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「あっ…。ちゃうで?世界征服とかそういうの考えてないで?」

「いや、マスター。今の発言はどう考えてもそっち側に捉えられてもおかしくないですよ?」

「邪竜なんたらって…。エンヴィスでしょ。その辺の子供でも知ってる事なのになんで知らないのよ…。」

すぐに皆呆れた顔になる。完全に言葉を間違えた気がするがこうなったら仕方がない。

「そうか、言ってなかったんだな。…結構前にエンちゃんに誘われてさ。力が欲しいかとかなんとか。」

「邪竜の誘いですね。…おとぎ話に出てくる事が実際に起きていたんですね。」

「そうそう。それで別に俺力なんていらなかったから無視とかしてたんだよ。んで話をするようになった結果、助けようって事になった。」

エルが相槌をうつように話を促したのでざっくりと端折って伝える。

実際問題本当にこんな感じだ。

「…でもそれって物凄くいけないことだよね?リー君犯罪者扱いされちゃうよ?」

「まぁ、昔はどうだったかしらんが、話してみると結構面白い奴だぞ?それにもう破壊活動に興味なさそうだったしな。」

忘れてたが、世間ではエンちゃんそういう扱いだったな。

処罰とかは別に怖くないが公の場とかで言うのはダメだな。指名手配されてしまう。

「それでも私達の旅の目的が邪竜の復活なんて…。完全に魔族みたいな考えじゃないですか。」

「一理ある。…まぁ、これは俺個人の約束だし。別に着いてこなくてもええんやで。」

計画が総崩れになってしまうが適当に旅をしていけるとこが広がったり、一人で旅が出来るようになったら救出しにいけばいいだけだ。…少し時間がかかってしまうが、そこは我慢してもらうしかないが。

しかし、エンちゃんと連絡がとれなくなってしまってるので出来れば早いほうがいいのだが…。

「…いや、私はついて行きますけど。一応マスターに使役されてますし。」

「そうなると我もそうなりますね。しかし、邪竜の復活なんて流石主様、大それたこと考えますね。」

「いや、別に世界をどうこうするって訳じゃないからね?普通に友達助けるだけだからね?」

シェリーは今更旅の目的がどうこうって感じじゃなさそうだ。

銀に至ってはいつも通り俺を持ち上げ、そうなるとより強敵と戦える可能性があるって顔してるな。

「はぁ…、なんでこんな事に…、やっぱりあの時無理やりにでも…。」

「かなりの長旅になりそうですね…。」

「別に俺の実家でお留守番しててもええんやで?」

「そんな選択肢取れるわけないでしょ!…ついていくしかないじゃない。」

「ご主人様がいくなら当然私達もついていきますが…。足でまといになりそうで…。」

「いや、家事全般やってもらうってだけで十分だから。…戦闘面はその辺の騎士とかでも足でまといになっちゃうから。」

ルクは嫌々だけど仕方ないって感じ、エルは俺がいくなら当然、ね。

確かに選択肢がなかったわ、これ。雇い主には滅多に逆らえないだろうしなぁ。

「フランはどうする?…当然危険な旅になるだろうし、今から家に帰ってもええんやで?」

「…リー君の目的にはちょっと驚いたけど、…できる限りついて行きたい。」

フランがこっちを真っ直ぐに見ながらそうはっきりと答えた。

「もしかしたら俺が守れないってこともあるかもしれんぞ?」

「それでも、リー君の傍にいたい…かな?」

照れながらそう言うのは卑怯だと思います。

「そうか。なら全員大丈夫ってことだな。目的がそれってだけで普通に旅していくのと変わりないから…。」

「ちょ、ちょっと待ってよ!…僕は?」

黙って聞いてたハピが声をあげる。

「いや、ハピはもう強制みたいなもんだし?それに最後までついてこいって言ってるわけじゃないし、現在の状況が悪いからここから連れ出すみたいなもんだし。」

「あっ、強制になってるんだ…。いやでも!そんな面白そうな話されたら凄く着いていきたくなったんだけど!邪竜って凄いんでしょ?リードに力を与えようとしたってことは僕達ももしかしたらもらえる可能性があるってことで…、そうしたら盗賊団の名前を売るのにも役に立ちそう!あっ、でも悪い方に名前が売れちゃうのは…。」

「そこまでにしとけよ。お前しゃべりだすと長いんだから。」

尚もぶつぶつと目を輝かせながらハピが語ってるがゆめ物語にも程がある。

「まぁ、今まで通り。当分は普通の旅ってことだから。」

「とは言ったものの、随分とスケールの大きな話になりましたね。」

「確か霊峰に封印されてるんでしたっけ?かなり遠いですね。」

「邪竜ってどんなのかなー、絵とか見ても禍々しい姿って感じだったけど。」

「ぶっちゃけどうなのよ…、どれだけ厳しい旅になるのよ…。」

「そうは言ってもご主人様ならなんとかしていきそうですけど、…お茶でもいれましょうか。」

「んー、邪竜を従える盗賊団…、名前に竜をつけた方がいいのかな…。」

なんとも緊張感がないと言うか。俺も全くないんだけどさ。

これで大体話し合いは済んだので会議を切り上げる。

次にやることの布石としてティスカ公に会いにいくかな。その後にハピと一緒にあいつらをきょうは…、いや説得して雇わなくちゃな。

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