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「それに仲間とか言ってるけど、俺は既にシェリーとかいるしなぁ。」

厳密には仲間とは違う気がするけど。…家族って感じか、シェリーも銀も。

フランはどうだろ…。んー、幼馴染?よくわからん位置だな。

レイはなんだろ…。…教え子?これしっくりくるな。

んでエルとルクはメイドで家族ってとこか。

「えー!そんなの聞いてないよ!なんで黙ってたの!?シェリーって誰!?」

「いや、言う必要なかったし。…近い近い。」

ぐいっと身を乗り出してくるハピのおでこを押し出しながらそう言う。

「うぐぐ…、そのシェリーって人に会って一緒に仲間になってもらう様に説得する!」

「やめとけ、不可能だ。…それに俺は会わせる気なんてさらさらないですよっと。」

もう勧誘目的ガバガバじゃねーか、シェリーに会ったら毒舌でノックダウンしそうだしな。…いや、逆に言いくるめられていいように使われそう。

「いいじゃん!会わせてよ!」

「俺はお前の為に言ってるんだが…。」

「そんなの知らないし!会わせてくれてもいいじゃん!」

「…会ったら帰る?」

「…帰るかもしれない。」

「こいつ…。はぁ…、俺は一切助けねぇぞ?」

「ん!会わせてくれるの!?やったー!!」

しーらねっと。正直このまま兵士に身柄預けてそのままポイしてもらってもよかったが、そこまで言うならシェリーさんにボコボコにしてもらおう。精神的に。

飲み物をぐっと飲み干して訓練所の方にハピを案内するために立ち上がる。

「んじゃ、いくか。」

「ん!…どーやって説得しようかなぁ。」

難しい顔して考えてるっぽいけど無駄だよなぁ。

まず俺の説得に失敗してる時点で無理なんだけど、わかってるんかな。この子は。


訓練所に着くとちょうど訓練が終わったんだろう、皆が一息いれてるのが見える。

シェリー達が集まってる所に足を向けると、

「あらマスター、もう訓練は終わり…。その子は誰ですか?」

シェリーがこちらに気づいて声をかけてくるが後半の声が露骨に低くなる。

「あ、あぁ。こいつは前に言ってた…。」

「シェリーさんですか!?リードをください!」

「…。」

あぁ、出会い頭のロケットランチャー。…大惨事の始まりだ。

その大きな声を聞いてシェリーがこちらに足を踏み出し、ついでにレイとフランまでも何故か後ろからついてくる。

「あー、知らねっと…。」

もうどうやっても被害が出そうなので俺は知らん顔して傍観しておこう。

「…マスター、どういうことですか?」

「ファッ!?なんで俺!?」

真っ直ぐに俺の方にシェリーが向かってきて低い声でそう言った。

「またリードの悪い癖が出ましたの?…いい加減にして欲しいですわね。」

「…リー君?」

「お、おいおい。俺はハピがここまで連れてこいって言うから…。」

「へー、わざわざ連れてきてあの発言させたんですか。」

「いや、違うんすよ。俺は全然関わってないんすよ…。」

そう言いながらも三人にどんどん囲まれていくので自然とその場に正座してしまった。

「関わってないなら、くださいって発言はでないですわよね?どうなってるんでしょうね?」

「リー君はこっちにいる間にどれだけの人と知り合ってるのかな?私、その辺りがよく知りたいなー?」

「待って待って、一片に責めないで!」

ちらりとハピの方を見るとキョトンとした顔をしてよくわかってないみたいだった。

「何あの子の方を見てるんですか、マスター?」

「いや、違うんすよ…。あれは前に言ってた…。」

「何言ってるか聞こえないですわ、はっきり喋りなさい。」

「前に言った盗賊団の子です!乗り込んできたので諦めさせるために連れてきました!」

「…それでなんであの発言になるのかな?ちょっとわかんないだけど?」

「それは俺にもよくわかんなくて…。」

「マスター、さっきレイも言ってましたがはっきり喋ってくださいね。」

圧倒的なプレッシャーを受けながら正座したまま弁解しようと試みる。

しかし、こっちに向かってくるのを想定してなかったので既に涙目だ。

誰か助けて欲しい。

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