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窓から朝日が差す、それを合図に俺はいつも起きるんだが。

「…、うーむ。」

目を覚ますと芋虫が蛹になってた。

詳しく言うと両側にシェリーとフランという名の殻がついてる。

「おはようございます。ご主人様。…ふふふ。」

「あぁ、早いな。おはよう。」

「いいご身分だこと!」

今日は既にエルとルクが起きていた。仕事だからだろう。

昨日は例外としてこれからはいつもこうなるな、一番早起きは譲るか。銀は起きてるのか寝てるのかわからんしな。

右を向いても、左を向いても寝顔があるので正直心臓に悪いと申しますか。…ここまで無防備だと色々とイタズラしたくなる。

「…。」

エルが無言でこちらを見ていたのでやめておこう。ルクは気がついてないっぽいが絶対騒ぐしな。

二人を起こさないように上手く殻を外す、結構がっつり絡まってるので外すのが難しい。…これもしかして毎日の日課になるのか?対策考えないとな。

「二人共早いな、仕事か。」

「そうですね、これからはこの時間に起きることになりそうです。」

「まだちょっと眠いけどね、でも仕事だからね。」

大変そうだな。まぁ、そりゃそうか。…俺よく考えたら半ニートだな、この世界でもこれはやばいんじゃないか…?

「朝は軽いミーティングなどの作業になるので朝食までには戻ってきますが、大丈夫でしょうか?」

「ん、構わんよ。」

「ちゃんと朝食は一緒に取るって伝えたらこうなったんだから感謝してよね。」

「あぁ、そうなのか。ありがとな。」

「…寝起きは少し雰囲気が違うわね。」

「まだちょっとスイッチ入ってないからな。」

少しストレッチをしながらエル達と話す。体が痛いのは殻のせいか…、しょうがない。

「あの二人は後で起こすとして…、銀と体動かしてくるか。」

「おはようございます、では行きましょうか。」

スクっと銀がソファーから立ち上がる。やっぱり起きてた、しかも昨日動いてないから今日はやる気がある。

「はい、おはようっと。」

「起きてたんですね…。」

「起きてたなら…。あぁー、癒されるー。」

エルが多少びっくりしてるが、いつも銀は眠りが浅いのかこんな感じだ。

隙を見て撫でに行くルクは流石だ、朝の充電タイムか何か?

「…主様。」

「あぁ、そうだな。ほら、エル達も仕事だろ?行った、行った。」

銀に助け舟を出してやる、こうなったらしばらく解放されなさそうだし。準備体操どころじゃないからな。

「あー、もうちょっとだけ…。」

「ほら、いきますよ。ついでに顔洗ったりするんだから…。」

銀を撫で回してるルクをエルが引っ張って連れて行く。

「…。まぁいきますか。」

「…そうですね。」

微妙な空気が流れるが、切り替えて窓から外に出る。


「さて、今日からちょっと阿修羅丸も使っていくからな。」

「結構本気ですね、…なるほど。」

一旦鞘を外して阿修羅丸を抜き、刀身に土魔法を掛け石で覆う。

少し重くなったが、これならこの状態で切っても痛いだけでバッサリ行くことはない。

「流石に素の状態じゃ使えないしな。…我ながら便利な剣を作ったものだ。」

「思った以上に使い道がありそうですね…。…そうですね、主様にぴったりな剣だと思います。」

「…確かに俺みたいな剣だな、うん。」

俺もこいつも便利屋だな…、持ち主に似るってやつか。…飼い主だっけ?

「今日はちょっと予定あるし、軽くだな。」

そう言いながら阿修羅丸の振り心地を確かめながら間合いを取っていく。

「あぁ、今日は迷宮の事教わるんでしたっけ?」

「やっとな、色々バタバタしてたから先延ばしになってたけど。さっさとマスターして使えるようにしないとな。」

「主様ならすぐですね、…。」

「そうだなっ!」

話ながら銀がこちらに攻撃を仕掛けてくる。それを避けつつ、阿修羅丸で切りつけにいくが当然避けられる。

そこから無言で準備体操という名の模擬戦を続ける。

序盤からフルで行くと疲れるので徐々にギアをあげていく。

しかし、この犬状態の銀は本当に厄介なのでどう見積もっても五分にはならなかった。

もう少し、慣れてきたら五分には出来ると思うのだが…。もちろん本当の体術でってことだけど。


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