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「なにいってだこいつ。」

「いやー、なんか皆がお前の本気見たことないって話になってな。俺も一武人としては気になるじゃん?」

「ほー、なるほどなるほど…。」

そう言いながら頭上に隕石を三つ程浮かべ、ついでに水龍も浮かべてみる。

「模擬戦っつってんだろ!戦争するつもりかよ!」

「冗談だよ、冗談。魔法使って本気出したらどうなるか俺もわからんからな。」

そう言って頭上の物を消す。流石にこんな魔法使ったらおっさんが消し飛ぶどころの話じゃない。銀なら直撃喰らっても耐えれそうだが、人相手に使うような魔法じゃないからな。

「その辺の魔法禁止の純粋な模擬戦ってのはどうだ?」

「もうやることになってんのな。」

「まぁ、お前も気になるんだろ?その顔は。」

確かに、自分でもニヤついてると思う。前は本気で動いて自爆したが、その対策を施したらどのくらい動けるのか。自分でも気になってる。

「攻撃魔法は使わねぇけど、他はいいよな?」

「そのへんは任せる。」

「おっさん酔ってるけど大丈夫なん?」

「このくらい飲んだうちに入んねえよ。」

「確かにシラフでも同じこといいそうだしな。」

話がまとまってきてると見たのか周りの人々が騒ぎ出す。シェリーが興味なさそうに、銀が興味津々に聞いてるのが見える。

「それで俺一人っつうのはきついからクラウとレイでのパーティーで挑もうと思うんだが。」

「ほうほう…。いや、それじゃあ足りねぇな。銀とシェリーもそっちもってけ。」

「ちょっと、何勝手に巻き込んでるんですか。」

「主様一人でやるんですか?」

ついでとばかりにシェリーと銀も巻き込む。フランも戦力としては数えれるが、流石に初めてで連携は取れないだろう。同じように雷牙と風牙も除外。シェリーは一度パーティー組んでるのも言わずもがな。銀はどちらかと言えば周りを見て動けるので即席でも大丈夫だろう。

「あぁ、遠慮なしので本気でいいぞ?俺は無効化するから、シェリーは魔法使っていいしな。」

「それはいいんですが。…まぁ無茶しないならいいですよ。」

「任せろ、今回は初の試みだが対策は練ってある。」

「主様の本気…、手は抜けませんね。」

「…。いや、試みが上手くいかなかったらきついんだけどね?」

ちょっと心配になってきた。大丈夫だよな、俺。調子に乗ってシェリーと銀まで相手ににするとか言っちゃったけど。

周りがかなり賑やかになってきて既に賭けも始まってる模様。シェリーと銀がティスカ公パーティーに追加されたことで俺のレートが下がったがまぁそんなもんだろう。

「おし、決まったな。」

「マーカスがめっちゃ頭抱えてるけどいいんか?」

「気にすんな。…そうだな、ちょっくら装備を取りに行かねぇとな。」

そう言いながらティスカ公が足取り軽く城の方に向かっていった。確かに酔ってはいないみたいだ、むしろ話がまとまったんで酔いが飛んだのだろうか。

「あの人があんなにウキウキしてるのは久しぶりですわ。」

「…そういいながらもクラウ婦人もウキウキじゃないっすか。」

「あら、わかる?あれだけ大口叩いたんだからダンジョンの時よりも動きはいいでしょう?…楽しみだわ。」

クラウ婦人が言ってるのは多分銀と暴れた時のやつだろう。あの時はお世辞にもいい動きをしてたとは言えないからな。

「善処しますよっと。」

その言葉を聞いて満足げにクラウ婦人も同じように装備を取りに城に戻っていった。

「私が言うのもなんですけど、いいんですの?」

「全然余裕…じゃないけど、大丈夫だと思う。俺の事よりもレイは本気でいかないと多分ついてこれねぇぞ?」

「それはわかってますわ。お父様とお母様も本気で動くと思いますし、何よりシェリーさんと銀ちゃんがいますからね。」

「ついていくので精一杯かもしれんが、巻き込まれたからしょうがないな。」

「違いますわよ?自分から頼んだに決まってますわ。」

そう言うレイの目はギラついて見えた。間違いなくティスカ公とクラウ婦人の血が混ざってますわ。

「今はついていくので精一杯でも、こんな機会滅多に。いえ、一生ないことですわ。」

「…そうだな。俺も期待に添えるように頑張るか。」

これであっけなく負けたらカッコ悪いにも程がある。準備運動を念入りに行いながら城に装備を取りに行くレイを見送った。


「まさかこんなことになるなんてねー。」

「いや、俺もびっくりだけどね?」

「僕、リードが戦うとこ初めて見るよ!強いんだよね?楽しみだなー!」

「企み次第ではあるが、いい勝負になると思うぞ?」

フランとハピが交互に話しかけてくる。シェリーと銀はティスカ公達のとこで作戦会議中だ。

最初から話があがってたかのように着々と準備が進んでおり、既に椅子などが一列に並べられて観客席が出来上がっていた。話がかなり広がったのかかなりの人が集まってる。その前に大盾を構えた兵士たちがも並んでるので、万が一流れ弾が飛んでも大丈夫なように配慮してある。そんなことはないと思うが。

実況席まで用意されており、拡声器のような物を机に置き、ウォードが喋ってるのが聞こえてくる。俺のギターみたいな効果がついてるんだろう。声がよく響く。

「確かにリード君の実力は未知数ですが、相手はティスカ公パーティ、そして銀さんとシェリーさんの強力な助っ人。これは流石のリード君もどう動くのか、楽しみっすね!」

「…どちらも怪我のないようにしてもらいたいものです。」

テンションが高いウォードと対照的なマーカス。確かに冷静に見れる実況として適切なんだろうけど、…マーカスすまんな。

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