事信頼してるし。」

「そうなのか。」

フランの父さんは狩りとか父さんの仕事とか結構話す事があったんだが母さんの方はそんなに会話してないな。フランの家に行ったときに少し話したりする程度だったし、元々あんまり外に出ない人だしなぁ。外で遊びまくってる俺と接点があんまりない。

「お母さんもお父さんもお礼が言いたいからまた家に来てくれって言ってたよ。」

「あー、・・・時間があるときにお邪魔するか。」

「・・・やっぱり忙しいの?」

やっぱりある程度の事情を知ってるからかフランがちょっと心配そうな顔をこちらに向ける。

「いや、そんな心配することはねぇよ。ちょっと野暮用があるってだけだ。」

「・・・リー君いつもそういう事言うけど普通の人の基準だと大変な事なんだからね。」

「まぁ、確かに大変だが。やる事がそこそこあるってだけで危険なことはねぇから。」

「・・・そっか。何か合ったら言ってね?・・・少しくらいは力になれるから。」

無理やり納得させたような笑顔でフランがそんな事を言うがあれだ。若干フラグを立てるのをやめてほしい。これどっちかが怪我とかしてすれ違いが起きるパターンのやつやん。

「フランはいつも通りでいいさ、いまでもよくやってくれてるし。・・・そういえば狼達見た?」

「うん、可愛いよね。あの子達どこにいたの?」

少しばかり強引に話を変えていく。

「森の北の方。」

「へー、凄くお利口さんだよね。まだ人に慣れてないのに・・・。」

「多分母狼は俺が群れのボスって認めてて、子狼達は雷風がボスだと思ってんじゃねぇかなぁ。」

あの時の子狼達のビビリようはかわいそうだったからな。シェリーもそれなりにビビらせてたがあれには負けるな。

てゆうかここであの狼達よりも弱いのはメルが条件付きで多分負けそうだが、それを除けば後はミュー達三人のメイドさんってとこだ。

そう考えたら狼達にとっては怖いよな。自分達よりも強いのがゴロゴロいるんだもん。それでも群れとして守られてるって考えてくれれば悪いことではないだろう。

「雷風ちゃん何かしたの?確かに雷風ちゃんの様子伺ってる様な素振りだったけど。」

「目の前で元の姿に戻ったらめっちゃビビられてた。」

「あー・・・、そりゃそうだよ。私だってあの姿だと未だにちょっと怖いもん。」

うん、まぁそうだよね。

俺としてはめっちゃカッコよくてあの姿いいんだけどな。バトルフォームみたいで。

そんなたわいもない話をしてフランが家に帰っていった。うん、色々あるけどこういう会話があるってのが一番大切です。何気ない時間ってのは作ろうと思ってもなかなか作れないからな。

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