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俺が名前をつけてもいいのだが、愛着を持って欲しいので武器の名前は皆それぞれで付けて欲しい。
【双牙:絶空】とか【神無・十二支】とか【リトルバード】とか【子阿修羅】とか色々考えついたのだが、まぁここは皆に任せよう。
早速新しい武器で遊び始めるハピとメルを尻目に一応今後の予定を考える。
今のところは順調といったところだろう。
問題点としては、あいつらの動向。
こちらからうかつに手出しは出来ないとしてもなんらかの対策は必要だろう。
…村についたあとの事も考えなきゃならんしな。
それに姉ちゃんのプレゼントも作らんといかん、…まぁこれは今サクっと作ってしまおう。
このくらいか、後は臨機応変に柔軟な対処をするだけだな。
「…あれ?まだやるんですか?」
「あぁ、姉ちゃんのやつをな。」
「そういえばありましたね…。」
そう言いながらシェリーがチラリとフランの方を見る。
現在フランはハピのお守りの最中だ。馬車から飛び降りて脇差を振っているハピを心配そうな顔で見ている。
「…そうか、フランにバレないように作らないとな。」
「身内だからって滅多なもの作らないでくださいね、程々に。」
「わかってらぁ!」
こそこそと宝物庫から自分達でとった鉄の塊を取り出し、錬金を施す。
エルとルクがこちらを見てきてたがシーっと指で静かにしておくように促す。
エルはわかったって顔してたがルクがにんまりと笑ったのでシェリーの方を軽く見てやるとそれだけでわかったって顔になる。まぁ、シェリーさんの方が信用ありますよね。
形はブレスレットとして考えてたのでそれで決定、肝心の効果はどうするかと言うと。
「あぁ、そういう効果なら大丈夫でしょう。容量を間違えなければ…。」
「ん、まぁ程々にしておくわ。」
シェリーさんの許可も出た。大丈夫だろう。
魔法使いは魔力切れが一番怖いだろう。なので自分の魔力を貯めておけるようにしてみました。
具体的に最後に見た姉ちゃんの魔力の三倍程、数値で言えば900くらいか。
「…ちょっと多い気がしますが、…まぁいいでしょう。」
「うせやろ?これでも多いんか…。」
普通の魔法使いの魔力がわからん…、まぁ許可が出たのでいいだろう。
「…誰かにプレゼントですか?」
「まぁ、ちょっとな。」
「まだ別な子がいるの?シェリーさんが許してるのがわかんないけど。」
「まぁ、ちょっとな…。」
「如何わしい物じゃないので大丈夫ですよ。」
こそこそとエルとルクがブレスレットを見ながらそう言う。
如何わしい物ってなんだよ、これには遺憾の意を…。
と、ここでフランがこちらを向いたのでサッと宝物庫にブレスレットを放り込む。
「…。」
「どうかしたか?フラン。」
「ううん?なんでもないよ…。」
一生懸命シラを切ったのだが、若干疑われてる感じがする。
「それよりハピの野郎が森に突っ込んでいきそうなんだが。」
「野郎って…。ちょっとダメでしょ!一人で森は危ないって!」
ナイスタイミングだ、ハピ。慌ててフランがハピを呼び止める。
しかし、マジで突っ込んでいきそうだったな、あいつ。
とりあえず後々の事も考えて、面倒になる前に寝かすか。




