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(キタ!猫耳美少女キタ!!)

(マスター…。)

思わずシェリーに話しかけてしまうほどテンションがあがる。シェリーのジト目が辛い。ありがとうございます。

(あれは獣人族ですね。見ない顔ですが…。)

(なんだっていい!猫耳少女と仲良くなるチャンスだ!)

ラニは天使だけどこの子もすごい、美少女度93くらい。田舎の芋っ子達じゃ束になっても勝てそうにない。


「ありがと、この辺の子じゃないと思うけどどうしたの?」

お礼をいいながら訊いてみる。赤毛のショートヘアーで前髪を横で紐みたいなので止めてる、二次元にいそうな髪型だ。

「あっ、ごめん、なさい。ここにきた、ばっかりです。」

じっと聞いてるだけで済まそうとしたしてたらしくちょっとびっくりしてる。さすが俺の歌、感動させて自然に拍手させるとか、さすが俺の曲。

共通語になれてないのかちょっとたどたどしい、それぞれ大陸別に言語があるので本当にまだ来たばっかりなのだろう。

「いいよ、俺の歌も人に聞いてもらった方が嬉しいだろうしね。」

ここぞとばかりでイケメンスマイルでイケメンが言いそうなこと言っておく。

「すごく、綺麗な、歌でした。」

思い出してるのか笑顔になる女の子、かわいい。

「俺の名前はリードっていうんだ。リーって呼んでくれ。」

「わたし、フランシスっていいます。フランって呼ばれてます。」

「そうか、よろしくな、フラン。」

吸血鬼なの?と思いながら挨拶を交わす。

「よろしくです、リー、さん。」

「さんはいらないかな?もう友達でしょ?」

「はい、リー。」

あーもーかわいいなこの子と思いながらシェリーも紹介しとく、

「こっちの妖精はシェリー、まぁ友達みたいなもんだ。」

「はじめてみました、よろしくです。シェリーさん。」

「よろしくフラン、私もシェリーでいいわよ。リー君の恋人です。」

そんなこと言ってるシェリー、たくましいなこいつ。フランがびっくりしてる。

「はい、このように妖精は人を騙すことがあるので気をつけましょう。」

「シェリー、おもしろいです。」

「そう思うならそうなんだろうな、君たちの中ではな。」

ちょっと機嫌が悪いシェリー。歌の邪魔されたからか、いいじゃねぇか猫耳だぜ?

「フランはどうしてこんなとこにいたんだ?」

「道に、迷っちゃって、歌が聞こえたから、こっちにきた。」

「そうなのか、この辺りは危ないからあまりこないほうがいいぞ。」

「リー、人のこと言えない。」

「この人はちょっとおかしいんですよ。気にしないでください。」

トゲトゲしいシェリー、おかしくない?


そのあとも色々と話をしていた。どうしてこっちにきたとか、耳はちゃんとしてるのかとか、しっぽはあるのかとか、耳を触ってもいいかとか、しっぽ触ってもいいかとか。

耳に関しては第二の耳らしくちゃんと聞こえるし、動かせるらしい。しっぽもちゃんとあるらしいが触らせてくれなかった。耳はもちろん触った、昔の世界の猫を思い出す。

「あんまり、触っちゃ、ダメです。」

「あぁ、ごめん。気持ちよくてつい。」

「…盛りのついたオス猫かよ。」

おい、シェリー聞こえてるぞ。ムツなんとかさんみたいによーしよしよししたかったけどさすがにあかん。

「あとでシェリーは覚えておくように。」

「なんにも言ってませんよ?」

笑顔で言っても騙されないぞ。いやかわいいけども。

「シェリーとリーは、仲良しさんです。」

そりゃ、使役してるしね?多少はね。


美少女と話せるチャンスとばかりその後も色々と話しをしていたら、

(マスター。)

(あぁ、ちょっと気を抜きすぎたな。)

森の方から魔物と思われる気配がする。

さすがに俺も会話中に気配消すなんてこともしてなかったし、ましてやフランはただの子供だ。魔物にとっては食べ物なんだろう。

「ちょっと、まずいことになったな。」

「…どうしたました?」

何も気がついてないフランが首をかしげる。かわいい、じゃなくて今は向こうに集中。

「私がやりましょうか?」

「いや、俺も魔物には興味あるしな。初陣にちょうどいいんじゃないか?」

「そういえばそんななのにまだ戦ったことなかったですね。」

「どんなのだよ。さすがに全力は出さねぇよ。」

「地形変えるつもりですか?当たり前です。」

「…あの?どうかした?」

シェリーとやり取りをしてると不安そうな顔を向けるフラン。かわいい、じゃない。

「魔物が来ちゃったみたいだ。」

「えっ!?早く逃げないと!」

慌てて村の方に向かおうとするフラン。

「いやもうすぐそこだ。俺はともかくフランの足じゃ逃げきれないだろ。」

「そんな…。」

「大丈夫、シェリーもいるしね。ちょっと怖いかもしれないからそこにいて、大丈夫って言うまで動いちゃダメだよ?」

「…リーは?」

「男なら戦わなくちゃね。お姫様を守るのはいつだって王子様さ。」

ヒュー、イケメン。シェリー呆れないで。

「わかった。待ってる。シェリー助けて。」

「大丈夫ですよ。万が一にもフランに魔物がくることはないでしょう。」

森から魔物が出てくる、フランがその姿を見つけると、顔をこわばらせる。

「さーってお姫様を怖がらせる奴は懲らしめちゃおうねー。シェリー、いくぞ。」

「はい、マスター。」

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