外伝4
(あ、鳥さんだ。…次のとこは友達出来るかなぁ?)
ぴゃーぴゃーと変な鳴き声をあげる鳥さんを見ながら馬車に揺られ、フランはそんなことを思った。
ココリ村と言うとこにいくらしい、両親の昔馴染みがいるらしく、その伝でそちらに住むことになった。
前の村ではフランはイジメられていた。
はっきりとしたイジメではなかったが獣人族が珍しいらしく、仲間にいれてもらえなかった。
フランが可愛かったのでそれに嫉妬してるのもあっただろう。
「そろそろ着くぞー、この辺りに住むんだから周りの景色見ておくんだぞ。地形覚えるのも狩人の仕事だ。」
父親の声が聞こえる。フランもまだ狩人見習いだが将来は立派な狩人になるべく、正名の儀式を終えてからは父親の仕事を手伝っていた。
周りを見渡すと一面に畑が広がっていた。自然も豊かで村人が元気よく働いてる姿が見える。雰囲気はいい村だとフランは思った。
「ここが今日から住む家だ。」
「手続きとかあるからフランは遊んできなさい。森には近づいちゃダメよ。」
「そうだな、これも訓練だと思って村の中を見に行ってきなさい。」
「はい…。」
両親は村の人と難しい話をするらしくフランは一人外で遊ぶことに。
はっきりいって嫌だった。またここでもイジメられると思ったら足がすくんでしまう。
ふらふらと村を歩く、村人達がこちらをチラチラみるのがわかる。
(うー、嫌だ。)
こそこそと村の中心から遠ざかっていく。実際村人達は可愛い獣人の子が珍しかったので見ていただけである。
(…たくさんいるなー。)
自分と同じくらいの子達が畑を駆け回っていた、その中でも一際可愛らしい子がいた。
(あの子可愛いなぁ…、私なんかとは大違い…。)
その可愛らしい子はラニなのだがこの時のフランはまだしらない。卑屈になっているフラン。
すると子供達はフランに気づいたのかこっちを見ている。知らずにフランは村から遠ざかるように駆けていた。
(無理、怖い。)
前の村での恐怖心からか子供達から逃げてしまった。脇目もふらずに走っていたらどこにいるのかわからなくなってしまった。
(…どこだろ、ここ。…迷子?)
キョロキョロと周りを見渡し、見覚えのある場所を探そうとするが周りは畑ばかりだった。
(…迷っちゃった。)
ゆっくりと歩きながら自分の持つ力を使い周りの音を探す。
(…声が聞こえる。…歌?)
その声の方に足をむける。聞こえてくる歌は次第にはっきりとしていった。




