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説明しよう!これはチャンスなのだ。

前々から思っていた。俺はこの村に収まるべきではないと、世界が俺を呼んでいると。

いやそのへんは冗談なんだけどさ、ちょっと約束しちゃたんだよね。邪竜エンヴィスとさ。

ちょくちょくあいつとは念喋で会話してるんだけどさ、闇の竜で封印さてれるからかわからんけど夜しか会話しないんだけど。

(お前と会話していると楽しいよ。)

(そうか、俺は別に楽しくないな。)

(つれないこと言うなよ、我とリーの仲だろ?)

(やめろよ、気持ちわりぃ。)

(ふははは、いいではないか。)

(そういえば、エンちゃんはもし封印とけたら何したいの?やっぱまだ破壊したりない?)

(当たり前だ。…と言いたいとこだがなぁ。リーからの話を聞いてるとそれよりも楽しいことがあるってことがわかるんだ。)

(そうか。んじゃ破壊の限り尽くすとかもうしない感じか。)

(そうだな、もし封印が解けたなら、そんなことよりもリーといたほうがよっぽど楽しいだろうな。)

(嬉しいこと言ってくれるじゃないの…。ホモは勘弁な。)

(…私は一応雌だぞ。)

(マジで!!!???)

(今まで気づいてなかったのか。)

(いやそりゃ念喋ってるだけだし、しょうがねぇな俺が封印解いてやるよ。)

(ふはははは、期待しないで待っておこう。)

こんな会話をしたことがあったからだ。

つまりはエンヴィスの封印されている霊峰サラザールにいかなければならない。場所聞いたんだけどリュート大陸の奥の方らしく遠い、約束は出来るだけ破りたくはない。

そして今回村から出る口実が出来たってわけだ。


作戦を説明しよう。

たまたま通りかかった姫様の一団が、たまたま魔物の襲撃をうけ、たまたま通りかかった俺が、たまたまシェリーもつれてきていて、たまたま姫様の一団と団結して、たまたま魔物を退けて、たまたまマーカスに剣の才能を見抜かれて、たまたま俺は騎士団に招待されてしまった大作戦だ!

これは俺が考えに考えた完璧な作戦だ。これを上回る一手は存在しない。

マーカス一同に説明する。別にいいのだ、本当に雇ってくれなくても村から脱出する口実さえ作れれば。


「いやそれでは、リード殿の扱いが不当なのでは?」

「いやいいんだ。ちょっと訳あって実力は隠してるんだ。シェリーも使役してるのではなくお友達として居てもらってることになってる。」

「あら、恋人じゃなかった?」

「お前がそう思うんならそうなんだろうな、お前の中ではな。」

「それではわたくしが礼をしていることになってないですわ!」

「そこは…、ほら、公爵様直々にお礼の言葉を言わせたいとかなんとかあるだろ?」

「それではわたくしの気が晴れませんわ。」

「めんどくさいなお前、また今度お礼とやらを受けてやるから今回はそれでいくぞ。」

「…姫様に向かってお前…。」

「非常に不本意ですがいいですわ。それでいきましょう。」

「あっ、お前、アトラス王国に伝とかある?」

「もちろんですわ、今アトラス王国から帰っている途中ですもの。」

「ちょうどいい、うちの姉ちゃん、ラトニスって言うんだけど、姉ちゃんをアトラス王国の魔法団に紹介してくれねぇかな?姉ちゃん憧れてるらしくてさ。実力は俺が保証する。それでお礼ってわけにはいかないか?」

「リードが言うなら実力はありそうですわね。それはいいですがそれではリード自身にお礼をしてないですわ!」

「本当にめんどくさい女だな。」

「…あの一応姫様なんですが。」

そんな会話をかわしつつ、村へと案内する。馬も治療魔法で直してやったので馬車も動かせる。やたら懐かれたので馬もいいなぁって思ってしまった。


「と、いうわけでして、是非お宅のリード殿をうちの騎士団に預けてもらえませんか?」

「わたくしを助けてくれた礼をお父様もしてくださると思いますので、是非とも!」

一行が現れた村はちょっとした祭りさわぎだ、こんな村に貴族がくるなんて珍しいしな。

うちの家族もてんやわんや。セリーはマーディ呼びに行ってくつも履かずに家から飛び出すし、ミュウに至ってはいつも完璧なはずなお茶を出す行為ですらすごく丁寧にやってた。

「それは光栄なことですが…。よろしいのですか?」

「もちろんです。我々はリード殿に助けられたと言っても過言ではありません。」

「ばばばっと倒した姿は脳裏に焼きついておりますわ。」

ちょっとレイニー危ない、下手なこと言うなよと睨みつけとく。

「…リー、お前はどうしたいんだ?」

「そうね、あなたはどうしたいの?」

マーディとセリーが俺の目を見ていう。

「はい、自分の力がどこまで通用するか試したいです。」

嘘は言っていない。これは本音だ。ただちょっと言葉が足りないだけだ、具体的には 力が と どこまで の間に 光龍に が入るだけだ。嘘はついていない。

「リー、行っちゃうの?」

「うん、頑張ってみる。おねえちゃんも頑張って。」

「坊ちゃんが決めたことなら私は何も言いません、きっと大成なさるでしょう。」

「ミュウも今までありがとう、ミュウが言ってくれると心強いよ。」

二人に挨拶を交わす。

「…そうか、昔はお父さんも色々やったもんだ。家出してそのまま冒険者になったりな。」

「そうね、お父さんの血を引いてるものね。」

マーディとセリーも賛成してくれるようだ。

やったぜ。

今日は遅いのでマーカス達にはうちで泊まってもらい、次の日に旅立つことにした。

その日の夕食はすごく豪華だった。俺の旅立ち祝いとレイニー達がいるからであろう。

夕食の時にそれとなくラニに魔法団に入れるように取り合ってみると言っておいた。すごく驚いた顔をしてたがめちゃくちゃ感謝されてほっぺにちゅーまでしてもらった。

やったぜ。

ただ、もう一つ大きい問題が残っていた。

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