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「もー!びっくりしたよ、いきなり精霊呼び出すんだもん…。」

「まぁ、あの場はあれが正解だっただろうし。フランにも言ってただろ?」

「それは知ってたけど、うー。…挨拶出来なかったなー。」

「それはまたの機会でってことで、な?」

「もー、リー君は色々雑すぎるよ…。」

フランの小言を聞き流しつつ城に戻る。銀は街中なので喋れないがいつものことですねって顔でこちらを見ている。

まぁ、これでやることも済んだだろう。そろそろ城に戻って出発の準備をしなくちゃいけないわけだが。

「…あっ。」

「どうしたの?」

「いや、そういえば仕立ててもらってるエル達の服があってな。…あれからまだ二日しか経ってないんだけどどうすっかなー。」

色々なことが起きて忘れててたが、あれは絶対にいるものだ。メイド服。

もう料金も払ってるので今度また取りにこればいいんだが。

「ふーん、エルちゃん達に服買ってあげてたの?」

「一応俺のメイドだからな。ちゃんとしたもの着て欲しいからな。」

「今エルちゃん達の着てるのってお城の服だっけ?」

「そうだな。仕事着は貸してもらってるやつだな。」

エルとルクには部屋着は買ったやつを使ってもらってるが仕事の服はメイドとして城の制服を着てもらってる。

流石に部屋着のまま仕事してもらうわけにもいかないのでいいんだが、やっぱり俺も認めたあのメイド服が欲しい。

「てことでちょっと寄ってみるわ。一週間かかるって言ってたし、一応だけどな。」

「えぇ、それはちょっと早いんじゃない?」

「物は試しってな。」

呆れた顔したフランと銀を連れて服屋のある通りの方に向かう。


「それでしたら既に一着分は出来ておりますが、如何なさいますか?」

「なんと。」

ダメ元で店の店員さんに聞いてみたら既に出来ているらしかった。

「職人さん達が久しぶりに手間のかかるいい仕事を貰えたと言って張り切ってらっしゃいましたので、満足そうに作ってましたよ。ただ…。」

「ただ?」

「服の部分は出来ておりますが、付属品の方がもう少々かかりまして。」

「あぁ、なるほど。」

カチューシャとかあったなそういえば。あの辺は一セットあればいいと思って一つしか注文してなかったが。

「ふーむ。いや、全然大丈夫です。服さえあれば問題ないです。」

「よろしいのですか?あれは全てセットで映える服装だと思うのですが…。」

「よくわかってらっしゃ…。いや、なんでもないです。…こちらで用意しますんで大丈夫ですよ。」

「ふむ。そうなるとキャンセル、ですか?」

「いえ、もう料金も払ってますし。そちらは残りの2着と付属品をお願いします。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」

そう言って店員は奥に引っ込んでいった。服を持ってきてくれるんだろう。

暇なので店内を見渡すとフランが小物が置いてあるとこを見ていた。銀は店の前でお留守番である。

「…そーいえば、フランは髪型変えてないよな。」

「えっ、うん。そういえばリー君にあった時から変えてないね。」

フランが見てた物は髪を括るための紐だった。あったときからフランは前髪の一部を紐で括ってる。結構おしゃれポイントなのか時々紐は変わってるが髪型はずっと一緒だ。

「なんかこだわりがあるとか?」

「そうじゃないけど…。あんまり長いと動きにくいから、…耳がくすぐったいし。」

「あー、確かに。それはありそうだ。」

猫耳の方に髪の毛がかかったらそりゃくすぐったそうだ。だからショートヘアーなんだな。

「うーん。これなんていいんじゃないか?」

鮮やかな空色の紐を手にとってフランの髪に近づける。

「えっ?」

「うん、よさそうだ。これもついでに買うか。」

フランの前髪に少し巻いてみる。赤髪にいいアクセントになってるな。

「えぇ、そんな…見てただけなのに。」

「ついでだしな。」

そう言って紐を取ってちょうど出てきた店員さんの元に向かう。

ついでに目についたカチューシャっぽい装飾品を2つ手にとる。これを錬金で加工して自分で作ればいいか。銀製だから値段が貼りそうだが、元のも銀製だしいいか。

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