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「とは言ったものの。コレと言って見たいものもないんだよな。・・・つうかここの観光の名所とか知らんし。」

そもそもの話、一人で観光して楽しいかって話になるが。

元々がボッチな俺は楽しいです、特にこうファンタジーにあふれた光景は本当に見ていて楽しい。わくわくがとまらない。

そうなると別に名所とか見ても意味ねぇな、普通に散歩してるだけでいい。

やっぱり自然のままの姿を見たいな。


やはりこういうとこには広場的なのは付き物の様で、当たり前の様に何箇所かあった。

最初に肉を食べたのと違う広場に移動しつつ、食べ物を食べたり、露店の商品を見たりと楽しんでいた。

まぁ、そういうのに付き物なのが暴れる輩な。

「キャー!」

「ちょ、ちょっとやめなさいよ!あんたたち!」

広場の一角で男たちが何やら露店を囲んでいる。周りから叫び声なんかが聞こえる。

てゆうか俺の休んでるとこの目の前でやらないで欲しいんだが。

「はぁ?下手なもん売りつけやがったのが悪いんだろうが!!」

「あんたたちが人の話を聞かなかったのが悪いんでしょ!!あの薬は重傷の人には効かないっての!」

「そんな話は聞いてねぇなぁ?おい、お前達は聞いてたか?」

腕だけゴリラっぽい大きな男が周りの男達に確認するように聞いているが皆口々に知らないというばかりだ。まぁ、ゲスいのによくあるパターンっすわ。

「こ、こいつら・・・!大体一番安いポーションでそんな怪我が完治するわけないでしょ!!」

「はぁ?お前がどんな傷にも効くっていうから買ったんだろ!?見ろよ、余計に辛そうだろうがよぉ!!」

「うぅ・・・痛ぇよ・・・。」

包帯を腕に巻いた奴が呻いたように言う。まぁ、演技っぽいけど。

「用法を守らないからよ!!ざまぁないわね!」

「・・・なんだとぉ?てめぇ・・・!」

あぁ、気が強い人だなぁ。まぁ、言ってることが正しいなら店主さん悪くないしな。こいつらが馬鹿なのかなんか脅して商品ぶんどろうとしてんのか、どっちかだろう。

・・・周りの人達は助ける気がねぇなぁ。まぁ、関わりたくはないか。

「おー、喧嘩か。よっしゃ、ここがよく見えるな。ボウズちょっと邪魔するぞ。」

「ん、あぁ。どうぞ。」

「おう、ありがとよ。・・・いいもん食ってんな、ちょっとくれ。」

「おぉ?まぁ、いいけど。おっさん、子供からタカって恥ずかしくないの?」

なんかでっかい虎が俺の座ってる机の椅子に着席した。

「なんだ、厳しいな。いいじゃねぇか、減るもんじゃねぇし。」

「いや、減ってるし。」

「細かい奴だなぁ。おう、うめぇな・・・つうかなんだ、喧嘩じゃねぇのか。つまらんな。」

こいつ遠慮がない上に野次馬レベルがたけぇ。

「あぁ!?もっぺんいってみろや!!」

「なんべんでも言ってやるよ!あんたたちバカ者共にはここのポーションは効果ないね!!」

おぉ、ヒートアップしてますね。

「・・・なぁ、助けなくていいのか?」

「あぁ?・・・あいつらつまらなそうだしなぁ。」

「そうゆう問題か?割りとまずい気がするんだが。」

「まぁ、そろそろ剣でも抜きそうだな。」

言うてる場合ですかね。

「このクソアマがぁ!!いいからもっといいポーション出せっつってんだろうが!」

ひときわ大きな声が聞こえた。

あっ、あいつ剣抜いたな。

流石に見逃せないわ。

宝物庫から小さめの石を取り出して指圧で剣に向けて飛ばす。安もん使ってんな、これで折れるんだもん。

「は?・・・おい、お前何しやがった・・・!!」

「し、知るもんか!あんた武器にまで嫌われてるんだね!」

「こ、こいつ・・・!」

いや、流石に目の前の人にどうこう出来るもんじゃなくない?普通なんか得体のしれない者に邪魔されたってので引かないかなぁ。

続けてアゴに向けて石を飛ばす。

「ななな、なんだい!一体!!」

腕ゴリラ男の体がびくんと跳ねてそのまま前のめりに倒れる。露店の人がビビってる。

「おい、何寝てんだ!こんな時に・・・。」

「こいつ何かやったか?」

「気絶してるぞ・・・、お前何しやがった!!」

ゴリ男の取り巻き共がヒートアップした。・・・めんどくさ、リーダー格が倒れたんだから立ち去れよ。人数分石飛ばすのかよ。

「おう、そこまでにしとけ。・・・邪魔だ。」

とそこで俺のとこに座ってた虎のおっさんがいつの間にか露店の前にいた。

そしてゴリを片手で持ち上げて仲間達の方に投げつけた。

「・・・チッ。・・・覚えとけよ。」

「てめぇらみたいな張り合いのねぇやつなんか覚えてられねぇよ。」

流石に力の差がわかったのかすんなりとゴリを引きずって去っていった。

・・・ほら、あの虎のおっさんが最初から出てればこんな面倒な事になってないんだっての。

「あ、あの!ありがとうございます。」

「あぁん?あぁ、そういえばそうだったな。いや、面白いもん見たからよ。つい体が熱くなっちまってな。」

そう言いながら虎っさんはこっちを鋭い眼光で見た。

・・・あれバレてんの?思ったよりこれは強いな?

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