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「よ、よかった…。」

ダンが天井を仰ぎながら一息つく。

これで普段通りの会話が出来るだろう。いや、むしろ前からこんな感じだったきがするけど。

「公爵様に呼ばれた時から色々考えてまして…、そしてあの時の光景…。」

「まぁ、あれを見てたらそうなるのもわからんでもないが…。そんなことより早速迷宮について訊きたいんだけど。」

「あっ、そうですね…。リード様は迷宮の事をどこまでご存知ですか?」

俺に全くその気がないのがわかったのかダンが調子を取り戻していく。

迷宮の事になると饒舌になるんだよな。

「ほとんど知らんって言っても過言じゃないな、普通の冒険者並の事はレイから訊いてるけど…。」

「なるほど…、それでは迷宮に潜る人基準の事は大体わかっていると考えていいですか?」

「多分な…。えっと職人が作った迷宮と自然に出来た迷宮があるんだっけ?」

「そうですね…、大体合ってます。後者の迷宮は魔族や魔剣などが作ってる事が多いのですが…。」

「…それは初耳だわ。」

「そうだったんですか?でも今は関係ないですね。前者について説明していきますね。」

ばっさりと重要事項を切り捨てた感じがする。

まぁ、別にいいか。そんなとこ行く気はさらさらないしな、魔剣にはちょっと興味があるけど。

「そうですね…。自分だけの部屋を作る感じです。」

「ん?何が?」

あれ?ちょっと考えてたら話飛んだのかな?

「迷宮作成についてでしたよね?」

「うん、そうだけど。自分だけの部屋って何?」

「簡単に言ってしまえばですけど…、まずは手頃な大きさの部屋を頭でイメージしながら転送石を作り上げるんですが…。」

「あぁ、なるほど。…続けて。」

「あっ、その前にスキルの説明のが先ですかね…?」

「説明下手か!…お願いします。」

あかん、話が飛び回ってる。

「まずは迷宮作成についてですが…、これはその名前の通り迷宮の部屋を作ったり魔物を作ったり、つまり無から迷宮に関する物を…。あれ?迷宮職人のスキルは持ってるんですか?」

「おぉい!いいとこで!迷宮作成も迷宮操作持ってるから早く続きを!」

「あ、それならいいんですが…。えっと…。」

「迷宮作成についてのスキルの説明!」

「あ、そうでしたね!…つまり無から迷宮に関する物を魔力によって生み出すスキルです。」

「把握した、んで操作の方は?」

「えぇと…、その生み出した物に魔力を加えて別の物に変化させる、と言いますか…。」

「んんん?つまり、迷宮作成で四角の部屋を作った後に迷宮操作で三角の部屋に変えれますよってこと?」

「あぁ!それで合ってます。最初から三角の部屋を作ればいいのですが、迷宮の構造上ここは、ってとこは後から操作で変えればいいって事ですね。」

「ふむ、…また一から作り直すよりは操作して変えたほうが魔力の消費も少なくて済む、…ってことか。」

「その通りです!…理解が早くて助かります。」

あぁ、自分が説明下手ってことわかってるんだな。まぁ、そうだろうな…。

「これは部屋に関わらず罠や魔物にも全て当てはまります。ただの落とし穴の罠をより深く、底に刺を追加したり。ただのゴブリンに鉄のショートソードを持たせて、盾を持たせたりなど…。もちろん相当の魔力がかかりますが…。」

「なるほどな…。」

「私の迷宮を例にあげますとここの町をモチーフにしてあって、3階層の予定でした。最初は普段の町、次に夜の町、そして最後に城の中と。期間があったので少し小さめの迷宮になってしまいましたが、その分魔物に力をいれました。」

「あぁ、3階層だったのね。かなり広かったけどあれでも小さいのか…。」

「空間を作る魔力はそれほど必要じゃありませんからね、それでも大きくなるにつれて比例して魔力の消費もあがるんですが…。」

「まぁ、そのへんは実際に体験して見ないとな。んで、作れる魔物に制限なんかはないのかね?」

そこが一番気になるとこだ。

「そうですね…、基本的に自分が一度見た物しか作れません。」

「ふーん…、そこ大事やん!」

おいおい、俺のゴーレムで希少鉱石取り放題作戦がもう終わってるんですけど。

「そうですね…。僕達一般的な迷宮職人は戦闘力はからっきしなので魔物を見るためだけに凄く苦労するんですが…。リード様はそんなことなさそうで羨ましいです。」

凄くイヤミを言われたきがする。

「まぁ、本職が違うしな…。」

「引退した冒険者が副業で迷宮職人をするって話はありますが、現役で冒険者をやりつつ迷宮職人もやるのはあまり聞いたことがありませんね…。」

「なるほど、老後も安心か。」

「才能が必要ですけどね…。」

「なかなか上手くはいかんのか…。」

何故かちょっとしんみりした空気になってしまったのでさっさと話を先に進めよう。

「それでちょっと実際に迷宮を作って欲しいんだけど。」

「…当然そうなりますよね。」


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