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「んじゃ、今日も頼んだ。夕飯までには帰って来るから。」

「はい。・・・今更文句を言ってもしょうがないですしね。」

あらかじめシェリーには金策の方法は伝えてあったが、大陸を越えるなんて思ってもなかったんだろう。ちょっと不機嫌だった。

「雷牙達も頼んだぞ。・・・なんか会ったらブッ飛んで戻ってくるから。」

「はい、お任せ下さい。」「主様の手を煩わせることはないでしょう。」

「・・・そういえば。」

「ん?」

雷風を撫でながら村の事を頼む。

ついでに狼達も撫でておく。俺がいない間でも大人しくしているようで何よりです。まぁ、子狼はヤンチャな時期なので多少は暴れてる様だが被害は出てないのでよしとする。・・・ちゃんと母狼が見てるし、注意してるっぽいしな。

「フランがこそこそやってるのを心配してましたよ?」

「あっ、あー。シェリーからそれとなく言っといてくれ。・・・別にこそこそしてねぇしな。」

帰ってきてから結構すれ違いが起きてるからかフランも不機嫌になってるっぽいな。

「・・・他の獣人の女に会いに行ってるって言っときますね。」

「冗談でもやめろォ!死人が出るタイプの嘘だぞ、それは!」

「まぁ、そんなことしてたら既に私が刺してますしね。」

こっわ、なにこれ。笑ってない顔のシェリー怖いです。

完全に俺が動くと女がついてくると思ってんなこいつ。そんなモテてたら今頃彼女の一人や二人いるだろうが。


「んー、こっちのが若干空気がいい感じだな。」

やってまいりました、名前を忘れた東大陸の獣人の街。

こうなんだろ、村も田舎で人の営みって言うかそういうのが希薄な感じの空気があるんだが、森がな。森が結構どんよりとした感じなのでそっちの空気も混じってる感がある。

しかし、こっちのはより自然な空気が流れてる気がする。・・・なんだろ、いい感じの獣臭?・・・なんかあんまり褒めてない感じするな。俺は好きだけど。

「・・・んで、商売するのになんか許可いるんかな?」

まぁ、肝心なことを考えてなかったですよね。

別に俺としては売れれば問題ないので店で売ってもよし、自分で露店で売ってもよしなんだが。

流石にネトゲみたいにいきなり道で商品広げて露店はダメだよな。・・・今思えばゲームだからこそ許されるよな、あれ。手数料とかないネトゲもあるし。

多分露店開くならどっかに許可がいるだろう。ティスカ公国でもそんな感じだったし、てことは・・・、俺にはハードルが高いやつだな?てゆうか一人で接客が出来る自信がない。

・・・とりあえず店に卸にいきますか。


「流石にこれ以上は買い取れねぇな。」

「そうですか・・・。ではこれでいくらになりますか?」

「そうさな。全部含めて・・・、金貨6枚ってとこか。どうだい?」

「じゃあそれでお願いします。」

「おう。・・・しっかし、よくこれだけ同じ種類の武器があったな。奮戦地域からか?」

「・・・まぁ、そんなとこです。」

「・・・その年で苦労してんだな。かと言って買取を多くしたりはしないがな。」

苦笑いで返す事にした。

まぁ、上等だろう。何件か武器屋を回って売ったがザッと売れたのは金貨10枚分の鉄、手元に残ったのは残り金貨5枚分の鉄と金貨25枚。・・・まぁ、トントンか。一日で金貨10枚以上稼いでんだから相当だと思う。

売り方は簡単だ。

とりあえず武器屋を見つけ、その中に入る。そして、中をザッと見渡して扱ってる商品の平均より少し低いくらいの品質の物を宝物庫から鉄を出す瞬間に錬金で作り出す。そんで、買い取れそうな数を同じ様に作っていって売り払う、足りてない武器種を聞いて作って売り払う。ね?簡単でしょう?

なので残った分はまだ鉄のままだ。まだまだ使い道はある。・・・まぁ、質が悪いので自分で使おうとは思わんが。

ただこれは毎回やれるわけじゃねぇな、店としては在庫を抱えたわけだし。少なくとも半年くらいは期間を開けないと捌けないだろう。

・・・てことはここでやることは終わったってことだな?

おっしゃ観光だ!幸い金は手に入ったしな!


「ほー、肉の味付けは薄いけど質はこっちのがいいな。」

「どこと比べてるのかわかんないけど、ここらの肉の質に勝てる場所なんてないよ。・・・人族の子供が旅人とは珍しいねぇ。」

「ん、そうか?・・・まぁ、確かに回り見渡しても一人で彷徨いてんのは俺くらいか。」

やっぱり屋台回りですよね。

狩りの得意な獣人族だからこそなんだろう。やっぱり向こうとは肉の質が違う、味付けがシンプルな分それが顕著に現れてる。

顔がほとんど犬な屋台のおばちゃんと話しながら回りを見渡す。人間族の子供で一人でぶらぶらしてんのは俺くらいのものだ。

んでここに来て初めて見たんだが、獣人は結構個人差があった。

知識としてはフランから聞いてたら本で読んだりで知ってたが実物は初めてだ。

それこそほぼ二足歩行の虎の獣人とか、しっぽだけ兎の獣人とか。見てるだけで飽きない。

「まぁ、人族とは交流があると言っても好き好んで大陸を越えようとするのはあんまりいないからねぇ。」

「ふーん。知り合いに西の大陸にいる獣人がいるけど?」

「冒険者じゃないかい?それならこっちより仕事はあるだろうしねぇ、物好きな奴らは西の大陸にわたってるね。」

「あー、確かに元冒険者だわ。」

うん、フランのお父さんは確か元冒険者だったな。フランのお母さんは普通に人族だし、・・・フランを身ごもったから冒険者引退したんだっけ?どうだったっけな・・・。

「やっぱり西の大陸から観光に来たんだね。わざわざ日数をかけて来てもらっても肉が美味しいくらいしかここにはいいとこはないよ。」

豪快に笑いながら犬おばちゃんがそんなことを言う。

「そうでもないよ。歩いてる人達見てるだけで楽しいし。・・・うまいもんも食べれるし、日帰り旅行ならちょうどいいくらいさ。」

木の串をゴミ箱に突っ込みながら屋台を離れる事にした。

・・・もうちょい観光しておこう、仕事は終えてるしな。

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