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「まぁ、最初に言っておくけど。シェリーは怒らせない方がいいかな?」

「…お前よりも化物なのか?」

「化物やめーや。それシェリーに言ったら多分消されるぞ。」

殺されるとか以前に消し飛ばされる可能性がある。

「後はそうだなー。銀はいつもは犬として扱ってるからそこを注意して…。フランは、まぁ普通の女の子だな。後メイドとして雇ってるのがエルとルクなんだけど、…ヒューイはルクの方には会ったことあったな。騒がしい方がルクでおとなしい方がエルだ。」

「ちょ、ちょっと情報多いですよ…。」

「よー。」

しかめっ面のヒューイに変わってロイとメルが返事をする。

最低限これだけ覚えておけばいいかな?

シェリーと銀の正体は本人目の前にしたほうが早いし。

城の廊下を歩きながら説明していく。

「今日は…、そうだな。今日くらいは爺と一緒の部屋にいけるように手配してみるからそこで休むとして、明日の昼くらいに出発するから。…んー、レイはどうすんだろうなぁ。」

お別れ会みたいなのするとか言ってたけどどうすんだろ。別に今生の別れでもないし、ぶっちゃけすぐに戻ってこれるようにはするつもりなんだがなぁ。

「…何ブツブツ言ってんだ?」

「いや、別に。…ここが俺達の部屋だな。」

借りてる部屋の扉の前まで来た。

「他に言っておくことは…。」

「…ただいまー!!」

確認作業をしようとした瞬間。それまで妙に静かだったハピが扉を勢いよく開けて中に入っていった。

「…うん、もういいや。」

中を確認すると本を読んでいたであろうシェリーとハピにモフモフされる銀の姿と椅子に座って罠の手入れをしてるフランが、そして部屋の掃除をしているエルとルクの姉妹が。

「…結構かかりましたね。」

「それなりに根回しとかしなくちゃならんかったしな。」

部屋に入りながら後ろのヒューイ達に入ってと手で合図をする。

それと同時に皆も手を止めて部屋の中心に集まってくる。

「はい、んじゃ自己紹介からしてもらおうかな。」

パッと机の傍にある椅子をくるりと回転させてヒューイ達の方に向けて座る。

「…自己紹介つったってよ、どうすりゃいいんだ?」

いきなりこんなこと言われたらそうなるか。

戸惑った顔をしているヒューイに皆の視線が注ぐ、するとバツの悪そうな顔になる。

「あー。名前と…、後は得意な武器と戦法、何か一言って感じだな。」

とりあえず使う獲物くらいは知っておきたい、能力的なのは見れるがそこまではわからない。

その辺知っておかないといざって時に動きづらそうだし。

「…ヒューイだ。エモノはナイフを、主に前衛をしてる。…よろしく。」

「堅物かよ。まぁ、いいけどさ。」

「お前、普通こうなるだろ。」

どうにでもなれって顔してんな。

まぁ、見た目通りって言うかそのまんまだったな。問題はここからか。

「んじゃ、次。お兄ちゃんの方。」

「えぇ、お兄ちゃんの方って…。えっと、ロイっていいます。投擲武器を主体に中衛をしてます。…よろしくお願いします?」

皆に見られて照れてるのか顔を真っ赤にしながらロイがそう自己紹介をした。

ふむ、投擲ね。んで中衛ってことは場合によっては前にも出るってことだな。

「うん。概ねわかった。んじゃ、最後に…メルだな。自分の名前と自分の役割は何か言えるかな?」

メルと顔を合わせて言い聞かせるように言う。若干気持ち悪い感じになってしまうがしょうがない。

「うん!メルっていいます!えっと…、皆の話を聞いたりしてます!」

「うん?…あぁ、情報収集ってことか。」

「それです!」

なるほどな。これなら子供でも出来るし、尚且つ子供の立場を利用できるいい考えだ。

「…子供もいるんですね。」

「言うて俺らとそんな変わらんけどな。」

「なるほど、これが普通の子供なんですね。」

「俺らが普通じゃないみたいな言い方…、まぁ普通じゃないか。」

パッとフラン達を見る。…まぁ、ちょっと年相応とは言えないですよね。

「大体わかった。…んじゃ次はこっちか。」

「じゃあ、私からいきましょうか。」

とりあえずの顔合わせだからこんな感じでいいだろう。

シェリーがサッと一歩前に出てくれる。こういう時に動いてくれるのはいいな。

「シェリーです。一応妖精ですのでマスターに仕えてますが、元の姿に戻ることはほぼないと思います。…マスター、他のも言うんですか?」

「あ?まぁ、一応な。」

「ちょ、ちょっと待て。…妖精だって?」

ヒューイがシェリーをガン見しながらそう言う。

「はい、いつもの。」

「…まぁ、そうなると思ってました。」

シェリーがそう呟き元の姿に戻る。ヒューイ達のポカンとした顔が見ものだな。

「わー!!初めて知った!シェリーさんって本当に妖精だったんだね!すごいすごいっ!」

ハピが銀から離れてシェリーの周りをぴょんぴょんと跳ねる。

「いや、話の中で私の話もしたでしょうに…。」

そう言いながらシェリーはさっさと大人の姿に戻る。

「よ、妖精なんて初めて見たけどよ…。その綺麗な姿はなんなんだ?」

「あら、…まぁマスターのおかげってのが大きいですね。」

綺麗って言われて喜んでるのがわかるな。流石シェリー、若干煽てに弱い。

「そ、そうか…。」

「後は、戦闘はもっぱら後衛ですね。妖精魔法主体ですけど、たまに水魔法も使ってますね。こんなとこでしょうか。」

「せやな。」

「じゃあ、次は私がいくねー。フランシスカっていいます、長いからフランでいいよ!後はー、んー、私狩人だから後衛かな。罠とかは得意だよ!」

フランがパッと椅子から立ち上がり自己紹介をする。

「んーむ。」

「…なんか普通だな。」

ヒューイと俺の意見が合致した。

「えぇ!だって私ただの獣人族だし…。」

「まぁ、確かに珍しくはあるが…。」

「言うてフランの耳のふさふさ感はやばいけどな。」

他の触ったことないから知らんがやばい。

「もう…。」

はい、フランの照れた顔いただきました。

「順番で行くと次は私ですね。ご主人様のメイドをしております、エルです。どうぞよろしくお願いします。」

「私はルクね。…まさかあの時の人だったとは思わなかったわ。」

「…あぁ、あの時の嬢ちゃんか。」

エルが深々とお辞儀をする中ルクは平然と突っ立ってる。それでいい。

ルクとヒューイは面識あったな。

「まぁ、一応エルとルクのが先輩になるんかな?役割がだいぶちげぇけど。後は…銀か。」

いつの間にか俺の足元に座り込んでる銀に促すように言う。

「我は銀と申します。」

それまで普通の犬として見ていただろう。銀が喋った途端ヒューイとロイがびっくりして後ずさった。メルだけは目を輝かせたが。

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