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番犬ゲットだぜ!

あの後母狼とある程度の話をして、色々な取り決めをした。

番犬替わりに使いたいとこだが、子狼達がどうだろ。まだまだ小さいのでヤンチャしそうではある。

どうにか抑えて欲しいとこである。大人しいとめっちゃ可愛いし。

まぁ、連れてくるのがめっちゃ苦労した。

何故なら単純にめっちゃ遠い。全開で飛んで昼過ぎについたしな。

それに母狼の体調を気遣って帰りはちょっとスピードを遅くしたのでそれもある。

そして、狼三匹を移動させる手段があれだ。

木製の大きな籠を作ってその中に入れて運んだんだが、最初はめっちゃビビってた。

しかし、しばらくすると子狼達は慣れたのか飛ぶように流れる景色を見て燥いでたので落ないか心配でハラハラした。母狼はジッとして、時々嗜めるように唸ってた。

・・・まぁ、自分の作った転門石を使えばいいじゃんって気がついたのは村の上空だったんです。


「ただいまーっと。」

もう既に夕方だ。

父さん達も流石に帰ってるだろうし、外には誰も・・・いやシェリーが外にいた。

「おかえりなさい。・・・その子達ですか?」

「あぁ、銀みたいに言葉は話さないから念喋が必須だな。母狼はちゃんと言葉理解してたぞ。」

綺麗にシェリーの前に着地して、狼達の籠を下ろす。

すぐに母狼が先に出てきて周りを見渡し、鼻をクンクンしてる。可愛い。

そして、シェリーを見上げた。

「・・・なるほど、躾はちゃんと出来ますね。」

そう言ってシェリーが母狼の頭を撫でる。母狼は大人しく撫でられてる。

・・・道中で絶対に逆らわない方がいいリストのトップであるシェリーさんについては言い聞かせてあるからな。

「逆にこの子達は・・・。まぁ子供ですし、仕方ないですが。」

続いて飛び出てきた子狼達がシェリーに若干威嚇するように構える。

やめなさい、命を粗末にするのは。

シェリーが眺めるように目を向けると子狼達のしっぽが丸まった。・・・うん、理解してくれたようで何より。

「まぁ、母狼がちゃんとしてくれるだろ。・・・ついでに雷牙達にも紹介しておくか。」

「・・・この子達の住む場所はどうするんですか?」

「あ。・・・うん、雷牙達に場所貸してもらおう。」

流石に家の中で寝るのは狼達にストレスになりそうだ。

・・・いうて雷牙達のとこでも落ち着かなそうだが、人間が傍にいるよりはマシだろ。多分。


「雷風、ちょっと紹介したいのがいるんだが。」

「はい?」「・・・その狼達ですか?」

「あぁ、一応保護って感じで飼う事になったんだが。」

馬小屋の方に狼達を連れて行く。子狼達がシェリーにガクブルなので足取りが遅かったが。

「・・・雷風ちゃん、一応上下関係はしっかりしないといけませんよ。・・・元の姿になりなさい。」

「「はい。」」

おいやめてやれ。って思ったがまぁそうだな。

母狼はまだいいが、子狼達は完全に獲物を見る目になってるからな。今の雷風はめっちゃ普通に馬してるしな。

雷風達の体が変化していく、馬小屋ぎりぎりの体格になり狼達を更に高いところから見下ろす。

母狼すらもしっぽが丸まって、子狼達に至っては逃げようとして後ずさりしている。

まぁ、俺とかシェリーは見た目は子供と女だし、普段あんまり気配出してないからな。

でも雷風はまだその辺が出来ないから、見た目の威圧感と力の差が野生の本能でわかるんだろう。

「逃げんな逃げんな。別に取って食わねぇから。」

「思った以上にわかったみたいですね。」

「はぁ。」「・・・そんなに怖いんですかね?」

実感がねぇのはわかる。元々の姿を初見で見たら俺もどこの世紀末覇者とかが乗ってる馬だよってなるし。

「そんでこいつらをここの小屋の隅にでも住まわそうと思ったんだけど。」

「それはいいのですが。」「・・・この状態で大丈夫ですか?」

「・・・確かに?まぁ、慣れよ慣れ。」

「そうですか。」「我々は気にしない事にしますね。」

「ん、じゃあちゃちゃっと作っちゃいますか。」

また大工仕事だよ、まぁ仕方ない。

流石にもう逃げるのを諦めてる狼達の横で作業を開始する。

ついでにこの狼達の紹介とこの姿の雷風の紹介をシェリーに頼んで皆を呼んできてもらうことにした。

この姿の雷風を目の前にして狼達を待たせるのも酷だが、今なら子狼達がおとなしいのでチャンスでもある。

次々と現れて皆して狼達を撫でていく。子狼が可愛いから仕方ないね。

「いい子達じゃない、名前はもう決まってるの?」

「んー、俺が名づけちゃうと使役しそうで怖い。・・・まぁ母さん達に任せる。」

「ふーん。では母狼をミューに、子狼達を俺とセリーで名付けるか。」

「そうしましょうか。」

「・・・それにしても、雷牙達はこれで馬車引くだけなのか・・・。軍馬でも見たことないくらいだな。」

父さんが雷牙達を撫でながらそう言う。雷牙達のが背が高いので頭を下げてるのがあれだ、父さんも結構デカいのにそれだけで雷牙達の大きさがわかる。

「あ、そうだ。父さん今度雷牙達に乗ってその辺走ろうよ。馬乗れるでしょ?」

「まぁ、乗れるが・・・。この大きさは乗ったことがな・・・。」

「普通の馬と違って意思疎通が楽だし、むしろ乗りやすいと思うよ。」

親子で乗馬ってめっちゃ貴族っぽい。

「問題は。」「ないと思います。」

「そうか。・・・やばい、ちょっと年甲斐もなくワクワクしてる。」

「顔見ればわかるわよ。」

母さんが父さんの顔を見ながらそういった。確かにニヤついてるしな。

わかる。めっちゃわかる。出来ればでっかい槍か大剣担いで乗りたい。

それで敵陣突っ込んで無双したい。

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