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咄嗟の事だったので少し反応が遅れる。

いや、いつもこんな感じで模擬戦も始まるので問題はないだろう。

右手に持ったままの阿修羅丸を逆刃に構えて銀を迎え撃つ準備をする。今は刀身を魔法で覆うことすらもロスになる。

俺の反応速度を持って完璧に飛び込んできた銀へとカウンターを合わせる。

「くっ…!」

ニヤリと銀が笑ったきがする。その瞬間に魔力の反応、場所は…銀の真上!

しかし、とりあえずはそれを無視。俺の場合魔法は相殺すればいいので問題はない。

それを銀もわかってるはずだが…。

「…ッ!」

銀の真上から風の魔法が炸裂する。それは真下の銀に向かって、銀の体を地面に叩きつけるように。

完璧に合わせたカウンターは銀の強引な機動修正によって躱される。銀にもダメージは入ってるはずだが、自分で魔法を喰らう覚悟からしてそれは些細なことだろう。

合わせたはずのカウンターを躱され体が泳ぐ、そこに地に足をつけ力を込めた銀の頭突きが俺の体を吹き飛ばす。

「ぐっ…!!」

数メートル飛ばされ、木にぶつかる。

「…初めてまともに攻撃が入った気がします。」

「あぁ…、今のは流石に効いたな。」

効いたってもんじゃない。強化もしてない子供の体で今のは致命打に近い。

元々銀はあまり魔法を使う事はしない。模擬戦ではほぼ見たことがない。なので意識の外に置いていた…、いやこれは言い訳だろう。銀は本気なのだから。

追撃が来るかと身構えていたが、そのつもりはないらしい。…なるほど、今の状態の俺だと銀も本気にはなれないってことか。

「悪いな、ちょっと惚けてたわ。」

「いえ、今のは主様をその気にさせる為の攻撃ですから。」

とはいえ、今のパターンはもう使わせない。こちらも本気の銀を向かい打つ為にどんどん魔法を使うとしよう。

無言で銀の真後ろから水の槍を飛ばす、これは躱される。

つづいて土の壁を着地した銀の周囲に出現させる。これも土の壁を壊される形で突破される。目的は視界を一瞬でも防ぐ為、その間に気配を消し去り少し移動、治癒魔法による回復と気功による自身の強化。

完全に気配を消しているはずだが既に銀はこちらに向きを整える…、匂いか。

「チッ…。」

だが、ここまでは想定内。こちらの大体の位置はわかっても完全にはわからないだろう。

銀には悪いがここからは一方的にやらせてもらおう。

風の魔法を使い、銀の後ろにある木の葉を少し揺らす。…動じない。

それどころかこちらに向かって口を開け、掛けてくる。これはブレスが来る。

俺に向かって一直線にブレスが吐かれた。

「匂いじゃねぇのか…!」

完全に捉えられている。これは逃げてもしょうがなさそうだ。

銀のブレスは俺の魔法遮断では防げない。咄嗟に火魔法を発動させ、銀のブレスに対抗するように展開する。

「…流石につええよ。」

思わず呟いてしまう程に銀は俺を倒そうと本気で向かってくる。

とはいえ、この状態ならば俺の魔法と銀のブレスは拮抗している。

俺ならば複数の魔法を扱えるが銀のブレスはあくまで銀の口から吐かれるものだ。つまりこの状態ならば俺は銀に向かって魔法を連発することも自分をさらに強化することも可能だということだ。

流石にここからは一方的な展開だろうと、一瞬気を抜いてしまった。

銀のブレスの威力が弱まる。流石に疲れたかと思いながらも【ファイヤービーム】を弱めずにこのまま銀のブレスを押し切り、銀が避けたところを仕留めにいけばいいと阿修羅丸に魔法でコーティングする。

瞬間、炎の向こう側の銀の気配がブレる。

気配が二つにブレると同時に俺の視界の端に銀の姿が映る。

まさか移動したのか?いや、ブレスは俺の魔法を押す形で展開されている。

てことはこれはブレスじゃなくて火魔法なのか?いや、それなら俺がわからないはずがない。

混乱する俺をあざ笑うかのようにまたも炎の向こう側の銀の気配がブレる。視線は俺に向かってくる銀の方に向けているが、これは異常だ。何が起こってるのかわからない。

それこそが銀の狙いだと言わんばかりに今度はブレスを吐いている銀の上空、そこからも火の塊が渦まいてこちらに向かってくる。

咄嗟に水の壁を上空からのブレスに向かって展開する。その間も別方向から銀はこちらに駆けてくる。

それを向かい打つようにし、構え、カウンターを加えるように阿修羅丸を掲げ。

飛び込んでくる銀の足元から突き出すようにして土魔法【グレイブ】を放った。

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