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一直線に村に向かいいつもの遊び仲間の輪に入っていく。

妖精と友達になった事を自慢、もとい容認させるためだ。あのアトラス家のガキは妖精と友達だから妖精がそこにいても自然だと、そういうふうに持っていくのだ。

狙い通り子供達は興味津々でシェリーの事を見ている。

大人達はびっくりしてるけど多分後ほどお父さんが説明してくれるだろう、と今は無視。


「妖精のシェリーって言うんだって!僕とお友達になったんだよ!」

おねえちゃんが私もよっ!って感じで胸を張ってる。悲しいかなお母さんの血を引いているはずなのにそれは絶壁であった。まぁまだ子供だしね?成長期に期待しとこう。

口々に子供たちがすげー!とか触ってもいい?とか話しかける。

(シェリー、挨拶。一応猫かぶってて、この集団のガキ大将的な立場を演じてる。)

シェリーが呆れた顔をこっちに向けるが無視。

「みなさん、はじめまして。シェリーとよんでください。」

子供たちが一斉に自己紹介をはじめる、おいおい、モブ共それじゃシェリー困るだろって思ってたら。

「トニー、マーズ、イルー、セイム、カスピンですね。覚えました。」

子供たちがキャーキャー言ってる。やるじゃん、シェリー。

「今日はシェリーも来たばっかりで疲れてるから自己紹介だけね。また今度遊ぼ!」

とそうそうに切り上げる。子供達が文句言いそうな顔してるけどリーダー的存在の俺には場を仕切り権利がある。


おねえちゃんと一緒に家方に戻っていく。

「シェリーは何か魔法とか使えるの?」

とおねえちゃんがシェリーに訊いていた。それは俺も気になるとこだ、妖精魔法がどんなものか、さすがに俺も見たことも聞いたこともない魔法は使えない。

「妖精魔法ですね。植物に関する魔法です。あとは錬金でしょうか。」

「すごーい。その魔法って僕たちでも使えるの?魔法っていいなー。」

妖精魔法ゲットのチャンスだ、後錬金の仕方も教えてもらおう。シェリーが何言ってんだ魔法がっつり使えるでしょ?みたいな顔を向けてくる。

「妖精魔法は人族にはとても難しいと聞いてます。今まで使えた人族は多くはいないでしょう。」

シェリーがぶつぶつと、それでもマスターなら…って言ってるけどどうなんだろう。どうでもいいけどそういう情報どっから仕入れてくるの?聞いたとかいってるけど多分先祖の記憶?とか大地の声を聞いた、とかそんな感じだろうか。

「そーなんだ。私も魔法使えるんだよ!」

と詠唱をして手の平から水を落とすおねえちゃん。この天使水出せるんだぜ?天使だわ。

「その歳で魔法を使えるなんて凄いですね。」

ちらっとこちらを見ながら棒読みで褒めるシェリー。

(こっちみんな。本当にねえちゃんは他のやつに比べて優秀だぞ。)

一応フォローしとく、贔屓とかじゃなくて本当に他の子供に比べたら魔法使いの素質はあるのだろう、結構優秀だった。

「次はシェリーの番だよ。妖精魔法見せてー!」

シェリーがいいですよ、と家の庭近くの花壇まで飛んでいく。


「この花を見ていてくださいね。いきます。」

花に向けて手を向けて詠唱をするシェリー、すると蕾だった花が綺麗に花びらを広げる。

「…このように植物の成長を助けたり、育てたりと出来る魔法ですね。」

「綺麗なお花さん!すごい!」

おねえちゃんはぴょんぴょんと飛びながらシェリーを褒める。まんざらでもなさそうなシェリー。

ふむ、原理はわかったけど使えるか?やってみるか。と他の花に向かって魔力を込める。


【習得:妖精魔法 説明:植物に魔力を通し操る魔法】


ばばばっと効果音が出そうな勢いで他の花が一斉に咲き誇る。やりすぎたやばい。さすがに加減がわからんかった。

シェリーが目を見開いてこっちを見てる、おねえちゃんもびっくりしてる。

「…シェリーってすごい!こんなことも出来るんだ!」

咄嗟にシェリーに擦り付ける、おねえちゃんもシェリーすごい!すごい!と言ってるからバレてないバレてない。

「…えぇ、…全力を出せばこのくらい…。」

シェリーが手をふるふるさせながら苦しそうな声を上げる。

「シェリー?大丈夫?魔力使いすぎたの?」

心配そうな声をかけるおねえちゃん。

「今日は色んなことがあったからシェリーも疲れちゃったのかな?早く帰ろ!」

ちょっとシェリーに色々背負わせすぎたかな?と思いつつシェリーを肩に置いて家に入っていく。

まだぶつぶつ言ってるシェリーがかわいい。


いつもはおねえちゃんと一緒に寝てる部屋にシェリーもちっちゃいカゴでベッドを作りそこで寝てもらう。

ねえちゃんはさすがに興奮の連続だったんだろう、布団に入ったらすぐに寝息を立てる。


(シェリー、起きてるか?)

念喋で話しかけると動く気配がした。

(声を出さなくていい、ねえちゃんが起きるかもしれないし。)

わかったのかまたモゾモゾと動く気配がする。

(この一方通行な念喋がちょっと不便なのでシェリーにも覚えてもらう。)

少し時間を置いてモゾモゾ、まぁそう簡単にいかないだろうしな。

(飼育ってスキルがあるんだが、それを使ってみようと思う。シェリーも魔力込めながら俺に向けて心の中で言葉を出してみてくれ。)

またモゾモゾ、しばらくすると、

(…ス…能…カ。)

(おっいいぞ。その調子だ。)

(マス……能力…カ。)

(いいぞー。もっと力を込めてー。)

(マスターの能力バカ。)

(誰がバカだ、おい。)

(出来たの。やったの!)

まぁできたならよし、これで色々とできることが増える。

(内緒話はこっちですることにしよう。もう、寝るぞ。おやすみ。)

(おやすみなさいです、マスター。)


シェリーも疲れていたのかすぐに寝入ってしまった。妖精も寝るんだな。と思いながらいつもの日課である魔力を使う作業をする。

簡単に言うと開いてる窓の外に4つのボール魔法を使いそれを無魔法で上空に飛ばし拡散させる。

上を飛んでるやつがいたらアウトだけどこれでなんの影響もなく魔法を鍛えることができる。

気分が悪くなってきたとこでやめ、眠りに入る。

うとうととしていたら

(答えよ、力が欲しいか?)

とか聞こえてきたから

(うっせ眠いんじゃ、力なんて有り余ってるんでセールスお断りです。)

と一息に返し、魔法遮断で完全シャットアウトして寝た。

ちょっと補足説明的なのを。

MPの最大値がかなり高いので超回復によって回復かなり早いです。

イメージとしてはバージアハピのガッツ回復みたいな。

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