227
誰かに体を揺すられ、静かに意識が覚醒する。
「・・・ん、・・・起きる。」
ざっと周りの気配を探りながら体をゆっくりと起こす。
・・・なんかめっちゃ寝た気がする。空白の時間が多いような・・・。・・・慣れない旅で思った以上に疲れてるんだろうか。
昨日はいい感じにメルと話が出来たきがする。
「いつもの時間に起きてないのは珍しいですね。・・・だから起しに来たんですけど。」
「んー、思った以上に疲れてるかもしれんな。」
「調子に乗って変な事してるからですよ。」
「かもしれん・・・、いや変な事してねぇし!てゆうかシェリーいつもこの時間起きてるのかよ!起きてこいや。」
シェリーが起こしてくれたのはいいが、こいついつも起きてはいるが起きてこないのか・・・、もう少し頑張って。
「起きてますよ?起きてマスターが活動してるのを横目に微睡むんですから。」
「それは職務怠慢では・・・?まぁいいけど。」
テントの中で騒いでもあれなのでシェリーと共に外に出ることした。まだ皆寝てるしな。
「おはようございます。」
「ん、おはよう。」
エルと挨拶を交しながら軽く体を動かす。
エル達のテントからルクが出てくるのが見える。
既にフランは起きているので寝ているのはヒューイ組か。
頑張れと思ったが、割りとこっちのやつらは規格外だった。
「予定では今日の昼くらいにつくが、・・・村に近くなるし、今日は魔法の訓練やめとくか。」
「まぁ、それがいいんじゃないですか?森の魔物を下手に刺激してもあれですし、・・・今更ですけど。」
「森の魔物間引いてもいいかもしれないけどねー、そろそろ村が近いから森の入口付近の魔物はいないかなー。」
「んだな。村の近く魔物がウロウロしてたら問題だしな。」
我ながら体操しながらシェリーとフランと話して目はしっかりとエルをロックオンしてるのは器用だと思う。
「基礎体力つけるのに馬車と並行して走らせるのもいいかもしれんな?」
「村が近いですし、それもいいですね。」
「んー、ただの平坦の道を走っても・・・。」
「森の中走るとか?」
「私はそれくらい出来るけど・・・、メル君が辛いんじゃないかな?」
「・・・候補としてはありだな。きつかったら馬車戻ればいいし。」
「わざわざ広い馬車から降りて森の中を並走するって考えたらシュールですね。」
「修行なんてそんなもんだ。」
シェリーに言われて頭の中で想像したが確かにシュールだ。いじめてるみたいじゃないか。
「・・・俺も一緒に走っとくか。」
「・・・それだと馬車が私とエルとルクだけになるので、すれ違う馬車に変に絡まれませんか?そうなったらめんどくさいんですけど。」
「・・・俺が居ても変わらんと思うが?んー、そう考えたらヒューイは馬車に置いとくほうがいいか。・・・特別メニューでもやらすか。」
「ふーん、色々考えてるのね。割りと勢いでやってると思ってた。」
「ノリと勢いも大切だが、根本的なとこは固めとかないとな。・・・おはよう。」
ルクがこっちの会話に混ざってきたので朝の挨拶を交わす。
それからルクはエルの手伝いをやりにいき、ヒューイ達も起き始める。
んー、俺も頭動かすより体を動かしたいな?
雷牙と風牙を誘って朝の準備運動をする。
まぁ、エルを眺めるのはいつでも出来るし・・・、てゆうか実家に帰ったらエルとルクとミューの三人のメイドが揃うな?三神合体とはこのことか・・・。
その様子を見ながらのんびりとか最高の一言に限るな・・・。
ティスカ公の城の広い食堂とかでこうせわしなく動いてる三人を見るのも捨てがたいが狭い素朴な家でってのもいいな・・・。いやその場合はエル単体のが映えるか・・・?
「ふっ・・・!」「はっ・・・!」
「・・・コンビネーションはいいけど、攻撃が途切れるのはよくないぞ?相手が離れそうになるならそれを阻止する為に魔法も使ってけ、途切れない様に攻撃加えれば大抵のやつなら10分後には死んでるからな?」
「くっ・・・!」「っ・・・!」
2頭の攻撃を受け流しながらアドバイスを飛ばす。
この二頭の強みはお互いのことがよくわかってるってとこだ、連携に途切れがない。
そこを生かすため、ずっと張り付いて攻撃出来るようにうまいこと魔法も織り交ぜてやってほしい。
・・・俺相手じゃないならいけるのか?てゆうかある程度のやつじゃないと貼り付く前に倒せそうだからなんとも言えんな・・・。




