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外伝7

「全く、我が主にも困ったものですね。大規模な魔力の反応があるからって海を越えて見て来いだなんて…。」

海の上を飛びながらそう独りで愚痴ってしまう。

確かに妙な話だ。私には感じられず、我が主が感じる魔力。

巧妙に隠しているので普通はわからない、暇つぶしに世界を見ている私だから気がついただけだ。主はこう仰っていたが、それほどまでに気がつかない存在なのだろうか。

数年前から大きな魔力を感じる事は多々あったが、あの時は然程気にしていなかった。どこかの逸れ魔族が暴れてただけだと、そう主と結論をつけていた。

実際ない話ではない。魔族が暇つぶしで人族の村を潰すなんてよくある話だ。

しかし、場所が問題なのだ。

少し前に魔族が消息を絶った。それもよくある話だ。この頃はある事情で魔族が暴れてるので調子に乗った奴が倒されただけだろう。

その場所とほぼ同じなのだ。

つまり、その魔族を葬った者がその魔力を持っていると。主はそう結論つけたらしい。

それで見て来いと言われて見に行く途中なのだが…。

「ティスカ公国ですか…、また厄介な場所ですね…。」

気乗りしないまま海の上をひたすら飛び続けた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「焦りましたね…。まさかあれ程とは…。」

城を出て、所々にフェイクを織り交ぜつつ帰路へと着く。

結果として、主の予想は当たっていた。間近で感じたあの魔力、ただの子供が持つにしては異質すぎる。

そして微かに感じた神気、神系のスキルも持っていると考えていいだろう。私には問題ないのだが。

しかし、これは主が考えていた以上の収穫であろう。仲間らしい妖精とウルフの姿も確認出来た。

それ以上にあの子供の存在が大きすぎたが。

あれに比べたら公爵が可愛く見えてくる。

「…さて、これを話した場合主はどう動くのでしょうか。…楽しみですねぇ。」

数十年、いや数百年振りに口元がニヤリと動く。それを隠そうとせずに主の元へと急いで帰るとしよう。

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