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「話は聞いてたつもりなんだが…、全然意味がわからないな。」

「まぁ、そうなりますよね。」

「…つまり、リード君は…、ごめんなさいね。ちょっと整理させてちょうだいね…。」

「まとめるとただの強い人ってだけなんで、そんなに考える事ないっすよ。」

ミストとアンジュが大分混乱している。レヴに至ってはヒックスが来てから物凄く窮屈そうだ。

「ここまで言ってしまってよかったんですか?」

「かなり怪しまれてたみたいだからな。それなら言っちゃった方がいいだろ。魔法ぶっぱなされるとは思わんかったけどな。」

「リー君の行くとこはトラブルばっかりだよー。」

「逆に考えるんだ。それでもいいさってな。」

銀に心配され、フランが諦めたように何か言ってくる。

能力そのものがトラブルみたいなもんだし、しょうがない。

「まぁ、…この力のおかげで、と言いますか。今回ちょっと魔族に狙われてましてね。ここを戦場にしたくないんでここを出て行くと。その別れを言いに来たわけですね。」

「…魔族、か。」

「大丈夫なの?」

「えぇ、それなりに対策は伝授しましたし。相手も俺一人の為に戦争起こすなんてアホな事はしないでしょう。」

後半はちょっと自信ない。俺一人云々は置いても現状他のところが魔族に襲われてる状態だからな。いつ戦争勃発してもおかしくないだろう。

「そうじゃなくて…、リード君自身は大丈夫なの?」

「ふぇっ?」

アンジュに真顔で心配された。

今までそうやって真剣に心配されたことがなかったのでかなり面食らってしまった。

「まだレックスとそんなに歳も変わらないでしょ?それなのに…。」

「あ、あぁ。さっきも言ったようにちょっと俺規格外なんで…。」

「いくら魔力が高くても、強くても、まだ子供なんだから…。」

すいません、中身は貴方達より年上です。とは言えない。

「大丈夫ですよ。…俺には銀達がいますから。」

そう言いながら銀の頭を撫でる。

「主様を子供扱いするのはちょっと違う気がしますが…。」

「んー、リー君ってその辺の大人より大人って言うか…。子供っぽいとこもあるんだけど、んー。」

「…ほら、この通りですよ。」

「そ、そうなの…?」

まぁ、銀達みたいに扱ってもらったほうが楽ではある。…年相応な事ってなんだ。全然わからんぞ。

「…なぁ、そろそろ帰ってもいいか?私がいる必要がもう…というか最初からない気がするんだが。」

「あぁ、忘れてたわ。…そうだな、帰っていいぞ。」

「貴方、王に向かってそれは…。」

それまで黙って聞いてたヒックスが突然口を開けた。言われてみればいる必要が全くないな。レヴがこちらに何か言ってくるが気にしないことにしよう。

「次に呼ぶときは…、そうだな。きっと仕事があるから。」

「…期待せずに待っておく。」

そう言ってヒックスは帰っていった。

次に呼び出すときは皆の訓練の相手として呼び出そう。それなら退屈しなさそうだ。

「…もう訳がわからないわ、私も帰ります。」

「あぁ、そうだな…。」

ミストにそう言ってレヴも消えていった。キャパオーバーしちゃったか、仕方ないね。

「それで…、ええっと、このあとはどうするんだい?」

「昼過ぎにはもう町を出てますよ。行き先は決めてませんけどね。」

「そうなのか…。いや、朝からどっと疲れが出たな。」

「まぁ、そうなりますよねぇ。…もうギルドに誘わないでくださいね。」

「無理だろうな。実際どこまで話が本当かは置いて、先ほどの精霊だけでも十分危険だからね。」

ミストが即答する。あれだけでも十分に俺の力は伝わったようで何よりです。

「さて、あんまり長居してもあれなんで。帰りますね。」

もうここに居ても話すこともない。それに既に気まづい感じになってるのでさっさと城に帰りたい。

「…俺もリードくらい強くなれる?」

席を立って出ていこうとしたらレックスが俺の前に立ち、そう言った。

「…それはわからんな。俺くらいになれるかはレックス次第だ。…言っておくがお前は精霊の王様に褒められたんだぜ?」

「…うん!頑張る!」

かなり真剣な眼差しだったので流石に茶化せなかった。のちにレックスが大陸一の精霊使いと言われるようになるのは遠い未来の話、…みたいなモノローグが流れそう。

「主様くらい強くなったら逆に面倒なことになりそうですけどね。」

「確かに。どうやってもトラブルになっちゃうからね。」

「いい話で終わらせてよ、な?」

銀とフランがポツリとそんなことを言った。

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