157
まずは下にお湯を吸い出す穴を作りまして、そこを上の蛇口をつなげて…いやこれしちゃうと汚れたお湯が巡回してるだけか、一旦どこかで浄化出来る所を作らないとな。
てなるとここは保留でいいか、てことでメインの方も同じように巡回するように穴と蛇口を作りまして、水風呂も作りましょうか。
一旦脱衣所に戻りまして、巡回させる部屋を作らなきゃな。
部屋を作り出してそこにお湯を通す道を作る、…ここからどうやって上の蛇口にお湯を送り出すかってとこだよなぁ。…魔物使って送り出す機関作るってのもいいが、魔法でどうにかしよう。
まずはこっちでお湯を貯めるための浴槽を作る。水風呂のも作るので3つだな。
そしてプロペラみたいなのを送り出す方の道につけ、魔力を流すと回転してお湯を上の蛇口に流し込むって感じにするか。こっちは俺しか触ることがないからほぼずっと回せるように魔力込めればいいだろう。
これで送り出すのは出来たから、次はお湯の汚れをどうするかだが。
ここは薄い本でも大活躍のスライムさんの出番ですよね。
こっちの世界でもスライムはいるがどこぞの青いやつよりも数段凶悪って言うよりファイナルなんちゃらに近い。
物理があまり効かないし、取り込まれて窒息死させられたり、酸を出してくるやつもいる。まぁ、核があるのでそれぶっ壊せばいいんだが。
その機能を全部とっぱらってお湯の中の不純物を全て食べてくれるように設定して、このお湯が巡回する部屋に何匹か放てばいいだろう。
人体に影響ないし、スライムは食べ物あるし、でウィンウィンだな。
ついでにお湯の温度を維持するようにしておこう。少し温くなったら自分の体温あげてお湯を温めるようにすればいいな。水風呂の方は逆に下げるようにして…。
設定を追加してスライムを生み出す。段差をあがれないようにしてあるのでこの部屋から出てくることもあるまい。
うにょうにょと動くスライムを見ながら一応こっちにはお湯を水を入れておくことにする。…めんどくさいな、向こうの溜池もつなげてそっちのやつも浄化して上に流せるようにするか。
…こっちはこれでいいか。次は浴場の方を完成させるか。
浴場に移動してかけ湯の方をテストする為に魔法でお湯をドバドバといれていく。
しばらく出していると上の蛇口からゴボゴボと音を立ててお湯が出てくる、その出てくるお湯の量と穴から出てくるお湯の量を調整してちょうどいい感じにする。
「…うん、いい感じやな。」
かけ湯をするための桶がないことに気がついたので宝物庫から木を取り出して、ぱっぱと錬金で作っていく。それをピラミッドみたいに並べる。
「…完璧やん。」
ちょっとうっとりしてしまった。壁に富士山の絵でも書いたら更にいい感じになるなこれ。
さっとかけ湯をしてから気がついたがこっちにもシャワー的なのを設置しないといけないな。
こっちも洗面台と同じ方式でいいか。スイッチでシャワーと蛇口を切り替えるようにして、ボタンで水とお湯を出せるようにして、シャワーはちょっと上の方に設置して角度を動かせるようにして、蛇口は下の方で…、…椅子がいるな。
さっさと宝物庫から木を出して椅子を作る。これもピラミッド状にして桶の横に並べておこう。
そしてシャワーを使ってみる。…いい感じだな、ちゃんと温度も最適でお湯も溝の方に流れていく。
宝物庫から石鹸を取り出し、体全体を洗っていく。久しぶりに開放感あふれるシャワーだ。
「ふっふーん、ふーん。」
そりゃ鼻歌も出るってもんですよ。
「ふっふふーん、ふふふーん。」
気分がいいままにメインの浴槽の中に入り込む。
テンションが高くなってきたので上から雨の様にお湯を振らせて全裸で浴槽の中を走り回る。
「ふふーん!…何やってんだ、おれ。」
ゴボゴボと蛇口からお湯が出てくる音に我に帰る。
こちらも出てくるお湯の量を調整して、浴槽がいっぱいになるまでお湯を注ぐ。
しばらくしていっぱいになったのでそのまま湯につかる。
「…段差もいるな。」
湯に浸かりながら階段状の段差と湯船の深さを調整する。
「…こんなもんかな?…ふー、やっと一息つけれるな。」
そのままお湯につかり久方ぶりのお風呂を堪能する。
…これで完成でいいんじゃないかな?風呂入ったらもう何も考えたくなくなっちゃった。
のぼせたらまずいので湯船から上がる。ついでに水風呂の方も水を入れて調整して…。
最後に全部に使い方と注意書きの看板を立てておく。一々説明するのも面倒だし、皆字も読めるしこっちのが楽だろう。
宝物庫から布を取り出し、体を拭いて脱衣所に。それから服を着替えて髪の毛を魔法で乾かす。
つやっつやのリードさんの完成でございます。
最後に巡回部屋の様子を見て、問題がないので誰かが間違って入らないように扉を消す。メンテナンスの時はまた作って入ればいいだけだしな。
後は体拭くタオルとスリッパを追加したら本格的に完成だな。
久々に頭を使いながら色々作ったので満足感と達成感が半端なく、いい気分で転送石を出る事が出来た。