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「やった!」

待ちに待った魔法が使えるようになる、私はお姉ちゃんの腕をつかみながら嬉しがった。

お姉ちゃんは困惑した顔でこちらを見ていたけど気にしてられない。

昔の事を思い出す。あの時私達は前の主人と一緒に震えているだけだったがこれであの時助けてくれた人達みたいに魔法を使う事が出来る!

これでお姉ちゃんを守ってあげれる。…ここにいる間はあいつが守ってくれそうだけど、自分で守れる力があってもいいはずだ。

「さぁ、勉強の時間だ。」

そう言ってあいつがカッコつけて机の前に立つ。少し様になってるのがちょっとムカつくけど、ちゃんと教えてくれるなら文句ない。

私とお姉ちゃんとフランさんが同じ机に座り、向かい側にハピとヒューイさんとロイさんとメル君が座っていく。シェリーさんはあいつの隣で同じように私達に教えれるように待機している。

「さて、言っておくが俺の魔法の教え方は普通じゃねぇからな。自己流も自己流。だが、間違ってないと思われる。」

若干自信がなさそうなあいつの声がする。

「言うて、俺は初心者用の本は読んだが他は自己流でやってきた。…俺が出来るんだからお前らも出来るだろう。」

…こいつは自分がどれだけ才能があるのかわかってないのだろうか?あれだけの事が出来ているのに私達と一緒なんてあるわけがない。…挫折とかしたことなさそうだなー。

そう思いながら話の続きを待つ。同じように皆静まり返ってるので同じ事を考えてそうだ。

「まず、お前達には魔力をコントロールすることを覚えてもらおうかな。」

そう言いながら私達の机の前まで進んでくる。そして、足元の土を拾いフランさんの前の机に置く。

お姉ちゃんの前に来ると何もない空間からコップを出し、その中身を水で満たす。

私の前には油の乗った小皿、それに紐を入れ、火を着ける。

ハピには棒切れに布をつけたものを。

ヒューイさんには私と同じ物を。

ロイさんはお姉ちゃんと同じ物を。

メル君にはハピとお姉ちゃんと同じ物。二つが置かれた。

全員困惑しているようであいつの話の続きを待っている。

「これはお前達の得意な…、いや素質のありそうな魔法を訓練するための道具だ。聖魔法と闇魔法は除いてだけどな。」

つまりは、フランさんは土、お姉ちゃんとロイさんは水、私とヒューイさんは火、ハピは風、メル君は風と水。ってことだろうか?

「質問は後にしてくれな。最初にやり方だけ説明しておくから。…まずフランからだが、その土に魔力を通して自在に操れるようにしてくれ。…こんなふうに。」

そういってあいつは足元の土をまた一掴みして、それを手のひらに乗せる。

するとその土がもぞもぞと動き出し、瞬く間に小さな椅子の形に変わった。

「次に水魔法、エルとメルだな。…同じようにそのコップの中の水を操れるようにしてくれ。」

椅子になった土を無造作に地面に捨てたあいつが次にコップを出し、その中に水を注いだ。

コップを両手に持ち、微動だにさせてないのに中の水が暴れるように空中に浮かび上がり、そしてコップの中に戻っていった。

「んで次はルクとヒューイな。まぁ、これも同じなんだがその火を操ってくれ。」

コップの水を捨て、コップと入れ替えに木片に布を巻いたものを取り出し、そこに油をかけ、食事の時に起こした火の方まで行き、それを燃やした。

今まで何やってるのか全然わからなかったけど、今度は私の番だ。ちゃんと見て、やり方が少しでもわかるようにしなくちゃ。

その炎はまるで生きている様に、鼓動するよう、脈動するように、大きさを変える。そればかりか松明から火の塊が空中に躍り出るように動いた。

…全然さっぱりわかんない!

「んで風なんだが、その旗を動かしてくれ。周りの空気を使ってな。」

だんだん雑になっていく説明を聞きながらあいつが次に起こす行動に目をやる。

松明を元々の火があった場所に無造作に放り込み、布切れを取り出す。

それがバタバタと風を受けてはためく、周りには風なんて全然吹いていないのに。

「こんな感じだな。…さて、これで説明は終わったわけだが…。質問は?」

「…質問も何もやってることが意味わかんねぇんだが。」

「大体魔力って何よ…。」

ヒューイさんに続いて私も思ったことを口に出す。あいつは天才だろうからすんなりとやってるが私達凡人にわかるようにちゃんと説明して欲しい。

「マジで?…あれ?俺難しい事言ってる?」

「…一応口を挟まないようにしようと思いましたが、かなり難しいでしょう。」

あいつがシェリーさんに確認すると、シェリーさんが頭を抱えながらそう言う。

シェリーさんが言うなら難しいんだろう。…シェリーさんが教えてくれた方がいいんじゃないかな?

「あっれ、マジか…。元々あるもの使った方がやりやすいって思ったんだけど。」

「完全に応用の域に入ってますから。…普通に教えましょう。」

「うーむ。こっちの方が上達早そうなんだがなぁ。」

「上達する前に挫折するのがオチです。マスターに変わって私が教えますね。まず魔法そのものを出せるようにしましょうか。」

あいつが驚愕と言った顔でシェリーさんと会話している。…自分で教えるとか言っておいて結局シェリーさんが教える事になった。

若干涙目で自分が出した道具を片付けるあいつを横目にシェリーさんの話を聞いていく。

シェリーさんの話はわかりやすく、少なくともあいつみたいに説明不足なんてことがなく、質問したらちゃんと解説してくれるし、自分でも魔法ってのがなんとなくでもわかった気がした。

ちょっと補足ですが、この世界の魔法は元々の物に干渉する形でも発動出来ます。

さらっとリードが土の椅子とか作ってるのは元々地面にある土をある程度使って椅子の形を作ってます。リードは地面からの土魔法は大抵この方法でやってます。

逆に水魔法などは魔力を変化させて水にしてやってるんですが、これも元々ある水を使いそれに干渉することでそこから魔法を作り出す事が出来ます。

つまり、その元々あるものに干渉して魔法を作る事をリードは教えるつもりだったんですが。難易度が段違いに高いです。

自分の魔力で作った物を自分の魔力で動かすのは魔法を使うのに普通の魔法使いが当たり前にやってることです。

リードの方法では確かに魔力をコントロールのが上手くなりますが、魔法より魔力そのものが全然わかってないルク達には無理でしょう。

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