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「おいおい…、冗談じゃねぇぞ…。」

「…さっき一応言ったんだけどな。こいつがあんたらの狙ってたバトルウルフだな。元、だけど。」

「いやー、美人と可愛い子と喋る犬ってかなりバラエティに富んでますね。」

「さ、触ってもいいのー!?」

三者三様の反応をする。

「銀次第やな。」

「…一応まだ自己紹介中ですので。主様に仕えております、今はケロベロスの銀です。主に前衛ですね、この姿で戦うことが多いと思います。元の姿では皆さんと連携が取りにくいので。人前では極力喋らないようにしていますので、話は聞いてると思ってください。戦闘に関しては主様の指示にしたがいますが、ある程度のフォローはするので気にせずに戦ってください。」

ぺこりと銀が座ったまま頭を下げる。

「…ハッ、一番しっかりしてんじゃねぇ?」

「銀は俺達の良心だから…。」

ヒューイの言葉に震え声で答える。よく出来た子です。

「まぁ、後は俺の紹介か。…いらんと思うが、名前はリードだ。」

椅子から立ち上がり自分の事を喋っていく。

「戦闘では主に前衛だが、やろうと思えばどこでもやれる。普段はこいつを使ってるが、めんどくさい時は魔法で一掃したり弓で始末したりする。」

ポンっと阿修羅丸を叩き、その存在を示す。

「そうだな。説明すると長いが、色々と出来る。その技能を使ってお前達を鍛えるわけだな。後は…、シェリーはもちろん人間扱い、銀は犬扱いで普段はやってるのでそこを気をつけること。戦闘に関しては何回か試しに戦ってみてそれから指示を出す。ここまでで質問は?」

自己紹介ついでに今後の予定とかも言いたいがまとめて言ってもダメだろうから一旦の説明タイムを設ける。

「はいはいはい!!色々って何が出来るんですかー!」

「お前が聞くんかい。」

「あっ、それは僕も気になります…。」

ハピがパッと手を上げてはしゃぐ。無視しようと思ったが、ロイも聞きたがったのでしょうがないから教えよう。

「あー、そうだな。元々詩人だから歌と楽器には自信がある。闇魔法以外の魔法は基本的に並以上に使えると思っていいな。後…、出来ない事言ってったほうが早いなこれ。闇魔法と召喚魔法がからっきし、それ以外はほぼ出来る。」

自分のステータスを見ながらそう答える。青魔道士にもほどがあるな。

「えぇっと…、投擲や盗賊のスキルに関してもですか?」

「まぁ、実際見てみないとわからんわな。それは追々として、…そろそろ腹が減ったな。」

若干恥ずかしいので会話を遮って夕食の事を思い出す。

大体の事は説明したので大丈夫だろう。

「…これ俺達別にいらねぇんじゃねぇか。」

「うーむ。そこなんだが…、そうだな。最初の仕事として、これだけの人数が旅をするのに必要な物を考えてくれ。予算は、金貨20枚くらいで頼む。」

「多いだろ!何にそんなに使うんだよ!」

ヒューイがびっくりしたようにそう叫ぶ。

「多いのか…、そのへんの金銭感覚とかわからんからな。…給料も月に金貨1枚くらいで考えてたんだが、それも高いのか?」

「お前これまでどうやって暮らしてきたんだよ…。俺らとしてはそれで問題はねぇけどさ。」

「あっ、じゃあ銀貨50にしとくわ。」

「…。」

ヒューイが余計な事言ったって顔してる。特に文句を言わないところを見るとこれでいいんだろう。

「まぁ、これで旅とかに慣れてないってのがわかったと思うから。その辺を教えて欲しい。」

「…りょーかい、これだけの大人数だと…。」

ヒューイがブツブツと考え始める。なんだかんだちゃんと考えてくれるなら問題はないな。

「まぁ、それよりも飯だな。」

「あぁ、さっさと行ってこい。…別に今更物とか盗んで逃げねえから安心しろ。」

「いや、お前達も食うんだよ。」

ヒューイが椅子に座り、机の上にある羽ペンを使い必要な物を書こうとしてその動きを止める。

「…いや、城の飯だよな?」

「そうだな。」

「…泊めてもらうだけじゃなくて飯まで貰っちまっていいのか?」

「そんなケチくせぇことおっさんは言わないだろ。食事はなるべく皆で食べるのがいいしな。」

もう今更だが、この城に大分お世話になってるな。だからこそ、色々手回ししてる訳だが。

「…お城の食べ物。」

「…楽しみだな!」

「おい、お前ら…。まぁ、雇い主が言うんだからいいか。」

「わーい、僕も食べたかったんだよね!エルが作ってるんだっけ?」

「今日は違いますよ。」

「まぁ、エルの料理は旅の時に食べれるから問題ないな。」

「毎回思いますが、色々と説明不足な気がするんですが…。」

「まぁ、いつもの事だよねー。でもリー君はちゃんと考えてるんでしょ?」

「お、おう。」

「あっ、これ考えてないですね。」

「この流れも見慣れた感じ。あー、染まってる気がするわ。」

「これで随分長い事やっていますからね。主様の雰囲気がそうさせるんでしょう。」

「ははっ、こやつめ。褒めてもなんもでねーよ。…銀、俺飯に出たお肉ちょっと分けてあげるね。」

賑やかになりすぎてる一行を引き連れて食堂へと向かう。途中でメイドに爺を呼ぶように言ったので食堂で合流することになるな。

…この城で食べる最後の夕食って感じか。いや普通に帰って来れるけど。

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