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「いいのかの?こんな立派なところで食事を頂いても。」

「最初だしな。それに食事は多い方がいいしな。」

いつも通りの食堂だが、今日は人が多い。

都合4人プラスされてるからな。この広い食堂がやたら狭く感じる。

「…落ち着かねぇな。」

「別に食事のマナーなんてないようなもんだし、おっさんなんて時々素手で肉掴んでるぞ。」

「あれはそうする必要があるからでは?私もマナー云々はわからないですけど。」

「そりゃいつも同じ物食べてるしな。あっ、いつもので。」

いつもとは席を変えて、俺が真ん中、その左側にシェリー達いつもの面子。右側には爺達。

これだけ横に座ってもまだ少し余裕があるから流石だな。

控えているメイドに食事の注文をする。俺たちが入ってきた時に一人メイドが出て行ったので言わなくてもよかった気がする。

その後は特にしゃべることもなく、食事が来るまで少し話しては止まり、また少し話しては止まりを繰り返し。食事が来ら黙々と食べる。

ヒューイ達は出てくる食事に感動したりしてたが、ワイワイと話しながら食べる雰囲気でもなかった。

まぁ、まだ初日で顔合わせした程度だし。こんなもんよね。頑張って会話続けるようにしてみたけど無理でした。ハピの奴は普通にこっちの会話に混ざってきてたが、基本的に俺を挟んで別々の会話してる感じだった。

「…まぁ、こんなもんか。」

「あら、食事に不満ですか?」

「それはねーよ。まぁ、こっちの話だ。」

「…すぐには無理でしょうね。」

「…時間かかりそうだな。」

「そうですか?案外ハマればって感じがしますけど、どうなんでしょうね。」

「ふーむ。まぁ、とにかくご馳走様だな。」

手を合わせて挨拶をする。爺達は何してんだろ。って顔してるが、これも教えておかないといかんな。

「リード様、よろしいでしょうか?」

「ん?何か手伝いがいるか?」

「いえ、食事が終わりましたら公爵様がお部屋に来て欲しいと申してまして。」

「ふむ。もうちょい煮詰めるとこあったっけな。…まぁ、いくか。」

「ではご案内しますのでこちらに。」

さて、部屋に帰ってちょっと世間話でもして新興でも深めようと思っていたがおっさんに呼ばれてしまった。

とりあえず行かなきゃならんくなってしまったので今日はこれで解散でいいか。

最後くらいは一緒に過ごしたいだろうから爺達に部屋を用意してもらうようにメイド達に言い、シェリー達には部屋に戻って好きな様に過ごしとけと言っておく。


「…お連れしました。」

「ちぃーっす、しょうがねぇから来てやったぜ。」

「おう。さっさと中入って座れや。…リードって酒いけたっけ?」

「飲んだことないし、飲みたくないわ。水くれ、水。…いやコップだけでいいわ。」

メイドが恭しくノックして確認しようとするがそれより早くドアを開けて中に入っていく。ここに連れてくる事で仕事は終わったんだろう、メイドが少し笑いながら帰っていった。

何回か来た事あるが立派な部屋だ。寝室とは別の書斎、だったものだろう。多分。

今じゃ装備やらなんやらの物置、ついでに整備したりトレーニングする用の部屋になってる。

それでも立派な部屋であることには変わりないな。

言われるまでもなく既に部屋の中に入っていたのでテーブルの椅子に座る。

「酒飲めると楽しいぞ?何よりうまいしな。」

「言ってもおっさんもそんなに飲んでるイメージねぇけどな。…あぶなっ、投げんなよ。」

「若干酒が入ってるからな、許せ。」

コップがヒュっと飛んでくる。おっさんが笑いながら言ってくるが結構な速度出てたからな。

飛んできたコップに自分で魔法で水を出す。食事も済ませたし、これで十分だ。

「便利だよなー。魔法って。」

「言ってもまずいんだけどな。」

「とは言ってもな、水は重要だからな。それをほぼ無限に出せる時点で重宝するだろう。」

「出すくらいなら普通の魔法使いでも出来るだろうに。…あぁ、魔力が続かねぇか。」

「うむ。飲み水出してたら魔力が切れて戦えませんでした、なんてのは間抜けすぎるからな。」

コップ一杯の水を出すのにも魔力を使うと考えればそんなアホなことはしてられんだろう。

「んで、俺を呼んだ理由って何さ。まだなんか問題あったっけ。」

まずい水を一口飲みながらティスカ公に尋ねる。

「いや、問題は山積みだろうに。…単刀直入に言おう。」

そこでティスカ公が言葉をやめ、息を吐く。

「…レイを連れて行かないか?」

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